ヤシカエレクトロ35GSのカメラ修理

今日は「地図の日(最初の一歩の日)」だそうです。
1800(寛政12)年のこの日に伊能忠敬が
蝦夷地の測量に出発したことに由来しています。
伊能忠敬さんってもともと造り酒屋を営む商人で
50歳の時に繁盛していた店を長男に譲り
それから測量・天文観測などを学んだのだそうです。
その後、56歳の時に『大日本沿海輿地全図』の測量を開始したのだそうです。
その上、幕府からの資金援助はあまりなく
測量器具や旅の費用のほとんどを自費で賄い計測を行ったということです。
当時の50歳って今と違ってもうほぼほぼ寿命ですよ。
それから勉強して56歳で徒歩で16年間自身で実際に測量を行っているのです。
すごいなぁ…私、現在の50歳過ぎでこんなにヘロヘロなのに…(苦笑)
何事もチャレンジあるのみだということがよくわかります。
頭いかれてなければなぁ…まだもう少し何でもできたと思うのですが…(汗)
まぁ、私は私でできることからいろいろチャレンジしていきます。
仕事が何とかできますからね。それで十分なのですが…
それにしてもこの『大日本沿海輿地全図(伊能図)』の作成は
調べれば調べるほど大変だったのだなぁ…と思います。
この記念日の由来となっている最初の出発時点なんて
本当に気の遠くなるような
終わりの見えない測量の出発点だったと思いますが
伊能さんはどんな気持ちだったのでしょうね
残念ながら『大日本沿海輿地全図』が完成したのは
伊能さんの死後3年後の1821年になってしまうのですが
完成したときの達成感は言葉にできないほどだったでしょうね。

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35GS」のカメラ修理を行っています。
相変わらず今月もエレクトロの修理は多いです。
「GS」は基本的な構造は初代エレクトロから大きくは変わっておらず
外観も初代とほぼ変わりませんが
このモデルから新コーティングの
「カラーヤシノンDXレンズ」に変更されています。
構成や45mmF1.7の大口径レンズであることは変更なく
シャッターユニットもお馴染みのコパルエレクで
HM-4N電池で絞り優先AE専用機として駆動します。

お預かりしている「GS」は
ご依頼者様のお母さまが元々お使いになっていたもので
何十年もケースに入れた状態で仕舞い込まれていたものとのことです。
ケースに入れたまま保管されているカメラは
ケースの中で湿気をため込んでしまう場合が多く
レンズやファインダーに盛大なカビが発生ていいる場合が多いのですが
今回は乾燥した場所で保管されていたらしく
ケースの内側の状態も悪くなく
レンズには多少のカビが見られるものの大きなダメージはないようです。
ファインダーはさすがに全体的に曇ってしまっていますが
これも何とか清掃でクリアにできそうです。
電池室を開けてみると中からゴロンと当時のHM-4N電池が出てきました
「うわ…これは電池室にかなりダメージあるかな?」と心配しましたが
酷いものになると
完全に朽ちてしまっている場合もある電池室の蓋側は
ほぼダメージはない状態でした。
さすがにマイナス端子側は緑青が発生しており接触も不安定で
それに伴い本体電源も不安定な状態です。
単に電池端子を磨いただけでは改善されず
おそらく端子裏ハンダは腐食して断線寸前でしょうし
配線も最低でも電池室からのものは交換しないダメかと思われます。
電源が不安定で挙動が不安定なため
オート精度等ははっきり確認できないのですが
電子制御的に大きなダメージはないかと思われます。
ケース入れっぱなし、電池入れっぱなしである割には
非常にコンディションの良い状態かと思います。
特に水銀電池は例え液漏れが起こっていなくても
電池自身から出るガスで端子や配線を腐食させたり
電池自身を腐食させたりするものなのですが
今回は運よくそれほどのダメージはないものと思われます。

外装は今度は逆にケースに入れられていたこともあり
非常に良いコンディションです。
もしかしたらそれほど使われていない、あるいは
使っても非常に大切丁寧に使われていたものかと思われます。
それほど外装のコンディションは良い状態です。
この頃のヤシカ独特のギラギラしたシルバーが綺麗です。
個人的にこのシルバーはものすごく好きです。
さすがにフィルム室内のモルトは全滅ですが
やはり湿気は少なかったらしく
ベタベタではなくホロホロに腐食しており
触るとボロボロと落ちていきます。
おそらく内部モルトも同じ状態でしょう
モルト屑が悪さをする可能性もあるので
分解時には隅々までモルト屑の清掃も行います。
まだ現状チェックを行っただけの段階です。
これから分解整備に本格的に取り掛かります。
大事に丁寧に扱われてきたエレクトロを
まだまだ安心して使っていただけるように
隅々までキチンと整備を行っていきます。

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