ニコンFフォトミックFTnのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「寒露」です。
露が冷たく感じられる頃、
冷たい露が野草に付く頃という意味で「寒露」とされています。
また、露が冷気によって凍りそうになる頃…ということですが
まだ日中は実際には結構暑いですねぇ
さすがに朝晩はそれなりに涼しいですが
山では紅葉真っ盛りあるいは高山では
もう紅葉も終わってしまう季節でもありますね。
ところで、今日は「ようかんの日」でもあるのです。
和菓子の大好きな私としてはようかんも大好物です。
ちょっと渋めのお茶を入れて
じっくり味わいたいですよねぇ
もう少し日中もひんやりしてくると
より美味しく感じられるような気がします。
今日のおやつはようかんで決まりかな…
コンビニで売っているといいのですが…(笑

さてさて

本日は「ニコンFフォトミックFTn」のカメラ修理を行っています。
要はニコンFのボディに「フォトミックFTnファインダー」が
装着されたモデルですが
当時の正式なモデル名では「F」が省略されていて
「ニコンフォトミックFTn」がモデル名です。
まぁどっちでもいいのですが
ボディが「F」なのだから省略しなくてもいいと思いますが…
フォトミックファインダーは露出計内蔵のファインダーで
外交式の「フォトミック」から始まり
TTL平均測光になった「フォトミックT」
さらに中央部重点測光になった「フォトミックTn」
そしていわゆる「ガチャガチャ」と言われる
レンズ装着時に絞りリングを最小絞りから開放まで往復させるだけでレンズの開放値がファインダーに伝わり開放測光が可能になる機構が搭載され
レンズ交換時の開放値セットが随分と楽になりました。
ガチャガチャ搭載以前だとダイヤルで
いちいち開放F値をセットしなくてはならないので
面倒な上に実際にはついついセットを忘れます(苦笑)
で、設定の狂った露出計を頼りに露出決定して失敗してしまうわけです。
個人的な話ですが私が小学生の頃に
最初に触らせてもらったのが
じいさんの「FフォトミックT」で
実際にレンズ交換してもついついF値設定を忘れてしまったことが
何度もありました…
その頃はよくわかっていなかったし普通に使うだけでも
かなりいっぱいいっぱいだったし…(汗)
…というわけで「フォトミックFTn」はそれまでの
「フォトミック」に比べても格段に使いやすくなったのです。
ただし「Fフォトミック」の露出計は摺動抵抗の劣化や剥がれで
修理不可能なものも多く
今回お預かりのフォトミックFTnも
できる限りのことはやってみますが
基本的には修理不可ということでお預かりしています。

露出計の件はともかく
お預かりしている「フォトミックFTn」は
かなり長い間、仕舞い込まれていた個体かと思われ
全体的にカビや汚れがかなり酷く
シャッターの動きも相当悪い状態です。
それでも何とかシャッターが切れるのは
「F」のすごいところですが
かなり「よっこらしょっと」という感じで動いています。
高速しゃったーの精度は出ておらず
ミラー駆動も明らかに粘りがあります。
定番のスローガバナはかなり固着しており
SSが1秒だと完全に固まったままになってしまいます。
付属の当時の超高級レンズニッコールオート55mmF1.2も
レンズはカビだらけでピントリングは固着しています。
とにかく動くところは全て清掃・洗浄して注油
あらゆるガラス面や絵レンズは徹底的に清掃です。

まずはボディ側から清掃・整備を行っていきます。
幕軸も随分汚れてしまって古い変質した油も
こびりついているようです。
それでもキチンと清掃を丁寧に行っていけば
「F」は水没品やショック品、粗悪な分解品でない限り
キチンと高い精度で動くようになります。
それだけオーバークオリティな丈夫な部品が使われているためです。
従来の動きを取り戻せるように
少し手助けができればと思います。

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