今日は「ホームビデオ記念日」だそうです。
ホームビデオと言っても
8mmや後に普及するVHSとかではなく
VHSやβより以前に開発された「U規格」で
ソニー・松下電器・日本ビクターが参画した
世界初の家庭用VTRの規格です。
それが1969年のこの日に発表されたのです。
これ以前のVTRはいわゆるオープンリールで
8mmとかも家庭用に存在しましたが
とても家庭で気軽に楽しめるものではありませんでした。
(そういえばオープンリールの8mmも
幼いころに家にあったなぁ…)
しかしながらこの「U規格」も
テープ幅は3/4インチ(後のVHSは1/2インチ)
カセットテープの外形寸法は186mm×123mm×32mmで
非常に巨大であったことから
「ドカベンカセット」などの通称もあった。
ちなみにVHSのカセットテープ寸法は
188×104×25mm…え?意外と変わらんな…(苦笑)
残念ながらこの「U規格」は一般家庭に普及することはなく
本格的なホームビデオの普及は後のVHSやβ登場まで待つことになります。
それも今や昔の話で今やビデオテープそのものが
過去の遺物ですものね…もはや記録メディアは据え置きならHDD
記録媒体は光ディスク、
持ち歩くならSDカードあるいはマイクロSDカードの世界ですものねぇ
これもリアルタイムで体験した
VHS登場の当時からするととんでもない進歩ですよねぇ…
さてさて
本日は「リコー35」のカメラ修理を行っています。
リコー35シリーズはいわゆるレンズ固定型の
レンズシャッター搭載距離計カメラです。
1954年に最初のリケン35が発売され
翌年に改名し搭載するリケンシャッタの最高速が
1/100→1/200になった「リコー35」が発売されます。
そして同時にその「リコー35」をベースとし
当時の最高級宇シャッターユニット
「セイコーシャラピッドシャッター」を搭載し
さらにレンズもF3.5からF2.8へスペックアップした
「リコー35セイコー付き」が発売されます。
今回のカメラはこの高級版とも言える
セイコーシャラピッド搭載の「リコー35」です。
発売から67年が経過するカメラであり
さらに今回の個体はおそらく数十年に渡り
使用されていないものとみられます。
特徴的な底部トリガー式の巻上レバーの先端部は
欠落しており中古部品から補充いたしました。
シャッター羽根や絞り羽根にもかなり粘りが見られましたが
羽根自体には破損等がなかったのは不幸中の幸いです
ファインダーやレンズはできる限りの清掃で
コーティング等に劣化は見られますが
かなりクリアにすることもできました。
何とか快適に使える状態に仕上げられたと思います。
最初のリケン35もこのリコー35も
レンズは富岡光学製で非常に評価の高いレンズです。
経年の劣化はあるにしても
写りにはかなり期待できると思います。
セイコーシャラピッドは最高速1/500で
現在のカメラとあまり変わりなく使うことができ
独特の操作性やルックスも使っていて楽しいカメラだと思います。
ご依頼者様には存分に楽しんでいただきたいと思います。
これから最終的なテストを行い
もんだいなければ完成となります。
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