今日は「恋人の日」だそうですよ。
ブラジル・サンパウロ地方では
女性の守護神で縁結びの神でもある
聖人アントニウスの命日の前日の6月12日を「恋人の日」として
恋人同士が写真立て(フォトフレーム)に
写真を入れ交換しあう風習があるのだそうです。
いろいろな風習が各地でありますねぇ…
でもお互いの写真を贈りあうのは何だかいいですね。
30年前くらいだったらチャレンジしたかもなぁ(笑
さてさて
本日は「ペトリ35」のカメラ修理を行っています。
正確には「ペトリ35F2.8」の後期モデルですね。
1958年に発売されているカメラです。
もともとペトリ35はオリコール45mmF2.8を搭載し
自社製のカーペルシャッターを搭載して1954年にデビューします
その後、45mmF3.5を搭載したものも追加されます。
そして1955年に45mmF2.8を装着したものをベースとし
シャッターがシャッターがカーペルMXSに変更されます。
これが「ペトリ35F2.8」と呼ばれるモデルです。
さらに1958年にマイナーチェンジが行われ
シャッターユニットがカーペルMXVに変更され
距離計二重像の採光窓に緑色のクラウンガラスを使った
「グリーン・オ・マチックファインダー」が装備されました。
これが今回お預かりのペトリ35になります。
緑色の二重像窓と赤いペトリのマークが
非常にインパクトがありなかなかカッコ良いカメラです。
お預かりしているペトリ35は
レリーズボタンが押し込まれたままの状態で固着していて
当然シャッターも切れず巻上もできず
何もできない状態になっていました。
ペトリのカメラは特に60年代に入るとそれが顕著になるのですが
造りこみを少し省略してコストダウンしている部分が多く
分解してみると「これで本当に大丈夫なのか?」と思う部分の多いカメラです。
今回のレリーズ周りのトラブルも
ペトリのそういう部分が原因の一つになっています。
簡単にいうと鏡胴の固定方法に問題があって
シャッターユニットのレリーズやチャージ連動に
問題が起きやすい構造なのです。
ショック品だったり無理な力を加えると
トラブルの起きやすい構造と言えますので
古いカメラはどれもそうですが
くれぐれも丁寧に扱っていただければと思います。
レリーズの問題は鏡胴の組みなおしや
シャッターユニットの整備で対処できましたが
シャッターユニット内はあちこちで動きの悪い部分や
部品の変形等が見られ
元々の強度や精度が少し足りないことに加えて
結構、ラフに扱われていたことが伺われました
さらに今回は絞り羽根に重篤なトラブルが後から発見され
こちらの処置にかなり苦労しました。
細かいことを書くとかなりの量になるほど
いろいろなことがありましたが
何とか無事に安定して動作する状態に仕上がりました。
貼り革はご依頼者様の方で新たに貼られるということで
とりあえず現状は貼り革のない状態です。
やはりこう見てもグリーンのガラスが目立ちますね。
シルバー基調のレンズ鏡胴も文句ナシにカッコ良いですね。
1950年代はカメラメーカーも今とは比べ物にならないほど多く
こういったレンズ固定式のレンジファインダー機、
二眼レフの全盛期で非常に個性的なモデルがたくさん存在します。
どれも60年以上経過するもので
堅牢性も高いものばかりではありませんが
おもしろいカメラが多いのは間違いないと思います。
あまりマニアックなものも困りますが
やはりこういうものにハマるのも非常にわかりますね…
間違いなく楽しいと思います…
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