ヤシカエレクトロ35GXのカメラ修理

今日は「半夏生」で「蛸の日」です。
「半夏生」は雑節のひとつですね。
この頃に降る雨を「半夏雨」(はんげあめ)と言い
大雨になることが多いのだそうです。
今日も都内は朝から強めの雨が降っています。
梅雨らしいシトシト雨は風情があっていいけど
豪雨はやめてほしいですよねぇ
蛸は夏が旬ですからまさにこれからですね。
西日本ではこの半夏の時期に
夏バテ予防で蛸を食べる習慣もあります。
やはりお刺身が美味しいですよねぇ
ボイルした真蛸が一般的ですが
活けの真蛸や水蛸も最近はよく見かけるような気がします
でもここはやはりボイルの真蛸かな
異様に色鮮やかなアフリカ産よりも
小豆色の国産を選びたいところです。
吸盤の食感が何といえず良いのですよねぇ
もちろん美味しい純米酒は欠かせないところです。
いけん、午前中から飲むこと考えてちゃダメですね
でも帰りにスーパー寄って蛸の刺身探してきます!

さてさて

今日は「ヤシカエレクトロ35GX」のカメラ修理を行っています。
1975年発売のカメラで
長年続いた「エレクトロ35シリーズ」の最終機種でもあります。
いわゆる前期モデルで少し大柄な「GSN」が
小型化され「GL」となり
さらに小型化軽量化を推し進めたものが「GX」になります。
使用電池はエレクトロの代名詞でもある
HM-4N型水銀電池とはついに決別し
HM-N(NR52)型水銀電池 2個を使用します。
基本的な仕様は初代から一貫したもので
電子制御シャッターを使用した絞り優先オート露出専用機です。
露出の過不足を赤色(露出過多)黄色(スロー警告)で
表すのも変わりません。
ある意味、初代で掲げた「ろうそく1本の光でも写る」を
目指し続けた姿かとも思います。
レンズは写りの評価の高いカラーヤシノンDX 40mmF1.7
エレクトロシリーズ共通の大口径レンズです
シャッターはこれも初代から改良を続けながらも一貫して
コパルエレクでシャッタースピードは4~1/500秒となっています。
もはや熟成の域ともいえるカメラかと思います。
ただちょっと残念のは「GL」以降、バルブが省略されてしまったのですね
電池消費が多いことも理由かと思われます
整備・修理のチェックの際もバルブがあると便利なのですが。。。

お預かりしている「GX」は
なかなかキレイな外観で
ファインダー・レンズも比較的クリアで
一応、一通り動作もしています。
ただ、そのオート制御にかなり難があり
被写体の明るさにもよりますが
2.5段~4段近く露出オーバーになってしまいます。
シャッタースピードの制御が完全に狂ってしまっているようです。
単純に考えると受光素子(GXの場合はSPD)の
劣化を疑いますが
エレクトロの受光素子は古いモデルも含めて
経験上そんなに受光素子が劣化することはありません
それもGXは一般的に劣化しにくいというSPDです。
最初にまずは物理的にシャッターが粘ってないかをチェックします。
羽根自体が粘ることはエレクトロではあまりありませんが
シャッター羽根駆動部が粘っていることは
シリーズ共通でよくあるトラブルです。
ただし、今回は機械的にはシャッターはキチンと
動作しているようです。
次にレリーズ部のゴムブッシュ劣化を疑います。
ここがダメな個体は巻上時にエレクトロ特有の
レリーズ芯棒が戻る際の「カチン」音がしなくなっています
ただ、後期(GL以降)のエレクトロはゴムブッシュも
劣化しにくい材質のものに変更されているので
これも今回はあてはまりませんでした
。。。となると。。。
まだ現段階でははっきりとはしませんが
おそらく接点やハンダ部の劣化で
導通の悪いところがあると推測されます。
シャッターユニット周り
絞り値伝達部の接点やハンダを
徹底的に見直してみる必要がありそうです。

まだ現状チェックを行っただけの状態です。
だいたいの症状とある程度の対策が考えられたので
これかた本格的に分解整備に取り掛かっていきます。

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