キヤノンTLbのカメラ修理

今日は「おまわりさんの日」だそうですよ。
1874(明治7)年のこの日に巡査制度が始まったことに
由来しているそうです。
同じ年に「交番制度」も始まっているのですが
当時はまだ交番の建物もなく
雨風の強い日は大変だったそうです。
普段、あまりお世話になることはないですが
地域に根ざした交番とおまわりさんの存在は
本当に心強いですよね。
。。。全く話は変わりますが。。。
今日は広島カープのエース
大瀬良大地選手の誕生日でもあります!
おめでとうございます!
次の登板もがんばってください!応援しています!

さてさて

本日は「キヤノンTLb」のカメラ修理を行っています。
1976年発売のカメラです。
その前年にFTbの機能をもっとシンプルにしたモデル「TX」が
輸出用として登場しており
そのTXをさらにシンプルにしたものがTLbです。

お預かりしているTLbは
まず高速シャッター(1/500)が開きません。
シャッター幕走り始めから走り終わりまで
全く開かない状況です。
加えて露出計も全く動きません。

先幕と後幕の幕速のバランスが悪いため
シャッターが開かなかったり、
露光ムラが発生するのは
フォーカルプレーンシャッター機では定番のトラブルですが
その多くは幕軸の汚れや油切れ等が原因です。
ただし、キャノンFシリーズの場合は
そこだけではなく幕ブレーキ周りの油切れも多いと思われます。
シャッター幕のバウンドが起きたり
先幕の幕速が安定しない場合もここが原因のことが多いです。
未整備のキヤノンFシリーズ機で
シャッターを切ったときにシャッター音に「ギャッ」と言った感じの
高い音の「鳴き」(Aシリーズのシャッター鳴きとはまた別物)が
出る場合の原因もここである可能性が高いです。
今回のTLbもまずは幕軸の清掃で
シャッター動作はおおまかには安定したのですが
たまに先幕が極端に遅くなるような症状もあり
それの原因は幕ブレーキ部の油切れが原因でした。

基本的な構造はFTbと同様です。
写真にも少し写っていますが
受光体(CdS)はコンデンサレンズの後ろではなく
接眼レンズ上部に置かれています。
そのためFTbは中央部部分測光ですが
TLbは中央部重点測光に変更されています。
ちょっと変わっているのは
前面左側にあるレバーは一見セルフタイマーレバーですが
TLbの場合はプレビュー(絞り込み)レバーです。
セルフタイマーは省略されています。

付属のFD50mmF1.8s.cレンズは
絞りが固着してしまっているようで
絞り羽根が全く出てきません。
こちらもこの後、絞り羽根清掃を行います。

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