キヤノネットQL19のカメラ修理

今日は「桃の節句」ですが
「3」にまつわる記念日がたくさん制定されています。
それに加えてやはり語呂合わせで
「耳の日」とか「耳かきの日」とかがありますねぇ(笑
耳の中がすごく気になって
ガリガリと耳かきしていた時期もあったのですが
耳かきのし過ぎはあまり良くないと知ってからは
たまに綿棒でやさしく掃除する程度です。
それよりも毎年行っている「人間ドック」で今まで
聴力について何も指摘されたことはなかったのですが
今年は「明らかな聴力低下が認められる」とか言われてしまいました。
でもあまり気をつけようがないですよねぇ…
あ、いや…大音量でイヤホンやヘッドフォン使うのは
なるべく避けるようにします…
何もかもが衰えてきてちょっとうんざりですね…(苦笑)

さてさて

本日は「キヤノネットQL19」のカメラ修理を行っています。
1965年発売のカメラです。
社会現象にまでなった「初代キヤノネット」の流れを汲むカメラです。
1964年発売の「キヤノネットS」で
巻上レバーや巻き戻しクランクが底部から
一般的な上カバー部に移設され露出計の受光体も
セレン光電池から水銀電池使用のCdSに変更されました。
それに伴って電池室が底部に追加されています。
「QL19」はその「キヤノネットS」をベースに
当時、キヤノンの各機種で積極的に採用されていた
「クイックロ-ディング」を搭載したモデルです。
今も昔もそうですがフィルム装填ミスによるトラブルは
やはり多くフィルム装填をなるべく簡単に行うためのシステムです。
後(80年代半ば以降)の電動巻上機ほど全自動ではないですが
フィルムの先端を指定された位置まで引き出して
蓋を閉じ手動で巻き上げれば勝手にスプールに
巻き込まれていくという画期的な機能です。
一眼レフの「Fシリーズ」の多くの機種でも採用されています。
実際に使ってみても明らかにフィルム装填は楽ちんで
特にフィルム装填に慣れていない方には当時も重宝したと思います。

お預かりしている「キヤノネットQL19」は
かなり長い間仕舞い込まれたまま
放置されていた個体かと思われます。
電池室には当時の水銀電池がそのまま入ったままになっていて
液漏れこそないものの水銀電池から出るガスの影響で
電池室は緑青に覆われています。
電池室の蓋もその影響で破損しています。
当然ながら電池室から出ている配線は断線しており
露出計は全く動けない状態です。
シャッターは一応は動作していますが
やはり羽根の動きには粘りが見られ
絞り羽根の動きもスムーズではなく
この状態では露出計が動作してもオート絞り制御は
できないかと思われます。
レンズ・ファインダーにはカビや曇りが見受けられ
全体的に一通りの修理整備が必要な状態です。

電池室やその周辺、電池室蓋は腐食が酷いので
中古良品の部品と交換します。
配線ももちろん交換です。
巻上機構やシャッタ―ユニットからのSS設定伝達機構は
初代から変更されてはいますが
オート時の絞り制御機構等は初代のものを引き継いでいます。
そして整備性の良さも初代同様です。
いつも思いますがこの頃のキヤノネットは
ボディサイズに余裕があることもあって
非常に良い造りがされています。
しっかり修理整備して
ご依頼者様にも存分にお楽しみいただきたいと思います。

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