ペンタックスSLのカメラ修理

今日は「ウォークマンの日」だそうですよ。
1979(昭和54)年のこの日に
ソニーが携帯式ヘッドホンステレオ「ウォークマン」の第1号機
「TPS-L2」を発売したことに由来しています。
懐かしいですねぇ。。。当時、私、小学生でしたが
ウォークマン欲しかったですねぇ。。。
いろいろじいさんにねだって
買ってもらったのが真っ赤な東芝「Walky」でした。
お寺の法話やお経を録音しに行くのが趣味になっていた
当時のじいさんからは
「たかが再生専用機」と思われていたらしく
自分は録再可能でスピーカもついた小さなラジカセ
ナショナル「旅カセ」を外に持ち出す専用機にしてたなぁ
実は最近、当時使っていたラジカセが手に入らないかな。。と思って
じいさんが持っていたラジカセ(旅カセではなくソニーのでっかいやつ)と
私の使っていたアイワのラジカセをネットで探してみたのですが
意外と高いのですよ。。。
動くかどうかもわからないジャンク品が。。。(苦笑)
ちなみに初代ウォークマンはさすがにプレミアがついてて
結構なお値段でした。
しかし、あの頃、FMエアチェックや
レコードをカセットに録音していたことを考えると
今の環境って夢のようですね。
CDからネットから瞬時にプレーヤーにダウンロードできて
自由自在にプレイリスト作れちゃうんですよ
おまけに容量もとんでもなくあるし。。。
私が10年以上使っているipodクラシックでさえ160GBあって
全ての音源入れてもまだ余裕です…
便利な時代になりましたよねぇ

さてさて

本日は「ペンタックスSL」のカメラ修理を行っています。
大ヒット作「SP」から露出計を省略したカメラです。
当時はカメラ内蔵の露出計はまだ装備され始めたばかりで
(SPは世界で2番目に発売されたTTL露出計内蔵カメラ)
内蔵露出計に関する信頼度みたいものが
ユーザー側の思い込みでまだ低かったのです。
そのため、わざわざ露出計レスのモデルを
ハイアマチュアまたはプロ向けに
ラインナップに加えるということがよくありました
「SL」もそんな立ち位置のモデルです。
M42マウントを採用した時点で
測光方式は今となっては少し使いにくい
「絞込測光」ならざるを得なかったわけですし
それであれば露出計は思い切って単体露出計で。。。
という考え方は今でもあると思います。
SPは平均測光ですし、ネガならまだしも
ポジあたりで狙った通りの明るさを再現しようとすると
「スポットメーター+被写体の色によって露出補正」が必要でしょうし
今ならばデジタル(スマホでも)で撮った値を参考にしたほうが
手っ取り早いかもしれません
そう考えるとマニュアル露出機であれば
露出計はなくても構わないような気がします。
なににしろ「SL」はカメラ側は非常にシンプルに仕上げられた
なかなかに潔いモデルです。

お預かりしている「SL」は
まず定番のプリズム腐食です。
プリズムの周りにぐるっと囲むように貼られている遮光材の
加水分解によりプリズム蒸着を剥がしていしまいます。
こうなるともはや再蒸着かプリズム交換しか
手段はございません。
当店では再蒸着は行っていないので
中古良品プリズムとの交換で対処します。
もうひとつの定番でもある「ミラーアップしたまま固着」は
今のところないのですが
やはりシャッター幕走行はスムーズではありません。
ぱっと見には普通に動作しているようにも見えますが
やはりSSを測定してみると1/1000時に
実際には1/250も出ていない状態です。
幕軸の汚れや油切れにより相当動きの悪い状態です。

露出計系がないということは
カメラを構成しているのは「巻上」
「ミラー駆動」「シャッター」「ファインダー」といったところです。
その関連する部部分を含めて
とにかく動くところは徹底的に洗浄・清掃・注油を行います。
それだけでかなりのレベルまで動きは良くなると思われますが
最後に若干の調整で安定した精度を確保します。
やはり一眼レフはこのくらいシンプルなほうがいいですね
良い使い心地で楽しんでいただけるように
これからしっかり整備を行っていきます。

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