ペンタックスSPのカメラ修理

今日は「苗字制定記念日」だそうですよ
江戸時代、苗字を使っていたのは
貴族と武士だけだったのですが
1870(明治3)年9月19日に
平民が苗字を名乗ることを許可する
「平民苗字許可令」という太政官布告が出されたのだそうです。
しかし、読み書きが不得手の人が多く
また、当時国民は明治新政府を信用しておらず
苗字を付けたらそれだけ税金を課せられるのではないかと警戒し
なかなか広まらなかったのだそうです。
そこで、1875(明治8)年2月13日、
「平民も必ず姓を称し、不詳のものは新たにつけるように」と
苗字を名乗ることを義務づける「平民苗字必称義務令」という
太政官布告が出され、
これに由来して今日は「苗字制定記念日」なのだそうです。
江戸時代には苗字帯刀が制限されたことから
庶民の多くには「苗字がなかった」と語られることがありますが
近年の研究ですが正式なものでなくても私的には
それぞれ苗字を持っていた方が多かったのだそうです。
でももし当時に生まれていて「平民苗字必称義務令」で
新たに苗字を自由に付けていいいよ
なんて言われたら私だったらめちゃくちゃ悩むでしょうね(笑
ちなみにの日本人の苗字の種類は10万種とも20万種とも言われ
世界的に見れば多いほうなのだそうです。
いろいろな分類法があるらしいのですが
下記のような分類もあるそうです
・地名に由来 渡辺、高橋、佐々木、石川、長谷川、三浦、千葉など
・地形・風景に由来 山本、山田。森、池田など
・方位・位置関係に由来 東、西、北、南、喜多、辰巳、乾など
・職業に由来 服部、鍛冶、庄司、東海林、犬飼、鵜飼、公文など
・藤原氏に由来
(ただしその多くは藤原氏と血縁的関係にないと考えられている)
佐藤、伊藤、安藤、加藤など
苗字の由来もいろいろで面白いですねぇ

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
言わずとしれた1960年代を代用する大ヒットモデルです。
M42マウント機はSP以前にも「Sシリーズ」として
S2,S3,SV等、数々のカメラを発売しそれぞれ人気モデルとなっていましたが
SPの開発時にダイキャストも一新し根本的に設計もやり直し
さらにTTL露出計も内蔵し
世界で2番目に発売されたTTL露出計内蔵型機種として
1964年にデビューしました
機能的にも実用性が高く、当時としてはコンパクトなボディも受け
大ヒット商品となりました。
現存するSPの数の多さを見ても
当時どれだけ大量に売れたが容易に想像できるかと思います
ただしあまりにも現存台数が多いので
本来の実力ほど市場では評価が高くなく
可哀そうな扱いになっているのも事実です。
ボロボロになったSPがジャンクボックスに転がっているのを
見る機会も多いかと思います。
しっかり整備して使えば非常に使いやすいよいカメラですし
M42マウントでシンプルな絞込測光ということもあり
使用できるレンズも非常に多い楽しいカメラです。

お預かりしているSPは
定番のトラブルがいろいろ出ている状態です。
まずは世の中の多くのSPが抱えているトラブルともいえる
プリズム腐食です。
ファインダーを覗くと真ん中少し下の横一線に
黒い帯ができているのが見えます。
真ん中付近を横切っているので非常に邪魔です。
これがプリズム外周を遮光のために貼ってあるモルトの劣化により
プリズムの蒸着まで剥がしてしまうことに起こる腐食です。
SPだけではなく次世代のKシリーズにもよく見られる症状です。
そしてこれも定番のミラーアップです。
これはミラー駆動部の動作不良ではなく
シャッター後幕の走行不良によっておこるもので
後幕が最後までキチンと走り切っていないために
走行完了後にミラーダウンレバーを蹴ることができずに
ミラーがあがったままになってしまう症状です。
シャッター幕走行不良が原因ですから
これが出ていると一見、とりあえずは動作しているように見える
高速シャッターもほぼ間違いなく精度は出ていません。
露出計は精度の調整は必要ですがとりあえずは動作しています
露出計のSWはマウント脇にレンズ絞込兼用のスライドSWとして
配置されており、シャッターを切るとSWが切れ
露出計もオフになりレンズも開放に戻るのですが
ここがシャッター切っても自動でオフになりません
これもSPに非常に多いトラブルです。
プリズム腐食以外のトラブルは
とにかく全体的に動きが悪いことから起きるトラブルですね

まだ分解途中ですが、シャッター幕軸
ミラー駆動部、巻上機構部等々
動く部分はとにかくしっかり清掃し汚れや古い油をいったん落とし
必要な部分には最小限の注油を行います。
地味で手間ばかりかかる作業ですが
ショック品や粗悪な分解品でなければ
それだけで大まかな精度も出て動作するようになります。
あとは簿調整を行って整えてやれば完成となります。
本来の巻上の快適さや
歯切れの良いシャッター音で気持ちよく使っていただけるように
これから整備していきます。

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