今日は「コロンブス・デー」だそうですよ。
1492年10月12日にコロンブスが率いる
スペイン船隊が新大陸アメリカに到達したことを
記念した日だそうです。
コロンブスはまだ地球球体説が根付いていないこの時代に
西廻りの航海が可能だと考え
『東方見聞録』にある黄金の国・ジパング(日本)や
インドを目指して出発しました。
コロンブスは最初の到達地がインドだったと
亡くなるまで信じていたのだそうです。
ちなみに「コロンブス・デー」はアメリカでは
多くの州で祝日なのですが
もともと「コロンブス・デー」は10月12日だったものが
1970(昭和45)年より月曜休日統一法によって
10月の第2月曜日となっているのだそうです。
日本でいうハッピーマンデー制度で
「体育の日(スポーツの日)」の変遷と同じような感じなのですね。
ところで私の場合…新大陸発見はおろか
都内でも行ったことないエリアが
結構あったりするのですが…
個人的未開の地の開拓へとたまには出かけなければ…(苦笑)
さてさて
本日は「キヤノン7S」のカメラ修理を行っています。
1965年発売のカメラです。
時代の主流は完全にレンジファインダー機から
一眼レフ機へと移行してしまった時期に
キヤノン最後のフォーカルプレーンシャッターの
レンジファインダー機として発売したカメラです。
既にこのジャンルの高級レンジファインダー機を作っていた
国産メーカーはキヤノンだけとなっていました。
1934年の「カンノン」から始まった
キヤノンの創成期を支えたレンジファインダー機の歴史が
この「キヤノン7S」で最終となってしまったわけです。
「7S」はそれまでの「7」のマイナーチェンジ版といえるカメラです。
露出計はセレン光電池を使用したものから
CdSを使用するものに変更されています。
露出計自体も従来より小型化することができ
アクサリーシューが装備されています。
まさにキヤノンレンジファインダー機の集大成ともいえるカメラです。
ちなみにライバルともいえるニコンは
「7S」登場の6年前の1959年には「F」が発売されています
「7S」登場の1965年には「FフォトミックT」が発売され
中級機では「ニコマートFT・FS」が発売されています。
キヤノンも一眼レフではこの頃には「FX」が発売されていますし
「ペリックス」が「7S」と同年に発売されています。
しかしながらやはり一眼レフへ本格的に注力できるのは
この後のことになってしまいました。
お預かりしている「7S」はまずシャッターが全く切れません。
シャッター幕が完全に閉じきらない位置で止まってしまっていて
レリーズもできず巻上もできない状態です。
もちろん無理に動かすと間違いなく何かを破損してしまうと思われるので
決して無理な操作は行わず何はともあれ分解を始めて
内部の状況を確認していきます。
分解してる途中で突然「シャコン」と幕が最後の位置まで
走りきり巻上も可能になりました。
何が起こったのか確認するために慎重に内部を確認すると
何かが内部で転がっているような音がしています。
慎重に分解を進めていくと中から出てきたのは小さなネジ…
当然ながらどこかネジが外れている箇所があるはずなので
じっくりと各部と確認していくと
レリーズ部とセルフタイマーがリンクする部分のネジが外れて
内部を転がりシャッター駆動部に挟まってしまったようです。
ネジは本来の位置へしっかると取り付けて
動作確認を行うとシャッターは切れるようになりましたが
やはり幕軸の汚れ等もありシャッタースピードの精度は
おせじにも良いとはいえない状態でした。
画像は一通りの整備が完了し確認を行っている段階です。
装着されている50mmF1.8レンズは当店のテスト用レンズです。
露出計にもそれなりのズレがありましたが
こちらも調整を行い問題ない状態になっています。
シャッターや巻上は非常にスムーズに気持ちよく動作しています。
もちろん精度も全く問題ございません。
外装もできる限り磨き上げましたが
こうして眺めているとやはり高級感ありますね。
動きが完全に馴染むまでもう少し様子見を行ってから
最終テストを行い問題なければ完成となります。
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