ニコマートFT2のカメラ修理

今日は「質屋の日」だそうですよ。
7月8日、「しち(7)や(8)」(質屋)と読む
語呂合わせからです。わかりやすいですね。
今の質屋の質草ってブランド品のバッグとかが
やはり主になっているのですかね?
昔はよく質流れのカメラなんかが
中古市場に「金融流れ品」として出てきたりしましたが
今はそんなお金を借りる担保になるほどの
カメラなんてほんの一部の舶来高級品だけですものねぇ
正常動作品かどうかの目利きも困難でしょうし
家電製品や光学製品は今や質草としては難しいでしょうね
でも質屋のスタッフは得手不得手はあるでしょうが
もちこまれた色んなジャンルのものを
目利きするのですものね。それってすごいですよねぇ
私は修理屋だから値付けすることはありませんが
中古カメラ、それもフィルムカメラに絞ったって
なかなかそうういう判断は難しいのに。。。
それもまずは本物かどうかから判断しなくてはならない
ブランドバッグや宝石類なんて
本当に難しい分野だと思います。
基本的に質流れせずに普通に質請けとなれば
まだ良いのでしょうが。。。
私は利用したことがないので感覚がまったくわからないのですが
質流れせずに質請けされるほうが実際は多いのでしょうかね?
イメージ的には基本的に質流れするほうが
多いような気がしますが。。。
それなら最初から普通に専門店等に売った方がよいのかな…
この世界もなかなかディープな感じがします。

さてさて

今日は「ニコマートFT2」のカメラ修理を行っています。
ニコマートシリーズは1960年代~70年代にかけて
ニコンの中級機クラスを担ったカメラです。
まずは大きく機械制御シャッターのFT系と
電子制御シャッターのEL系に分けられ
今回のFT2は機械制御のFT系の比較的後期のモデルになります。
1975年発売のモデルで前モデルは
FT系で最も売れたと言われる「FTn」です。
「FT2」は、その「FTn」のマイナーチェンジ版ともいえます
基本的な部分は「FTn」…というかFT系は
すべてあまり変わりないのですが
FTnと比べるとアクセサリーシューがホットシューとなり
使用電池がMR9の水軍電池からSR44(LR44)に変更されました
これは現在使う上でも結構嬉しい変更ですね。
個人的にはそれ以上にあの回しにくい感度設定リングが
レバー部にロック機能が付いて
レバーを引いてロック解除して回せば
非常に簡単に回ることが嬉しい装備だと思います。
小変更ばかりなのですが
どの変更も納得の改良で現在使うには「FTn」より
使い勝手はかなり良いと思います。
さらに後継のFT3となるとついにAi化されるのですが
ここまでくると次期モデル「FM」でいいんじゃないかな…とも思います。

お預かりしているFT2はおそらくかなり長い間
仕舞い込まれたままずーっと眠っていた個体かと思われます。
ファインダー、付属のレンズにはカビがかなり発生し
お預かりしたときには電池は抜かれていましたが
電池室にはおびただしい緑青が発生しています。
外観もかなり汚れていましたが
さすがニコマートFT系、シャッターはかなり元気に作動します。
さすがタフさでは定評のある「コパルスクエア」ですね
巻上やミラー駆動部にはさすがに油切れの兆候が見受けられ
気持ちよく使うには分解整備が必要な状態です。
加えて電池室の状態が悪い割には露出計も動作しているのですが
指針の挙動がかなりう不安定です。
これが不安定にダウンしてしまうのであれば
電池室やその周辺の配線の断線を疑いますが
逆に頻繁に振り切ってしまうような動きをしています。
…ということは配線や接点の問題ではなく
マイラー抵抗と呼ばれる摺動抵抗の汚れか劣化が原因と思われます。
劣化しているのであれば中古良品と交換するしかないですが
おそらく抵抗表面かブラシ部の汚れではないかと思われます。
ここの清掃がまた微妙であまり気合を入れて清掃すると
抵抗体自体を剥がしてしまうことになるので
微妙な清掃具合が求められます。
このあたりはこれまでの経験をもとに慎重に行う…としか言いようがないですね。
それから大きな問題ではないし対処もできるのですが
なぜかファインダー内SS表示がズレてしまっています。
例えば「B」にマウント部のリングで設定すると
実際にシャッターユニットもバルブなりバルブ動作するのですが
ファインダー内表示は「1秒」を指している感じです。
不用意な分解でもしない限り
あまりズレるような場所ではないのですが…
とはいえ分解品とは思えないのですが…ちょっと不思議です。
ニコンのカメラはこういうところもよくできていて
今回のようにファインダー内表示のみがズレている場合
あるいは実際に作動するシャッター設定と
リング側表示+ファインダー内がズレている場合も
(リング・ファインダー内ともに「B」なのに実際は1秒で作動する等々)
きちんとそれを調整するギアの嚙み合わせが
比較的簡単に変更できるように作られています。
このあたりは後から手作業で修理・整備することを
しっかり考えられていてさすがだな…と感心させられます。

まずはシャッター+巻上周りの整備から行います。
さらに配線類、接点清掃、ファインダー清掃を行いながら
組み立てていきその際に各部の調整も行っていきます。
最終的に露出計の調整を行って組み上げていきます。
画像には写っていませんが装着されていたレンズは
Ai35mmF2.8sでボディに比べると随分新しいレンズです。
先述したようにカビだらけでしたが
全く問題ないほどにクリアになりました。
本体側と併せて快適に使っていただける状態に仕上がりそうです。

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