ミノルタSR-1のカメラ修理

先日6日の広島に続いて
今日は「長崎原爆の日」ですね。
先程、11時2分に微力ではありますが
黙とうを捧げました。
終戦から76年が経とうとしています。
これからもずっと同じ過ちが
繰り返されないことを願います。

さてさて

今日は「ミノルタSR-1」のカメラ修理を行っています。
1959年発売のカメラです。
そのネーミングからミノルタ初の一眼レフカメラかと思ってしまいますが
ミノルタ初の一眼レフカメラは
前年の1958年に発売された「SR-2」で
「SR-1」は「SR-2」の普及型モデルという位置づけです。
なんで「2」が先に出て「1」が後から出てそれも下位機種?って
今の感覚だと思ってしまいますが
その頃は「数字が大きいほうが上位機種」という考え方もあったようです。
言われてみれば昔はそんな感覚もあったような気が…
でもこのモデル名の付け方はやはりちょっと無理があったようで
トップモデルの「SR-2」はその後、「SR-3」、「SR-7」と
モデルチェンジしていきますが
「SR-1」のほうはトップモデルがモデルチェンジするたびに
中身は変わっていくもののモデル名はずっと「SR-1」のままでした
そのため一言で「SR-1」と言っても
実際には何種類かのモデルが存在し
ボディ形状だけでも4タイプに分かれてしまいます。
なかなかこの辺はわかりにくくややこしいことになっていますね。

先に画像を出してしまいますが
今回は同じご依頼者の方から2台の「SR-1」をお預かりしています。
まずレンズの装着されている「SR-1」は
初期の「SR-1」でシャッタースピードダイヤルも
上に引いて回すタイプです。
いわゆる「SR-2」から1/1000を省略したモデルです。
レンズが外されているほうの「SR-1」は
おそらく1963年のモデルで

中身も外装も「SR-7」がベースで1/1000が省略されたモデルです。
ボディ形状もダイキャストも異なり
共通部品もほとんどありません。
部品取り個体から部品を使って修理することも多い
私どもとしてはモデル名も変えてほしかったなぁ…と思います(苦笑)
初期の「SR-1」のほうはシャッターが全く切れません
幕の位置から判断してシャッターチャージはされているのですが
レリーズしてもシャッターが切れない状況です。
どこかレリーズ関連の部分で固着が起こっているようです。
装着されているレンズも初期のオートロッコールですが
こちらも絞りがかなりう粘っているので修理・整備を行います。
63年型の「SR-1」のほうはシャッターは何とか作動していますが
精度は全く出ておらず高速域は特にひどい状態です。
幕軸等の汚れや油切れで動きも非常に不安定です。
画像に写っている外されたレンズはおそらく同じくらいの時期の
オートロッコールですがマウント部が一部破損しているようで
かなりグラグラと外れかかっているような状態です。
こちらもボディ・レンズ共に修理整備を行います。
そして2台ともプリズムは腐食しています。
SR-1,2,3,7あたりのプリズム腐食は
他の機種でよくあるモルトにまつわる腐食ではなく
単に経年劣化で蒸着が剥がれてきてしまうパターンです。
特にSR-1,2は腐食している個体が多く
キレイな中古プリズムを探すのもなかなか大変なのですが
今回はなんとか交換で対処する予定です。

まだ現状の状態を細かくチェックしてる段階です。
これから本格的に分解整備に取り掛かっていきます。

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