今日は二十四節気でいうところの「霜降」です。
「しもふり」じゃなくて(なんだか美味しそうだ)
「そうこう」ですよ。
秋が一段と深まり、露(つゆ)が冷気によって
霜(しも)となって降り始める頃だそうです。
二十四節気は元々、中国の内陸の気候が元になっているので
さすがにまだ日本の平地では霜は早いですが
日に日に冷え込みが進んでいっているのはよくわかりますよね。
私は個人的に冷たさで朝の空気が張り詰めたように感じる
この季節が1年の中で一番好きなのですが
今年はやたらと雨が多いですよねぇ。。都内は今日も朝から冷たい前です。
鍋やおでんが美味しい季節になってきて
合わせるお酒も冷やもいいですが熱燗も美味しい時期になってきましたね。
今夜はおでんにぬる燗がいいような気がしてきました。。。(笑)
さてさて
本日は「コニカⅡB」のカメラ修理を行っています。
民生向けコニカブランドとしては初のカメラである
「コニカⅠ」から始まった
コニカ初期のレンズ固定式レンズシャッター+レンジファインダー機の
シリーズであるコニカⅠ~Ⅲですが
どのモデルも現在見ても非常に魅力的なカメラです。
「ⅡB」は1955年の発売で
無印の「Ⅱ」からタイム露出を省略したモデルです。
「B(バルブ)」があるとそれほど「T」を使うことはないでしょうし
それ以前にそんなに長時間露光をする機会も少ないと思うので
この省略はほとんどのユーザーにデメリットはないと思います。
搭載されるレンズはヘキサー50mmF3.5が搭載されるものと
ヘキサー50mmF2.8が搭載されるものが存在するようです。
今回、お預かりの「ⅡB」はヘキサー50mmF3.5です。
ダブルヘリコイドの採用で
無限遠を超えてレンズを縮めて格納することができます。
ほんの少しと言えば少しなのですが
コンパクトに格納できるのは良いことです。
いわゆるセルフコッキングの搭載はⅢまで待たなければなりませんが
Ⅱは二重露光防止機構が搭載され
Ⅰに比べると使い勝手はかなり良くなりました。
シャッターユニットはコニラピッドSで最高速は1/500です。
お預かりしている「ⅡB」はお預かり時には
鏡胴がかなりぐらついており
っほぼ外れかかっているのではないかという状態でした。
落下品とかというわけでなく全体的に
とにかくネジが緩いといった状態で
長年のうちに緩んできた締まったものかと思われます。
調速カム部分も緩みのせいではずれかかっていたので
まともにシャッタスピードが調整できる状態でもありませんでした。
何か他のトラブルも抱えている可能性があるので
とにかく一通り分解して清掃し
動作確認や調整を行いながら組み上げていきます。
予想通りというか定番ですが
やはりシャッター羽根や絞り羽根には油シミが見られ
動きも若干粘っていました。
シャッターユニット内も油切れの兆候が見られます。
ファインダーもずいぶん曇っていましたが
清掃で相当クリアにすることができました。
写真は一通り整備が終わった後のものです。
少し様子見の段階ですが特に問題はなさそうで
もう少ししたら最終チェックを行って完成となります。
使い勝手で言うとⅢがさすがに良いと思いますが
デザインのオシャレさというかモダンさというか
Ⅱのデザインは何とも言えない良さがありますね。
レンズの繰り出し機構も使っていて楽しいですし
Ⅰほど使い方に慣れが必要な部分もないと思います。
少しコンパクトにまとめられているのも良いですよね。
何といっても質感の高さは50年代のカメラらしい
高級感にあふれています。
おそらくストレスなく動作できるような状態になったのは
数十年ぶりなのではないかと思われますが
まだまだステキな写真を
たくさん生み出していけるカメラだと思います。
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