キヤノンAE-1のカメラ修理

今日は「写真の日」だそうですよ。
1841(天保12)年のこの日に
日本初の写真が撮影されたとされていて
写真機はオランダから献上されたもの
写されたのは薩摩藩主の島津斉彬で
撮影したのは長崎の御用商人・上野俊之丞だったそうです。
ただ、後の調査で、それ以前にも写真撮影が
行われていたことが分かっているのだそうです。
「写真」の意味合いも私が生きている間だけでも
時代とともに随分様変わりしたような気がします。
私は芸術的な観点からの写真に関してはよくわかりませんが
これだけ気軽に写真が誰にでも撮れる時代なのだから
ちょっとした日常のことを気軽に写真で
記録しておくのも良いとよく思います。
そのときは何でもない写真でも
後から見ると思いで深いものになっていたり
開きにくくなった記憶の引き出しの
トリガーになってくれるかもしれません。

さてさて

本日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理を行っています。
最近、「AE-1」の修理依頼、比較的多いですね。
少し前にも同じようなことを書いた気がしますが
1976年発売のカメラです。
世界初のマイクロコンピュータ搭載カメラで
きたるべきさらなるカメラの自動化・電子化への流れを
リードするカメラとして開発発売されました。
徹底的な生産の効率化も行われ
同機能のこれまでのモデルに比べて
約300点の部品削減にも成功しています。
そういった部分も功を奏し
他メーカーの同クラスカメラに比べて2万円近く
お安い価格設定にすることができ
普及機で今一つヒットに恵まれていなかったキャノンの
救世主ともなったカメラです。
コスト面だけではなく適度にコンパクトで
基本性能に優れ
非常に使いやすいカメラでもあり
そういった面からも支持されたカメラだと思います。

お預かりしている「AE-1」は
シャッター幕が中途半端な位置で
止まったまま固着してしまっています。
「AE-1」としてはめずらしいパターンでのトラブルです。
そこから巻き上げることもできず
ミラーもアップしたままなので
他の動きも全く確認できない状況です。
「AE-1」は言わずとしれた電子制御機ですが
機構上、いったん走り出したシャッターは
電源が入っていようがいまいがとりあえずは
最後まで走るはずです。
そこから考えると何か機械的なトラブルかと思われます。

強制的に巻き上げると正常なチャージ状態に
することはできました。
そしてそこから機械的に強制レリーズすると
やはり最後まで走り切らず
シャッター幕が途中で止まってしまいます。
それも幕軸の動作不良とかでじわっとシャッターが動いて
じわっと止まるの感じではなく
勢いよく走り出してパシッとある点で止まります。
何かシャッター駆動部に部品か
ゴミかが挟み込まれているような感じです。
分解し始めてすぐにわかりましたが
過去に分解歴があるのは明らかで
それもあまりよろしくない弄られ方をしているのが
一目瞭然です。
シャッターのトラブルはもう少し
分解を進めれば何とかなるとは思いますが
いろいろとこのままだとまずそうな箇所が
ここまででも既にいろいろ散見されるので
入念に細かくチェックしていきます。

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