今日はいわゆる「バレンタインデー」ですねぇ
さすがにこの歳でひとりものでいて
さらに普段も一人で仕事している訳ですから
いつのまにか全く縁のない日になってしまいました(苦笑)
もちろん私は大の甘党で
チョコは大好きなので
欲しければ自分で買って食べることにします(笑
(糖尿病持ちなのでほんの少ししか食べられませんが)
関連する記念日として
「チョコレートの日」、「ネクタイの日」
「ふんどしの日」、「イケメンの日」
「恋の神様の日」、「日本酒女子会の日」等々が
制定されています。
どう考えてもイケメンじゃないし
ネクタイもふんどしもいらないなぁ(笑
ほんの少しだけチョコ食べて
夜は日本酒をいただくかな。。。(苦笑)
さてさて
本日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
前モデルとなる「FT」をFDレンズ使用時に
開放測光に対応したモデルと言えます。
発売開始となった1971年には
キヤノン初のプロ向け一眼レフと言える
「F-1」が発売されており
同時期に開発された「FTb」には
内部的には「F-1」と基本仕様が変わらない部分も多くあります。
外観のスタイル的にはこれまでの「FT」的であり
旧FLレンズ使用時は絞込測光で対応も可能です。
F-1のサブカメラ的立ち位置でもあり
当時のキヤノンの主力機種であったカメラです。
中級機ということでこの時代のキヤノンお得意の
「QL(クイックローディング)」を搭載しており
フィルム装填はかなり簡単です。
お預かりている「FTb」は
まず露出計が電池を入れても全く動きません。
バッテリーチェックも同様です。
プリズムにはわずかですが腐食もあり
ご依頼者様のご希望もあり交換で対応いたします。
全体的にやはり油切れの兆候もあり
シャッタースピードの精度も出ていません。
1/1000はいまにも閉じてしまいそうな状態です。
FTbやF-1の露出計不動は大抵の場合、
SW部の接触不良であることが多いのですが
今回はメーター本体に直接電圧をかけても
メーターは全く反応せず
メーター内部で断線してしまっているようです。
上画像でころんと転がっているのが
メーター本体ですがこれは中古良品のメーターと
交換で対応したします。
他は通常の整備ひととおりで快適に使える状態になりそうです
ただ、本体以外にもうひとつ問題があって
装着されているレンズが右上に映っている
NewFD100mmF4マクロなのですが
めいっぱい無限遠までピントリングを回しても
ファインダー上で確認しても全く無限遠に届きません。
最初は「あれ?ボディ側に問題あるのか?」と思ったのですが
いろいろテストして確認したところ
レンズ側に問題があることが確認できました。
2mで確認するとピントリング上は3mを指す状態で
かなり大きくズレていることがわかります。
いくら年月が経っていてもこんなに大きくズレることはありません。
それでいてレンズ自体はやけにキレイです。
まぁ明らかに分解していると思われます。
通常、ピントがズレているレンズはヘリコイドの位置調整等で
修正するのですがこれはそういう問題ではなさそうです。
構造から考えて「たぶんあそこだろうな。。。」と予想し
レンズを外していき、該当箇所と思えるレンズを
ひっくり返して仮組します…そしてチェック…
予想通りピントは正しい位置に直りました。
分解清掃自体は良いのですが
正しく再組立てしてください!ということですね
どう考えてもプロの仕事ではないでしょうから
素人分解かと思われますが
せめてちゃんとマーキングして
正しく組み立てておいてほしいものです(苦笑)
今回はわかりやすい部分で発見が比較的早かったですが
複雑でわかりにくい構造のレンズだと
1枚ひっくり返っていてもそれを発見するのは本当に大変なのです。
何はともあれご依頼者様に
安心して使っていただける状態になって何よりです…
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