キヤノンAE-1プログラムのカメラ修理

今日は「うるしの日」だそうですよ。
日付の由来は平安時代の文徳天皇の第一皇子・惟喬親王が
京都・嵐山の法輪寺に参籠し、その満願の日のこの日に
「漆(うるし)」の製法を菩薩より伝授されたという伝説からだそうです。
漆塗りの食器っていいですよねぇ
何といえない温かみがあって…
有名なのはやはり輪島塗ですよねぇ…いいですねぇ…
やはり黒か朱ですよね。ちゃんとした漆器ほしいですねぇ
間違いなく食事が美味しくなりますね!
漆塗りはウルシノキから取れる樹液(ウルシオール)が主成分で
ウルシノキ自体は山に行けば普通に見られますが
ウルシノキなんて呼んだことはなく
やはり「かぶれの木」でしたねぇ…
私は幸運なことに今のところアレルギーらしいものには
縁がないので「かぶれの木」に普通に触れても何ともありませんが
うちのばあさんがアレルギーで
「かぶれの木」の下を歩いただけでかぶれると言ってましたし
そのせいもあって「漆器」は敬遠気味でした…
(乾燥した漆器でかぶれることは基本的にないそうです)
ちなみにマンゴーもウルシの仲間なので
人によってはかぶれることがあるそうです。
この季節はウルシ科のヤマウルシやハゼの紅葉も鮮やかでキレイですよねぇ
漆塗りの鮮やかな朱と何だかダブりますね!

さてさて

本日は「キヤノンAE-1プログラム」のカメラ修理を行っています。
1981年に発売されたカメラです。
「キヤノンAシリーズ」の初号機であり基本形でもある
「AE-1」の後継機でその名の通り
プログラムオート露出が追加されたカメラです。
全ての「Aシリーズ」機械的な基本部分は
最初のAE-1の構造がほぼほぼ受け継がれていますが
電子制御部についてはモデルごとにかなり進化を遂げていて
「AE-1」の5年後に発売となった「AE-1プログラム」では
電子制御部は全くの別モノとなっています。
分解しているとこの時代の電子制御が
かなりのスピードで進化していることがよくわかります。
見える部分に関してもファインダー内露出計表示もLEDとなり
明らかに時代の進化を感じます。
「AE-1」以上に電子制御部は安定しているカメラなので
普通の使用状況で劣悪な保管状況でない限りは
心配されるような電子制御部のトラブルは少ないカメラです。

しかしながら「Aシリーズ」の機械的部分の弱点ともいえる
「シャッター鳴き」が
今回お預かりの「AE-1プログラム」にも出ています。
さらに巻上時にも「ギャイン」といった感じの
巻上鳴きが発生しています。
さらにシャッタスピードの精度もイマイチで
電源も少々不安定なようです。
全体的に油切れであり
さらに接点やマグネット吸着部は清掃の必要な状態です。

画像はまだ上カバーを外しただけの状態ですが
フレキでびっしり覆われていて
機械的構造部やプリズムは上から一切見えません。
そのため「AE-1プログラム」の分解整備は
ここからがなかなか大変です。
それでも整備性はまだマシな方ではあるのですが…
シャッター鳴きは正面から見て
ミラーボックス左側のミラー駆動部のギアの油切れが原因ですが
ミラーボックス右側にはオート時の絞り制御レバーがあり
ここも油切れで動作不良を起こしがちな部分です。
露出計は安定しているのにオート制御が不安定な場合は
ここの動作不良が原因のことが多いです。
もちろん今回もここの整備も一緒に行います。
電子制御部はこの時代の最新を常に走り続けた「Aシリーズ」ですが
機械的な部分は一般的な布幕横走りシャッター機で
意外と保守的なのですよね…
このあたりの考え方がまたニコン中級機とは異なるところが面白いですね

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。