オリンパスM-1のカメラ修理

今日は「道の駅の日」だそうです。
高速道路のSAの一般道路版といった感じですが
地方にクルマとかバイクで行ったときに
「道の駅」があるとついつい寄っちゃいますよねぇ
以前は山梨・長野方面に登山目的で
クルマで行った帰りには必ず道の駅によって
果物や野菜を買って帰ったものです。
お土産だけじゃなくて
温泉施設を併設していたり
そこでしか食べられないグルメがあったりして
いろいろ見どころ満載なのですよね!
まぁ今はなるべく遠出したり移動はするなとのことなので
GWでも積極的に「道の駅」があるようなところにも
「行きましょう!」とは言えませんが…
大手を振ってまた行けるようになれば
たくさんお土産買いに行きたいですねぇ~

さてさて

本日は「オリンパスM-1」のカメラ修理を行っています。
ここを見ているような方にはもはや説明不要だとは思いますが
「M-1」は「OM-1」の元々のモデル名で
「M-1」で発売してすぐにMシリーズを展開する某老舗メーカーから
クレームが入り「OM-1」にモデル名変更が行われたわけですね。
そんなことがあったせいで
ただの「OM-1」の最初期モデルである「M-1」が
ネーミングのせいでプレミアがついた市場価格になってしまいました。
実際に「M-1」とごく初期の「OM-1」は
上カバーのロゴ以外はほぼ一緒です。
「M-1」は1972年7月発売で1973年5月に「OM-1」に改名され
その間に製造されたM-1は約3000台と言われているのですが
実際にはもっと多いと思います。
…というのも意外に見かけるのですよ。
ちょっと大きな中古カメラ屋さんに行けば必ず1台は飾ってあるし
オークション等でも常に出品されていますよね。
まぁカバーだけ替えられた「偽M-1」なんてのも見たことはありますが
それにしても現存台数が多いような気がするので
3000台ってことはないかと思われます。
それでももちろん「OM-1」に比べると圧倒的に少なく
それなりのレアアイテムであることに変わりはありません。

修理する立場で言えば「初期OM-1」も「M-1」も同じことではありますね。
お預かりしている「M-1」はまずは定番のプリズム腐食です。
プリズムと接眼レンズの隙間を埋めるために貼られた分厚いモルトが
加水分解でボロボロになりそれがプリズムの蒸着を侵食してしまいます。
OM-1でファインダー視野下部にモヤモヤした曇りのようなものが見えれば
ほぼ間違いなくプリズム腐食です。
もうこうなるとプリズムは交換が一番間違いない処置かと思われます。
再蒸着という方法もありますが当店では行っておりません。

シャッターは一見正常に動作しているようですが
やはり高速シャッターでは精度は出ておらず
幕軸や底部三連ギア部の清掃が必要な状態です。
もちろんミラー駆動部辺りも要清掃です。

トラブルの比較的多い露出計はとりあえず動作はしていますが
怪しい配線やハンダ付けはトラブル予防の意味も含めて
修復・交換を行います。
その上で今回は1.5Vで最適な値が出るように調整しなおします。
ちなみに1.3Vで正しい値が出ているところへ
1.5V電池で使うと1.5段ほどアンダーを指示することになります。
0.2Vの電圧の高さで指針が振れ過ぎてしまうのですね。

巻上レバーはM-1や初期のOM-1ではよくあるのですが
樹脂の指あて部が劣化で破損してしてしまっているので
交換で対処します。さすがにM-1の巻上レバーは用意できないので
OM-1のもので対処いたします。
組んでしまえば外観では違いは判りませんが
軸とのリンク部分の構造がOM-1とM-1(最初期OM-1)では少し違います。
上の画像にも写っていますが
リンク部が別体でネジ3本留されているのがM-1仕様ですね。

まだ取り掛かったばかりですが
これから慎重に整備に取り掛かっていきます。
以前も書いた覚えがありますが
M-1や初期のOM-1はメーターやプリズムの台座になっている部分の
樹脂部分が弱くうっかりするとグズッと崩れてしまうので
そのあたりは特に慎重に取り扱っていきます。

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