ペンタックスMEのカメラ修理

今日は6月9日ということで
「無垢(6・9)の日」だそうです。
ここでいう無垢は無垢材のことで
原木から必要な分だけ切り出した木材のことです。
ホームセンターとかの素材コーナーに行くと
やはり合板や集成材が多いのですが
無垢の木はやはり質感が断然良いですよね。
素材としての木材も良いのですが
自然の大木も良いですよね。
私がよく行く新宿御苑とかでも
大きな木の幹に触れているだけで
何だか妙に安心感があるのですよね。
とくにプラタナス(スズカケノキ系)の表面のツルっとした木は
ずっと触っていたくなりますね
(新宿御苑でカメラを抱えて
スズカケノキの幹を延々撫でている
おっさんがいたら多分、私です(笑))

さてさて

本日はペンタックスMEのカメラ修理を行っています。
1970年代中頃から80年代初めにかけて
展開・発売したペンタックスMシリーズの中核となるカメラです。
Mシリーズといえば第一弾として発売された
「MX」がMシリーズ中唯一の
機械制御シャッター機ということで人気ですが
Mシリーズの本流といえば
やはりME系のモデルということになると思います。
コンパクトなセイコー製縦走りシャッターユニットを搭載し
最新のLSIを装備しSSやオート露出を制御
巻上フィーリングやファインダーのピントの見えも
非常に上質なカメラです。
高度な電子制御を搭載しているカメラですが
電子基板関連のトラブルは意外と少ないカメラです。
その代わり機械的な部分のトラブルが比較的多いカメラで
代表的なのがミラー駆動部ゴムブッシュ劣化による
「ミラーアップしたまま固着」という症状です。

お預かりしているMEは
その定番のミラーアップトラブルはなく
快調にシャッターは切れています。
ただし、電源が全く入りません。
シャッターは切れますが電源が入らないため
オート時には常に最高速で切れているだけです。
電池室蓋側に少しばかり緑青があるのですが
それほど導通に影響しているようには見えません。
実際にテスターであたってみても
とりあえず問題はなさそうです。
電池室底側(+側)端子は見た目はキレイなのですが
分解してみると端子裏側のハンダ付け部は
緑青がしっかり発生しており
配線は腐食して切れてしまっていました。
電池端子部だけならまだ良いのですが
その隣にある基板差込部にも緑青が発生しています。
ワインダー用にそこから出ている青リード線は
ちょっと触っただけで簡単に切れてしまいました。
この辺の端子は磨いてハンダはやり直さないとダメなようです。

もちろん、ミラー駆動部やシャッターユニットの整備も
同時に行います。
MEでトラブルの起こる箇所というのは大体決まっているので
現在、症状が出ていなくても
そこは重点的にチェックし整備を行います。
このMEはご依頼者のお母様が使っていたカメラだそうです。
おそらくかなり長い間使われていなかったものと思われますが
整備すればまだまだ快適に使えます。
コンパクトで絞り優先AEのMEは
気軽に持ち歩く一眼レフとしてはかなり良いカメラだと思います。

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