ミノルタX-700のカメラ修理

今日は「チンチン電車の日」だそうですよ。
1903(明治36)年のこの日に
東京電車鉄道の路面電車が新橋~品川で営業を開始し
「東京で」初めて路面電車(チンチン電車)が走ったことに由来しています。
ちなみに日本で初めて路面電車が走ったのは
1890(明治23)年5月4日に上野公園で開催されていた
第3回 内国勧業博覧会の会場内だったそうです。
また、日本で最初の一般道路を走る路面電車は
1895(明治28)年2月1日に開業した
塩小路東洞院~伏見京橋の京都電気鉄道だったでそうです。
あくまで今日は「東京で」初めてチン電が走った日なのですね…
これとは別に「ろ(6)でん(10)」(路電)と読む語呂合わせで
6月10日が「路面電車の日」となっています。
私は広島(正確にはお隣の呉市)出身なので
広電のチン電にはいろいろ思い出がありますねぇ。。。
そういえば路面電車ではありませんが
今日で広島電鉄宮島線は開業100周年だそうです
1922年に現在の広電西広島~草津間で開業されています。
100年経つと沿線の景色は
さすがに全く違ったものになっているでしょうねぇ

さてさて

本日は「ミノルタX-700」のカメラ修理を行っています。
1981年発売の中級機です。
それまでのミノルタの主力であったXG系のフレームを一新して
新設計で登場したモデルでX3桁シリーズとしては
最上級のモデルです。
このX-700をベースとして
後にX-500やX-600も生まれましたが
登場以来ミノルタマニュアルフォーカスのトップモデルとして
18年間存在し続けました。
この間にはαシリーズの登場もあり主力はオートフォーカス機へ
大きく変遷していくのですが
根強い人気を最後まで保ち続けた名機です。
さすがに時代を反映して効率化の名のもとに
コストカットされた部分も多く
外装部品の多くはプラスチックで巻上やシャッター音は
以前のXEやXDの上質さまでは届きませんが
それでもミノルタらしい使い心地の良さは継承しており
何といってもお得意のアキュートマットスクリーンによる
ファインダーの明るさとキレは素晴らしいものがあります。
それに加え電子回路も熟成されているため
以前のXシリーズに比べると電子回路関連のトラブルも少なく
安定して動作するカメラでもあります。

それでも登場から40年を超えているカメラです。
いくら電子回路が「比較的」安定しているカメラとは言え
トラブルはいろいろ起こって当たり前だと思います。
使いっぱなしで未整備だとなおのことです。
お預かりしている「X-700」はAEロックの付いたブラックモデル
いわゆる「ニューX-700」です。
外観から判断した感じでは
かなりしっかり使い込まれた個体のようです。
ご依頼者様からご指摘いただいているのは
フィルムカウンターが36枚目で固まったまま
裏蓋をあけても戻らない状態になっていることです。
X-700は電子制御満載のカメラですがカウンター絡みの
電気的制御はないので単に枚数がわからないだけで済んでいますが
電子制御カメラの場合、カメラの種類によっては
カウンターが動かないことで
シャッター制御ができなくなることもあります。
いずれにしても点検整備一式を行うため
一通りの動きを確認したのですが
電源が少々不安定でたまに全く電源が入らなくなることがあるようです。
さらにそれとは別の原因で露出計が不安定なことと
高速シャッターの精度不良が確認できています。
カウンターの件がなくてもそろそろ一通りリフレッシュさせた方が
良い時期になっていたようです。
フィルム室のモルト交換歴はあるようですが
そのモルトの貼り方がいまひとつのため
裏蓋が妙に開きづらい状態にもなっています。

まだ現状確認を行っただけの状態です。
これから分解整備に取り掛かります。
大文字「MINOLTA」のロゴもそうですが
「X-700」のロゴだったりボディのデザインも
どことなく80年代を感じさせるデザインで
個人的には非常に好みのデザインだったりします。
自分が10代を過ごした頃の空気感みたいなものが
感じられるのですよねぇ…
まぁその個人的な感覚は差し引いても
非常に良いカメラであることに間違いはないと思います。
私も個人的に現在普段使いしているカメラでもあります

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