ミノルタXEのカメラ修理

今日は「エベレスト登頂記念日」だそうです。
ヒラリーとテンジンが1953年のこの日に世界で初めて
エベレストの登頂に成功した日です。
エベレストの標高は8848m
標高8000mを超えると空気中の酸素は地上の約1/3だそうです。
空気が薄いためヘリコプターも飛べません。
(5000mくらいが限界だそうですが
三浦雄一郎氏がキャンプ2からヘリコプターで下山したときは
キャップ2の標高は6000m、到達したこと自体が珍しいことのようです)
8000mを超えたエリアはデスゾーンと呼ばれ
遭難者の遺体の回収もできず
200体以上の遺体がミイラ化したまま残っているそうです。
また放置されたままのゴミも多く
推定50トンのゴミが捨てられたままになっていると言われています。
ちなみにエベレストでの水の沸点は71℃(富士山は88℃)
気温は-35℃~-20℃、記録上にある最大風速はなんと332km/h!
(常にこんなに吹いている訳ではないのですが)
調べれば調べるほど想像を超える世界のようです。
8000m超えの高さを誇る山は世界で14峰あり
その全てがヒマラヤ山脈・カルコルム山脈に集中しています。
ちなみにヒマラヤ山脈には100峰以上の7200以上の山があり
そのほとんどが無名峰なのだそうです。
もうこのエリア自体が想像を超えるエリアですね。
登頂したいとまでは思いませんが
4000mあたりから一度は眺めてみたいな。。。とは思います。

さてさて

本日は「ミノルタXE」のカメラ修理を行っています。
滑らかな巻上を筆頭に使い心地のよいカメラとして知られています。
(当時のメーカーの宣伝でもカタログスペックだけでなく
使い心地がセールスポイントとされていました)
1974年の発売です。
コパル、エルストンライツ(現ライカ)、ミノルタの3社で
共同開発されたコパルライツシャッターを搭載します。
このシャッターユニットも巻上の滑らかさに大きく貢献しています。
個人的にも非常に好きなカメラで
自分用にも何台か所有しています。
しかしながら多少デリケートな部分もあり
特に最近はきちんと動作していてプリズム腐食のない個体には
なかなか巡り会えないのではないかと思われます。

お預かりのXEもご多分にもれず
プリズムが腐食しています。
もはやキレイなプリズムを探すのは相当苦労しますが
今回は何とか交換用プリズムを確保しています。
加えて自慢の巻上は油切れでジャリジャリ感があり
何と言ってもまず電源が入りません。
当然、シャッターが切れるのはメカニカルのXとBだけです。
おそらく単純に電池室からの電圧供給ができないためだとは思われますが
電源が復帰しても他にいろいろトラブルはありそうです。
まだ分解前なので電源復帰後のトラブルは確認できませんが
よくあるトラブルとしては。。。

・露出計が振り切ったまま
・シャッター(X・B以外)を切ってもミラーアップしたまま
・シャッター(X・B以外)を切るとシャッターが開いたまま
・高速シャッターが開かない

というのが代表的なものです。
露出計の問題はほとんどが巻戻しクランク下の摺動抵抗の
汚れや劣化によるものです。
高速シャッターが開かないのは
シャッター羽根の汚れによるものが多いと思われます。
その他のミラーアップやシャッター開きっぱなしとかの症状があると
少々厄介で原因が複数考えられます。
XEは電気接点の多いカメラで接点不良でこの症状が起こる場合や
ハンダ付けの劣化で起こる場合、
はたまた電子基板内不良のため起こる場合とがあります。
チェック箇所が多いのでなかなか
トラブルシューティングが面倒ナカメラです。

外装のコンディションは良くキレイなXEです。
まずは電源の入らない原因を探し
電源が入るようになったところで
他にどんな不具合があるか確認し
本格的に整備に取り掛かっていきます。

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