今日は「望遠鏡の日」だそうですよ。
私がまだ幼稚園児の頃、
うちのじいさんは何を思ったか
赤道儀の6cm屈折天体望遠鏡を私のために買ってきたのですね。
最初は家の窓から灰が峰の山頂を見たりして
「すごいねぇ~展望台に人がおるのが見えるけん」といっては
喜んでいたのですが
本格的に天体望遠鏡として私が興味を持ったのが
小学校4年生くらいの頃だったかな。。。
オリオン大星雲やプレアデスやアンドロメダ大星雲やら
簡単に見つけられるものをよく見ていましたが
さすがにその頃の私では赤道儀の極軸合わせなどできるはずもなく
四苦八苦していたことをよく覚えています。
今の赤道儀は極軸合わせも簡単そうだし
天体導入もできて余計な労力がなさそうですよねぇ。。。
あぁ、あの頃にこれがあれば。。。(笑)
今でも本格的な天体望遠鏡が欲しくなることがたまにありますが
とても空の暗いところに頻繁に見に行くことなんてできないだろうし
天体写真まで挑戦しようものなら
結構な投資が必要なのですよね。。。やっぱり無理だなぁ。。。(笑)
さてさて
本日は「ニッカ5型」のカメラ修理を行っています。
ニッカカメラはバルナックライカコピーの全盛期に
高い品質で非常に人気のあったメーカーです。
一眼レフの時代がやってくる頃にヤシカの完全子会社となり
60年代半ばには完全にヤシカに吸収合併されました。
同様にバルナックライカコピーで人気のあったメーカーといえば
レオタックスも同様ですが
ニッカが日本光学のニッコールレンズを標準で装着してたのに対し
レオタックスは東京光学のトプコールを装着し
ここでも「海のニッコー」と「陸のトーコー」の
ライバル関係が再現されていました。
ニッカ5型は1955年に発売されたカメラで
ボディはそれまでのプレスボディからダイキャストボディになり
各部の精度が向上しています。
大きな特徴は底板を外すと裏蓋が開くようになったことで
バルナックタイプのカメラ特有の
フィルム装填の煩わしさが随分改善されました。
修理・整備を行う立場からもこれは非常に便利な機能で
通常、バルナックタイプのカメラは
完全に外装を外してしまわないとシャッタースピードの計測が
できないのですが、裏蓋が開くことで
一眼レフ等と同じように分解せずにシャッタースピード計測が行えます。
お預かりしているニッカ5型は
シャッターを切ると何とか先幕は走るのですが
後幕が全く出てきません。
そのままの状態では後幕の姿すら拝めませんが
確認できる先幕の状態を見ても
シャッター幕が硬化してしまっており
しなやかさのかけらもありません。
硬化してしまっているため後幕は出てこれないものと思われます。
この頃のバルナックタイプのカメラは
ニッカ、レオタックス、キヤノン等々どこのメーカーのものだろうと
未整備であればほとんどの場合がシャッター幕が硬化してしまっており
シャッター幕交換が整備の前提になります。
シャッター幕交換はかなりの重作業となり
予算も納期もかなりかかります。
それでも幕交換さえしてしまえば
(当然シャッター整備・調整も同時に行わなくてはならないため)
快適に動作するようになる個体は世の中にたくさんあると思います。
今回も幕交換及び各部点検整備一式で
非常に気持ちよく動作するようになり
撮影にもガンガン使っていただけれる状態になりました。
実は結構な分解品だったと見られ幕交換以外にも
いろいろと問題がありました(苦笑)
スプールとレリーズボタン受皿部が紛失しており
これは現在、手配中です。
いわゆるゴム引きの布幕は
劣化してしまうのはしかたがないものと思われます。
バルナックタイプのカメラは1950年代のものが多いので
劣化しているものが当然多いのですが
50年代後半、60年代の一眼レフでも
硬くなりかけているものもよく見かけます。
長い間、動かしていないのだと特に硬化しやすいと思われます。
酷いものになると穴が開いているものも多いですね。
もし、家から60年くらい前の布幕シャッター機が出てきたら
使ってみる前にまずはシャッター幕の状態を見ていただければと思います。
もちろん、当店に持ち込んでいただいても大丈夫です。
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