コニカⅢAのカメラ修理

今日は3月14日、「3.14」ということで
円周率の日だそうですよ。
今日の1時59分か15時9分にこの日を祝うのだそうです。
円周率の上6桁「3.14159」にちなんでとのことです。
円周率はいわゆる無理数で割り切れることのない
延々に続く数字ですが紙6桁の「3.14159」までは
いつでもスラっと出てきますが
それ以上なんて考えたこともないですねぇ(笑)
ちなみに現在では円周率は小数点以下50兆桁まで
計算されているのだそうです。
で、無理数でもあり超越数でもある円周率は
正確には数字で表すことができないので「π」で置き換えますよね
それにちなんで今日は「パイの日」でもあるそうです。
さらに関連して「数学の日」も制定されています。
小学生の頃にそろばんやってたから
「算数」はそれなりに得意だったけど
中学生に入って「数学」になり少し躓き
高校に入ってからは数学大嫌いになりました(笑)
まぁ、私あたりが普段の生活で必要なのは
基本的な四則演算がそれなりの速さでできれば十分です。(苦笑)

さてさて

本日は「コニカⅢA」のカメラ修理を行っています。
「Ⅰ」、「Ⅱ」、「Ⅲ」と続いた
初期のコニカ35mm判レンズシャッター機の
頂点ともいえるカメラだと思います。
この後に出る「ⅢM」も露出計を取り付けられるようになっただけで
基本的な部分は「ⅢA」とほぼ共通なので
(セルフタイマーとかに変更はありますが)
やはりⅢAがこのシリーズの完成形と言ってよいと思います。
最大の特徴は「生きているファインダー」と言われた
パララックス自動補正及び
画角自動修正機能付採光式等倍ブライトフレームファインダー
(ネーミングが長いですね)を装備していることです。
パララックス補正はその後レンジファインダー機には
普通に搭載されるようになりますし
「生きているファインダー」は今から考えると
少々大げさな気がしますが
ハーフミラーではなくプリズムをふんだんに使った
贅沢な造りで非常に見え心地の良いファインダーです。
等倍ファインダーなので
両目で見ると通常の視界の中にブライトフレームが
浮かんで見え視野外までしっかり確認しながら
フレーミングできるファインダーです。
シャッターは通常の「Ⅲ」と同に「セイコーシャMXL」を搭載し
組み合わされるレンズはヘキサノン48mmF2
あるいは同50mmF1.8です。
元々基本的な性能や使い勝手に優れた「Ⅲ」に
さらに優れたファインダーを搭載したモデルです。
プリズム等倍ファインダーのため津城の「Ⅲ」より
少しファインダー部が大きくなり
ほんの少し頭でっかちになってしまった感はありますが
それでもこの等倍ファインダーは非常に魅力的です。

お預かりしている「ⅢA」は
まずは定番のシャッター羽根粘りです。
シャッターは最初の1発目は必ずゆーっくりとしか開きません。
連続して動作させると2回目以降は
ぱっと見には普通に動きますが
しばらく放置しておくとやはり次の1発目は
ゆーっくり開く感じです。
もちろんこれでは撮影に全く使えません。
加えてさらに問題だったのは
絞りにも粘りが多少出ていて
お預かり時点では何とか動作していましたが
このまま無理に動かしていると
まず間違いなくそのうちに絞り羽根が外れてしまう状態でした。
外れる時に羽根を留めている「ダボ」を破損することもあるので
その前に整備に入ってきたことは不幸中の幸いかと思います。
最大の魅力でもあるファインダーは
二重像に縦ズレが見られプリズム表面には
かなりのカビが見受けられます。
プリズム使用のため非常に見え心地は良いですし
ハーフミラーのように簡単に蒸着剥がれ等はおきませんが
プリズム剥離とか腐食が起こってしまうと
残念ながら修理不可能です。
今回はプリズム表面の清掃と調整のみで
本来の快適な見え心地を取り戻せる状態です。

まずはシャッターユニットを降ろして
羽根清掃から取り掛かりたいと思います。
その後、シャッターユニット各部の清掃整備
レンズ清掃、ピント調整、巻上機構部整備を行い
ファインダー清掃整備、距離計調整と行っていきます
写真にも大きなファインダープリズムが写っています。
これがこのカメラの肝かもと思います。
整備性は非常に良いカメラです。
独特のフロントレバーダブルストロークの巻上も
整備済み個体だと非常に軽快かつリズミカルに
巻上ができ操作してるだけでも楽しくなってくるカメラです。
しっかり整備してご依頼者様にも
この楽しさと使い心地の良さを
存分にご堪能いただきたいと思います。

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