ミノルタオートコードのカメラ修理

今日は「古民家の日」だそうですよ。
「こ(5)みん(3)家=おうち(0)」の語呂合わせと
古民家の再利用や古材の活用を推進したいとの想いから
「ごみゼロの日」と同じ日にしたものだそうです。
古民家ではないですが
私の生まれ育った町は今や空き家が非常に多く
その中でも比較的キレイなものが
安く売られたりするので
一時期ちょっと購入を考えました。
いや…移り住む気はなかったのですが…
結局、維持や改修にかなりお金がかかりそうなことと
住まないとなおのこと傷む…結局は無駄遣いになる…と判断し
早々にあきらめました…(苦笑)
いや、でも昭和レトロな住環境大好きなので
興味は湧くのですよ…こんなことなら
実家を引き払わずに借りたままにしておけばよかったかな…
(それはそれで手入れが大変だったか…)
まぁ現実味のない夢物語は置いておいて
身の回りのちょっとしたモノに
懐かしいモノを置くことでも充分満たされたりはしています(笑

さてさて

本日は「ミノルタオートコード」のカメラ修理を行っています。
国産最高峰と言われることも多い二眼レフの名機です。
ミノルタの二眼レフはオートコード以前のモデルも
非常に評価が高いモデルが多いですね。
最初の「オートコード」は1955年にデビューしています。
特徴と言える腹切り型のピントレバー
ビューレンズ上の露出設定集中表示、
通常とは逆の上から下へと巻くフィルム送り
クランク式の巻上…これらの機能は
既に前身のミノルタコードでほぼほぼ搭載されていて
それらの集大成として
さらにまとめたのがオートコードなような印象もあります。
さらに初期のオートコードから細かな改良も加えられて
最終のオートコードⅢに至るまでどのモデルも
非常に魅力的なカメラだと思います。

お預かりしている「オートコード」は
いわゆる「RG型」かと思われますが
多くの「RG型」は吊り下げ金具が
賛否両論の専用型になっているはずなのですが
この個体は前期モデルと同じく従来タイプの吊り下げ金具です。
またファインダーフードには「RG型」では
既に「CHIYOKO」銘はないはずなのですが
この個体には前期型同様に「CHIYOKO」銘が入っています。
搭載されるシャッターユニットは「RG型」の特徴でもある
シチズンMVLで通常であれば絞りレバーにあたる部分で
LV表示に対応しています。
ビューレンズ上の集中表示では通常の「SS・絞り」が表示されます。
どうみても後から改造したような様子は見られないので
生産の過程でこういうモデルもあったのだと思われます。
レンズ銘は「MINOLTA」銘のロッコールです。

細かな仕様は興味本位で特に問題も何もないのですが
お預かりしている「オートコード」は
まずシャッターが切れません。巻上クランクもどっちにも動きません。
完全に固まってしまっている状態です。
チャージ機構に問題があるのかとも思ったのですが
まずは他の機能も確認と思い、絞り(LV)レバーを動かそうとすると
ちょっと尋常ではない重さです。
かなり強烈に絞り羽根が貼り付いているようで
無理に動かすと間違いなく羽根を破損しそうです。
もちろん動かすことはすぐに止めました。
この様子だとシャッター羽根も間違いなく貼りついて固着していると思われます。
シャッター切れず、巻上できずの主な原因はこれかと思われます。

それでもシャッターユニット・チャージレバーの動きも悪いですね。
シャッタ―ユニット内のあらゆる部分の動きが悪いようです。
まだ現状確認を行っている段階ですが
大体の状況は把握できたので
これからまずはシャッターユニットを降ろして
シャッター関連から整備修理を行っていきます。
その後で側面も開けて巻上やカウンター部の整備を行っていきます。

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