今日は「光化学スモッグの日」だそうです。
1970(昭和45)年のこの日に
東京都杉並区で日本初の「光化学スモッグ」が発生したとされています。
東京立正中学校・高等学校において
グランドで体育授業中の生徒が
突然、目の痛みや頭痛などを訴えて倒れ
生徒43人が病院へ運ばれ、
東京一円でも多くの人が目やのどの痛みを訴えたのだそうです。
それ以前にも近畿や四国、関東などで
農作物の斑点などの被害があり
光化学スモッグによる被害はあったと考えられているのだそうです。
原因は工場や自動車の排気ガスなどに含まれる
窒素酸化物や炭化水素で
日光に含まれる紫外線より光化学反応を起こして変質し
オゾンなどが発生するのだそうです。
夏の暑い日の昼間に多く、
特に日差しが強く風の弱い日に発生しやすいのだそうです。
まさに今日のような天気ですねぇ
私の生まれ育った町は田舎なのであまり縁がなかったですが
子供の頃はニュースとかでよく光化学スモッグ警報なんてのを
よく見聞きした覚えがあります。
現在は昔のように頻繁に注意報・警報は発令されていないようですが
それでも東京都の場合、昨年は延べ6日、注意報が発令されているそうです。
なににせよ、空気はキレイでないと怖いですよねぇ
都会の空はいつも少し霞んだように見えているような気もしますが…
さてさて
本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
ニコマートEL系を前身とするニコンの中級機
電子制御シャッター+絞り優先AE機です。
もちろんマニュアル露出も可能で
2針式の非常に見易い露出計と充実したファインダー情報で
マニュアル露出でも絞り優先AEでも
使いやすさが魅力のカメラです。
もちろんこの時代のニコン機なので
F一桁機ほどではありませんが信頼性も非常に高く
普通に使っていればそう簡単に壊れるカメラではないと思います。
それでも機械モノは「ある程度の頻度」で使い続けることが大事で
長期間放置されているものだと
トラブルを抱えてしまう個体も数多くあります。
電子制御機ということで機械制御のFMに比べると
敬遠されることの多いカメラかと思われますが
電子部品のトラブルはかなり少ないほうで
それよりも機械的なトラブルのほうが多いかと思われます。
それは機械制御のFMも同様です。
今回、お預かりしている「FE」も
随分長い間、眠っていたものと思われます。
装着されている50mmF1.4レンズや接眼レンズやプリズムには
あちこちに大量の株が発生しており
レンズのピントリングは重かったり軽かったりで動きにムラがあります。
グリスが一部固まってしまっているのですね。
ボディ側は電池を入れるとバッテリーチェックは反応し
露出計もまずまずの値を示します。
それではとシャッターを切ってみると
明らかにシャッター羽根の動きが緩慢な感じで
案の定、ミラーアップしたままで固着してしまいます。
電気的な問題がある場合もFEはよくミラーアップしたままになりますが
その場合はミラーアップだけして
シャッターは作動しないのがパターンなのですが
今回の場合はシャッターは動作するのですが
その後のミラーダウンが行われない感じです。
シャッター速度の設定にも変化がない様子です。
何よりも機械制御シャッターであるM90やバルブでも同じ症状です。
…ということはまずは機械的なトラブルですね。
汚れ等が原因でシャッター羽根の動きが悪いものと思われます。
それを解消した上で電子制御部分に問題があるかはどうかを
判別しないと何とも言えない状態です。
露出計の様子とかを見ている分には
電気的な問題はなさそうな気もしますが…
こればかりはやってみないとわかりません
まだ現状をチェックしたのみの状態です。
それでもおおまかにどう進めていけばよいかの
イメージはできたのであとはひたすら実行するのみです。
FEはさすがに数えきれないほどこれまで触ってきたカメラですし
「直りそう」「これはダメかな」の判断も
比較的しやすいカメラです。
おそらく今回も問題ないレベルまで仕上げられると思います。
ボディ側よりもとにかくネジが固くて
開けにくいレンズのほうが苦労するかもしれません。
まずはボディ側から集中して取り掛かります。
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