ワルツエレクトリック2.8のカメラ修理

今日は天皇誕生日でもあり
東京タワーが完成した日でもあるのですね。
東京タワーは約4000トンもの鋼材が使用されたそうですが
その中でも特別展望台から上の部分には
朝鮮戦争後にスクラップされたアメリカ軍の戦車が使われているそうです。
当時の日本では良質の鋼材に恵まれず、
またアメリカもとっても戦争でボロボロになった旧式戦車を売却して
新型戦車を製造した方がメリットが大きかったためだそうです。
スカイツリーが完成してもやはり東京のシンボルは
東京タワーかなぁ。。。と思います。
そういえばスカイツリーは近くまで行ったことはあるのだけど
登ったことまだないのです。。。(苦笑)

さてさて

本日は「ワルツエレクトリック2.8」のカメラ修理を行っています。
ワルツといえばフィルターやフード等の
カメラアクセサリーでよく知られたメーカーですが
二眼レフのワゴーフレックス(ワルツフレックス)や
ワルツ35シリーズ等のカメラも1950年代に発売しています。
「ワルツエレクトリック2.8」はセレン光電池を使った露出計を搭載した
レンズ固定式のレンジファインダー機です。
エレクトリックの名前から電子制御シャッター機をイメージしてしまいますが
機械式レンズシャッター機です。
発売は1960年です。
シャッターは他のカメラでもお馴染みのコパルSVを搭載し
最高速は1/500です。
レンズはWALZER4.5cmF2.8を搭載します。

お預かりしているワルツエレクトリック2.8は
かなり長い間、どこかに仕舞いこまれていたようで
最大の問題はレンズが真っ白に曇っていることです。
曇っている。。。というより濁っている。。。というほうが近い感じです。
通常、レンズのクモリは取れないことも多く
今回もご依頼者様には改善しないリスクもお話していたのですが
結果からいうと多少のうす曇りは残ったものの
何とか普通に撮影に使える状態にはなりました。
当然、通常の清掃では全く改善せず
なかなか苦労しましたが何とかなって一安心です。

レンズは何とかなりそうですが
他にも問題はたくさんあります。
絞りリング、SSリング、巻上等々、操作系が全て激重です。
さらにシャッター羽根、絞り羽根には粘り
スローシャッターは全く効かず全て高速で切れてしまいます。
セレンは生きているもの露出計は非常に不安定です。
フィルムカウンターも動作していないようです。
。。。とはいえ、この辺りの症状は
この年代のカメラであればよくあることで
分解してひとつひとつ、清掃・注油していけば改善すると思われます。
ただ、露出計は全く問題のない精度を出すには
ちょっと難しい状態かな。。。と予想しています。

まずはシャッターユニットの整備から取り掛かります。

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