オリンパス35RCのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「霜降」ですね。
秋が一段と深まり、露(つゆ)が
冷気によって霜(しも)となって降り始める頃となっています。
朝晩の気温がグッと下がり
標高にもよりますが
平野部でもそろそろ紅葉・黄葉が進んでくる頃ですね
日中はそこそこ暖かくて緩い感じの空気が
早朝や夕暮れ時の冷たくなって
ピンと張ったようなこの季節独特の空気感が昔から好きです。
本格的な冬の到来を前に気持ちの良い時期ですね。
もう次の二十四節気は「立冬」です。
今日の「霜降」から「立冬」までの間に吹く寒い北風が
いわゆる「木枯らし」です。
いつからかさだかではありませんが
関東地方(東京)と近畿地方(大阪)において
毎秋最初の木枯らしを「木枯らし一号」として
気象庁より発表されていますね。
「一号」って台風か仮面ライダーみたいだから
「春一番」に習って「木枯らし一番」とかのほうがいいような気が…(笑

さてさて

本日は「オリンパス35RC」のカメラ修理を行っています。
そのモデル名から「リチャード」の愛称で呼ばれるカメラです。
1970年発売
オリンパス35シリーズは歴史も長くいろいろなモデルが存在する
35mm判レンズ固定式レンズシャッター機のシリーズですが
1968年の「トリップ35」以降のモデルは
時代の流れに沿って非常に今pカウとなモデルが主流となっていきます。
この「RC」も同社のハーフ判「ペンシリーズ」さほど変わりない
コンパクトさが売りのカメラです。
ただ小さいだけではなく距離計もしっかり搭載し
シャッタースピード優先AEを装備しつつ
マニュアル露出でも撮影できる
一通り何でもできるカメラです。
ファインダー内情報もしっかりしており
オート時には設定したSSはもちろん
露出計連動で選択する絞り値をレリーズ連動で表示し
マニュアル時には露出計こそ使えないものの
設定している絞り値がファインダー表示されます。
ちょっとめずらしいのがレンズシャッター機なのに
シャッターダイヤルがフォーカルプレーン機のように
上カバー上に付いていることです。
個人的にはこちらの方が鏡胴にSS環があるタイプよりも
設定が見えやすいし良いと思います。
シャッターはペンと同様の2枚羽根のビハインドシャッターです。

お預かりしている「RC」は電池を入れて
シャッタースピードAEにしても
露出計が全く動かず常に絞り開放側に振り切ってしまう状態です。
電池室側から見る限りは接点や端子も
良好な見た目だったのですが
電池室を外して裏側をチェックすると
配線ハンダ部は緑青でびっしり覆われていて
配線は完全に断線している状態でした
これではさすがに露出計はピクリとも動けません。
他、距離計には大きなズレがあり
シャッター羽根にも若干の粘りがあるようです。
ビハインドシャッターで羽根がフィルム室側に
露出しているので羽根に汚れが付着しやすい構造ではあります。
こちらもシャッターユニット整備と同時に羽根清掃を行っていきます。

35DC等と同様に露出計本体はボディの底部に配置されている
オリンパスらしい独特の構造です。
小さなボディに無駄なく詰め込まれている印象ですが
意外と整備性は悪くないカメラです。
これから本格的に各部の整備に取り掛かっていきます。

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