ニコンFのカメラ修理

今日は「えんぴつ記念日」だそうです。
修理作業のために「鉛筆の粉」を使うことはありますが
筆記具として鉛筆を使うことはさすがになくなりましたね。。。
小学生低学年の頃はまだ鉛筆が当たり前だったかな。。。
高学年になった頃はシャーペンがずいぶん普及して
ほぼシャーペンで書くようになっていましたねぇ
でもそれなりに鉛筆も使っていたし
教室の後ろの棚には必ずでっかい鉛筆削りがありました
(クランクを手で回すタイプのやつ)
家の学習机には電動鉛筆削りが組み込まれていて
ちょっと先が丸くなったらすぐ削ってたなぁ(笑)
後ろに小さな消しゴムが付いた鉛筆も
よく使っていました。。。鉛筆一つでいろいろ思い出しますね。
そういえば今でもダーマト(芯の太い赤鉛筆)は
フィルムのプリント指示とかを書き込むために使いますが
これ子供の頃にも家のいたるところにあって
(じいさんが使っていた)
不必要に糸を引っ張って芯を出しては怒られたなぁ
(使ったことある人しかわからないネタですみません)

さてさて

本日は「ニコンF」のカメラ修理を行っています。
一眼レフの歴史を語る上で決して外すことのできない
伝説の名機ですね。
何がすごいかいうと「これでもか」といわんばかりの頑丈さです。
分解してみるとよくわかりますが
明らかにオーバークオリティな強度の部品が使われていて
普通に使っている限りは壊れることはないのではないかと考えさせられます。
。。。。とはいえ部品そのものは丈夫でも
定期的メンテを行わないと動きが悪くなってしまうのは避けられません。
それでもやはり「F」致命的な部品破損や変形の非常に少ない
カメラだと思います。
加えてその機械的な精度の高さも同時期の他カメラと比べると
やはり明らかにレベルが違います。
当然それだけ頑丈に作られているため
大きく重いのは当然ですが
どんあシチュエーションでも撮影が中断されることのないように。。。という
明確なメーカーからのメッセージが伝わってくるカメラだと思います。

お預かりしている「ニコンF」はアイレベルファインダーの装着された
精悍なブラックボディです。適度に使い込まれた感もありますが
それはそれでよい味を出していると思います。
お預かり時にとりあえずしゃったーは切れているかな。。。と思いながら
SSチェックも行ったのですが
なんと1/60~1/1000まで高速シャッターが全てまったく開きません。
1/30以上のスローガバナが介入するSSにばってやっと開きます。
SSダイヤル下の調速カム周りの動作不良が原因かと思われます。
何とかシャッターの開く低速側も
スローガバナの粘りがあり問題なしとはいきません。
とにかく動作部分にいろいろ動作不良が起きている状態です。
それでもきちんと清掃・注油の上、再調整を行えば
問題なく動作するようになります。

写真は一通り作業の終わった段階で撮ったものです。
しゃったーは全く問題の精度で1秒~1/1000まで動くようになりました。
「F」の唯一の泣き所といえばプリズム腐食で
今回の「F」も目立つほどではないのですが
やはり中央縦方向にわずかながら腐食があります。
これはもう交換用のプリズムが入手不可なので残念ながら現状のままです。
今回くらいであれば全く問題ないレベルではありますが。。。
装着されているレンズはプリセット絞りの
「PCニッコール35mmF3.5]です。
シフトアオリ機能の付いた特殊レンズです。
外装・レンズ共にカビ汚れが酷かったため
できる限りの清掃とヘリコイドグリスアップ
絞り羽根の清掃を行っています。
ボディ・レンズ共に
非常に気持ちよく使っていただける状態になったと思います。

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