ニコンEMのカメラ修理

今日は2月10日、キリの良い日付で
たくさんの記念日が制定されているのですが
今日は「トムとジェリー」の誕生日なのですね!
ツイッターの公式アカウント見に行ったら
風船飛んでました!
1940年2月10日にアメリカで短編映画として公開されてから
80年以上も経つのですねぇ
日本では1964(昭和39)年5月13日から約2年間放送され
終了後も各放送局で頻繁に再放送されていました。
私が見ていたのも再放送ですが
幼いころに夢中になって見ていました。
本編もいいのですが1971年以降の再放送から追加された
いわゆる「真ん中の話(2話目)」が面白いのですよねぇ
幼いころ(小学校入学前後)のテレビ番組と言えば
この「トムとジェリー」と「8時だョ!全員集合」の2つが
強烈に記憶に残っていますねぇ…
あ、両方ともTBSか…
そういえば話が少し逸れますが
一時期の土曜日の夜と言えば
19時「まんが日本昔ばなし」
19時30分「クイズダービー」
20時「8時だョ!全員集合」
21時「Gメン’75」
ずーっとTBS系(呉なのでRCC中国放送)に
くぎ付けでしたねぇ…(笑)
懐かしいなぁ…

さてさて

本日は「ニコンEM」のカメラ修理を行っています。
先述のテレビ番組はトムとジェリーが60年代から
他にあげたものは70年代のものばかりですが
80年代の幕開けと共にニコンからフラッグシップの「F3」と
エントリーモデルの「EM」がデビューしました。
クラスとしては両極端な2台ですが
両者ともジウジアーロデザインで非常に洗練されたカメラです。
F3は成功を半ば約束されているともいえる
「F一桁機:ですが「EM」はニコンとしては初となる
エントリークラスのカメラでした。
ニコンの…特に国内のユーザー層はニコン機に高級さを
求める方が多く、それまでのニコン機とは異なり
明らかに割り切ったエントリー機である「EM」に
結構な抵抗があったらしく「EM」は国内販売で意外と苦戦します。
「これでは難しい」と判断したニコンも
ハイスペック志向のユーザーに合わせてEMをベースとした
フルスペック機「FG」を早い段階で投入したりもしました。
皮肉なもので国内で「EM」人気が盛り上がったのは
残念ながら生産中止になって以降かと思われます。
まぁ輸出ではかなり売れたカメラなのでそこはよかったのかな…
今見ても非常にオシャレなエントリー機で
確かに値段なりの部分はありプラスチックも多用されていますが
それはそれでこう割り切った潔さがいいのではないかと思います。

お預かりしている「EM」は
ご依頼者様が以前から愛用されているものかと思われますが
おそらく近年はしばらく使われずに
仕舞い込まれていたものかと思われます。
まず外観で目に付くのは「EM」の定番トラブルでもある
巻き戻しクランク円盤部の割れと破損です。
ここが割れてしまったためクランクそのものも
紛失されてしまったようです。
ここが樹脂で強度が足りないのですよねぇ…
それでも新しいうちはまだあまり問題にならなかったと思われますが
この時代のプラスチックは経年劣化でかなり脆くなります。
ここが壊れているEMは世の中にかなり多いと思われます。
当店の部品取りもここが使われてしまったものばかりです(苦笑)
おまけに現在割れてなくても
分解のためにこれを外そうとすると割れる場合があるのですね
既に壊れている場合は逆に気が楽ですが
壊れていない場合はここを外すときには細心の注意を払います。
そして各部のモルトはかなり劣化してボロボロです
ファインダーの中もモルト屑がかなり入り込んでいます。
加えて露出計が非常に不安定です。
露出計が不安定なためオートも不安定になってしまっています。
シャッタスピードの精度も今一つです。
全体的にやはり整備調整が必要な状態です。

機能的には絞り優先オート専用のシンプルなカメラですが
80年代の電子制御機なので整備はそれなりに大変です。
プリズムはフレキで完全に覆われており
整備を行うにはこのフレキをある程度外すことから始まります。
はんだこてが大活躍ですね
それに加え作業中の静電気はうっかりすると命取りになるので
特にこの季節は静電気に気をつけて作業します。
これから慎重に作業に取り掛かっていきます。

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