オリンパスペンD2のカメラ修理

今日は「さくらの日」だそうですよ。
都内はまさに今が満開です。
おまけに今週は天気も安定していて
まさに花見には最適ですね!
今日はお店はお休みだったのですが
桜に相当未練を残しながらも
毎年訪れている「城山かたくりの里」に
かたくりを撮りに行ってきました。
まぁ、桜は今年はもうあきらめました(笑)
来週はもう散ってしまうでしょうし。。。
密かに河口湖あたりに行けば撮れるとは目論んでいますが。。。

さてさて

本日は「オリンパスペンD2」のカメラ修理をご紹介します。
最初のペンD登場から2年後の1964年に発売されたモデルです。
それまでのセレン光電池を使用した露出計から
CDSを使った露出計に変更されました。
ということは電池を使うようになったわけですね。
それでもセレンに比べると反応の早いCDSの利点は大きいと思います。
セレンを使った露出計はセレンが劣化すると
正直、修理不能なものが多いのが現実ですが
CDSもやはり劣化は発生します。
セレンのように全く起電しないということは稀ですが
反応が鈍くなる、あるいは反対に振り過ぎてしまうこともあります。

今回、お預かりしたペンD2はシャッター等は
とりあえず動作しているのですが
その露出計がなんと+6段!
さすがにネガフィルムだったとしても問題のある精度です。
この露出計を頼りにするよりは
晴れだったらF11・1/250とかで
固定して撮ったほうがまだ良いと思うほどのレベルです。
ご依頼者様いわく
「たまに普通に振るときもあるような気がするのだけど。。。」ということです。
通常に考えたらCDSの劣化かな。。。と思うのですが
もし本当に「たまに普通に振る」のであれば
CDSの劣化ではなく、どこかの接触不良かもしれません。

細かくチェックしてくと絞り・シャッターに若干の粘りもあり
レンズにも汚れがあるようです。
露出計だけではなく全体の各部点検整備を行います。

露出計に関してはまず電池室からの配線をチェックしました。
念のためハンダはやり直しましたが
6段オーバーの原因はここではないようです。
いろいろテスターで確認してみたところ
どうやら今回のトラブルの一番の原因は
露出計のスイッチのようです。
D2になってからは背面にボタンが設置され
押している間だけ露出計がオンになるのですが
このスイッチの接触が悪いため十分に電圧がかからないようです。
SWの接触が良好になると+1.5段まで改善されました。
あとは抵抗等々の調整で適正な値に調整します。

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