オリンパスM-1のカメラ修理

今日はピンとくる記念日がないのですが。。。。
1995年10月6日に太陽系以外で
初めて惑星が発見された日とされています。
ペガスス座51番星という5等星ほどの目立たない星ですが
地球から50光年ほどの距離で
太陽よりは1.5倍ほど大きい星です。
その周りを木星の半分ほどの質量の巨大ガス惑星が回っています。
ちょっとびっくりするのが
その惑星が太陽系から水星の距離の1/6ほどの非常に近いところで
たった4.2日で公転しているとのことです。
主星から近いため表面温度は1000℃ほどあるらしいです。
非現実的すぎて想像するだけでちょっとワクワクしますね(笑)

さてさて

本日は「オリンパスM-1」のカメラ修理を行っています。
いわゆる「OM-1」の極初期モデルです。
いろいろな大人の事情で最初の生産ロットだけ
「M-1」として生産出荷され、その直後
「OM-1」に改名されたわけですね。
「M-1」として出荷されたのは約5000台といわれていて
その希少性から市場でも高値を維持していますが
5000台よりは本当は多かったのではないかな。。。と思っています。
見かける台数が妙に多いのですよね。。。
大きめの中古カメラ屋さんにいくと必ず1台は見かけるし。。。(笑)

お預かりしている「M-1」は
露出計が非常に不安定なこととスローガバナで粘りが見受けられます。
心配されるプリズム腐食は何とか大丈夫でしたが
上カバーを開けてみると
粘着質となったモルトがプリズム上に張り付いていました。
このまま放っておくと間違いなくプリズムも腐食してしまいます。

過去、何度か明らかに普通のOM-1に
上カバーのみM-1に交換した個体を見たことがありますが
今回の個体はフィルム室の4本スタッド、
プリズム押さえの4本のバネ、根元部分がネジ留めされた巻上レバー
低照度警告スイッチの配線、深さの浅い接眼レンズ。。。。等々
M-1ならではの特徴を全て確認できます。
ただ、これは最初期のOM-1でも同様ではあるし
巻上レバーに関しては指当て部が破損しやすく
OM-1のものに交換されている個体も多いです。

M-1(OM-1)は軽量化のために
接眼レンズの枠から基板を積載する部分、
メーターを固定する台座、ファインダーボックスの枠まで
全て一体のプラスチックパーツが使われています。
これが初期のOM-1やM-1の場合、
経年劣化で非常に脆くなっていて
ちょっと手荒にネジを締め付けると簡単に割れてしまいます。
そのあたりにも細心の注意をしながら作業を行います。

分解途中で気がついたのですが
レリーズ機構部の動きもちょっと怪しいようで
ミラーアップがスムーズに動かないことがあるようです。
これから本格的に分解を進めて
各部点検整備一式を行います。