キヤノンAE-1プログラムのカメラ修理

少し前からHPトップでお知らせしていますが
明日4月7日(木)は所用の為
臨時休業といたします。
ご迷惑をおかけいたしますが
ご容赦くださいませ。

今日は4月6日…語呂合わせでいろんな記念日が
制定されています。
「白の日」、「城の日」、「シールの日」
「新聞をヨム日」、「事務の日」…等々
そんな中に「春巻きの日」なんてのがありますねぇ
「春巻き」の春で4月、巻きをロール(6日)と読ませる語呂合わせで
新年度を迎えるこの季節に春巻きを食べて
幸せを巻きとってほしいという思いが込められているのだそうです。
春巻き美味しいですよねぇ
英語圏でも、直訳した「スプリングロール(spring roll)」の名で
流通しているのだそうです。
ちなみにベトナム料理の生春巻きは
「スプリングロールより後に伝わった」との理由で
「サマーロール(summer roll)」の名で呼ばれているのださおうです。
あぁ、生春巻きも惜しいですよねぇ
お腹すいてきました…お昼ご飯の前に
このブログをまずは書き上げなくては…

さてさて

本日は「キヤノンAE-1プログラム」のカメラ修理を行っています。
1981年発売のカメラです。
一昨日のブログにも登場した「AE-1」の後継機ですが
単純にプログラムオートが追加されただけではなく
細部に渡って大幅にマイナーチェンジが行われています。
露出計はLED式となりファインダー表示も大幅に進化しました。
スクリーンも大幅に明るくピントの山のわかりやすいものに変更され
非常に快適なピント合わせが行えるようになっています。
全体的にかなり使い勝手が良くなった印象です。
ただ基本的なスペックはAE-1と変わりはなく
最高速1/1000の横走り布幕シャッター機です。
機械的な基本構造はAE-1とほぼ共通です。

お預かりしているAE-1プログラムは
キヤノンAシリーズ共通の定番トラブルでもある
「シャッター鳴き」が出ています。
シャッターを切ったときに「ギャイン」といった感じの
異音が出る症状です。
シャッター鳴きとはいいますが
原因はシャッター部ではなくミラー駆動部です。
ミラーアップする際に駆動部のギアから
異音が起きるわけで原因は単純に油切れです。
ただ、異音がするだけならまだ良いのですが
これが出始めると確実にミラー駆動に影響があり
ミラー動作がゆっくりとしか動かなくなってきます。
酷いものになるとミラーが上がらなくなり
シャッターが切れなくなってしまいます。
ここの構造はAシリーズ前モデルでほぼ共通であり
どの機種でも同様のトラブルが起こります。
対策としては定期的に清掃・注油を行うほかありません。
今回はそれに加えてオート時に絞りを制御する
絞込レバーの動きも悪くオート時の絞り制御が不安定で
安定したオート露出を行うことができません。
これも実はAシリーズ定番のトラブルで
今度はシャッター鳴きの原因のギアとは
ミラーを挟んで反対側の絞込レバー駆動ギアの油切れが原因です。
かなり繊細なメカ駆動部を持つAシリーズならではのトラブルと言えますね

また分解時に写真を撮るのを忘れてしまいました。
画像は整備が終わって上カバーを閉める段階で
「いけん!写真撮っちょらんけぇ!!!」と気づいて
とりあえず撮ったものです(汗)
先程、基本的な機械構造はAE-1と共通と書きましたが
電子制御部分は全くの別モノで
5年の間に電子部品技術が進歩したのがよくわかります。
AE-1の上カバー部とは見た目から全く異なります。
糸連動はもちろんなくなり接点で制御するようになります。
リード線の数も随分減っています。
ということでフレキはより外しにくくなるわけですね…
整備性としては難易度がかなり上がりました。
この辺りのカメラが当店で分解整備できる
最も新しい部類のカメラかと思われます。
これ以上、電子制御が進んで液晶とかも含まれてくると
メーカーからアッセンブリで部品が出なければもう手が出せません。

これから最終チェックを行い問題なければ完成となります。
シャッター鳴きはもちろん各部の動きも非常にスムーズになっています。

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