ミノルタハイマチックFのカメラ修理

今日はなかなかネタにできそうな記念日のない日ですねぇ
「世界環境デー」「ろうごの日」
「ロゴマークの日」「落語の日」等々…
「ろうごの日」なんて確かに個人的に
自身に関係のある日だとも思いますが
。。。コメントしづらいですね。。。
ネガティブな文章に流れていきそうなので
ここで取り上げるのはやめましょう(苦笑)
ちなみに記念日ではないのですが
今日は「天赦日」なのですよね。
天赦日は季節と日の干支で決まり
年に5回または6回しかなく
年によってその日付は変わります。
個人的にはこの類の縁起の良い日とかは
あまり興味はないのですが
天の神々が万物の罪を赦(ゆる)す日とされ
全てにおいて吉とされる暦の上で最も縁起が良い日なのだそうです。
うーん…まぁ何もないでしょうね(笑
天赦日に財布を新しくすると
金運がアップするといわれているそうですよ。

さてさて

今日は「ミノルタハイマチックF」のカメラ修理を行っています。
1972年発売のカメラです。
この前年に発売された「ハイマチックE」の下位モデルとして
発売されたモデルです。
ミノルタはこの時期にラインナップするカメラの電子化を
積極的に進めているのですが
レンズ一体型コンパクトもこの「ハイマチックE/F」で
電子制御化に方向変換し
さらに小型化も大きく進めることになりました。
大口径レンズ搭載の「E」に対して
「F」はF38mm2.7レンズを搭載します。
レンズもそうですがボディも「E」より一回り小型で
非常にコンパクトなカメラです。
露出制御は「E」と同じくプログラムオート専用機で
「E」がセイコーESFシャッターを搭載し
「F」がセイコーESLシャッターを搭載します。
このシャッターユニットの違いが修理する立場としては
かなり大きな違いで
余談になるので細かな事情は省略しますが
「ハイマチックE」だけではなくセイコーESFシャッター搭載機は
残念ながら現在当店では修理を行っておりません。
「F」に搭載されるESLシャッターにしても
電子部品関連の状態によっては修理不可能な場合もございます。
この類の電子制御機はなかなかいろいろと難しいのです。

お預かりしている「ハイマチックF」は
かなり長い間、使われずに仕舞い込まれていたものと思われます。
電池室には当時の水銀電池NR52が入ったままとなっていて
当然ながら電池及び電池室の一部は真っ黒に腐食している状態です。
当然ながら電池を入れ替えても
カメラ側には全く通電しない状態です。
電子制御シャッター機なので電源が入らないと
シャッターは機械的な作動音だけはしますが
全く制御されずシャッター羽根は開かない状態です。
シャッターユニットや電子回路状況がどうかのを判断するにも
まず電源が入らなければどうにもわからない状態です。
電池室端子腐食は当然ですが
そこからの配線も当然ながら腐食で断線していて
配線の先にあるボディ上部の端子盤にまで腐食が広がっている状態です。
これはまず電源が入る状態にするだけでも
それなりに手間がかかりそうです。

まだ取り掛かったばかりの状態ですが
シャッターユニット単体に強制的に電源を繋いでみたところ
精度等はともかくとしてもとりあえず動作自体はするようです。
ESLシャッターは比較的シャッターユニット単体での
トラブルは少ないほうなので何とかなると思います。
電気関係のみならずレンズ・ファインダーのカビ曇り等々
通常の整備清掃ももちろん必要な状態なので
まずは配線関係の修理を行いつつも
並行して各部の整備を行っていきます。

個人的にハイマチックFを
スナップ用に持ち歩いていた時期があるのですが
取り回しが良くて非常に使いやすいカメラです。
レリーズがロングストロークな上に
シャッター作動時に「ジャキーン」といった感じの
独特な作動音がします。
好みもあると思いますがなかなか面白いカメラでもあります。
写りは定評あるロッコールですから
当然の良い写りをするカメラです。

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