今日は二十四節気でいうところの「霜降」ですね。
秋が一段と深まり、露(つゆ)が冷気によって
霜(しも)となって降り始める頃なので
「霜降」とされています。
江戸時代の暦の解説書『こよみ便覧(べんらん)』では
「露が陰気に結ばれて霜となりて降るゆゑ也」と説明されています。
次の節気はもう「立冬」ですが(11/7頃)
まだ全然そんな秋が深まった感じはしないですよね…
日中は意外と気温が高い日も多くまだ少し「暑さ」も感じます。
「秋らしいねぇ」と感じるのはほんお一瞬だったりするのでしょうね
私は秋が四季の中で一番好きな季節なので
なんとも寂しい気がします。
さてさて
本日は「ヤシカエレクトロ35CC」のカメラ修理を行っています。
お馴染みの「ろうそく1本の光でも写る」カメラをコンセプトとした
絞り優先オート専用機のシリーズが「エレクトロ35」です。
シリーズ中にいくつものカメラが存在しますが
その中で唯一の35mm広角レンズ搭載機が「CC]と
そのマイナーチェンジ版の「CCN」です
(中身はほぼ同一)
カラーヤシノンDX35mmF1.8のエレクトロシリーズらしい
大口径レンズを搭載します。
エレクトロのコンセプト的にもそうですが
この時代の大口径レンズはボケ味を楽しむとかの意味ではなく
低輝度時にできるだけ速いシャッタースピードを確保でするためのものです。
特にこのCCやCCNは絞り羽根が2枚羽根で独特の形状をしているので
開放ならまだしも開け気味でボケ味を楽しむ感じではないと思います。
それでも35mmF1.8のレンズは貴重ですし
使ってみたい衝動にも駆られますね。
お預かりしている「CC」はかなり使い込まれた個体のようです。
CC&CCNはエレクトロらしいあのギンギラギンなシルバーの設定はなく
ブラックボディのみの設定なのですが
適度に剥がれたブラックボディがなかなか良い味を出しています。
外観が適度にヤレ気味なのは魅力的なのですが
中身も少々くたびれているようで
こちらは「良い味」とかは言ってられないですね。
オート制御がとにかく不安定で基本的にやたらと
シャッターが開いたままになろうとします。
10回切ると7回は異様なスローシャッターで切れてしまい
とてもまともに撮影に使える状態ではありません。
まともに切れるときの制御は悪くなさそうなので
おそらくマグネットの吸着に問題があるのか
エレクトロならではの抵抗のハンダ劣化とかで
明るさに対しておかしな抵抗値に
なってしまうのではないと思われます。
まだ取り掛かり始めの段階です。
ファインダーやレンズにもそれなりにカビ等があり
距離計も無限がズレてしまっています。
その辺りも含めて全体的な整備をこれから行っていきます。
このCCからエレクトロも本格的に小型化が進められていきます。
この頃はまだ初代からの流れを汲む「GS」が
まだ販売されていますが
本流のモデルも1973年の「GL」で一気に小型化されます。
その前に目測超小型の「MC」も発売されます。
このあたりのモデルの変遷を見るのも
当時の時代の流れを感じることができて楽しいですね。
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