コニカオートS2のカメラ修理

今日は「柿の日」だそうですよ。
言われてみればまだ今シーズンは柿食べていないですね…
少し前からスーパーでもよく見かけるから
「とりあえず今日はいっか…」って見送り気味になっています。
歯ごたえのある実と優しい甘さがいいのですよねぇ…
昔は実家の近所でもいたるところで柿の木を見かけたものですが
(その大半は渋柿)
最近は地元に帰ってもあまり見ないですね…
柿の木の下の道に潰れた柿がぐしゃぐしゃになって落ちているのが
昔はこの季節の日常の光景でしたね
「柿の日」の日付は日付は、1895(明治28)年のこの日に
俳人・正岡子規が奈良旅行に出発し
あの有名な「柿食へば鐘が鳴るなり法隆寺」の句を
詠んだとされることからだそうです。
柿の実は栄養価も高く含まれるカキタンニンは
高血圧の予防に効果があるそうですよ。
やっぱりしっかり食べなくちゃダメですね。
今夜帰りのスーパーで買って帰ります!!!

さてさて

今日は「コニカオートS2」のカメラ修理を行っています。
オートS2も修理依頼の比較的多いカメラです。
1964年発売のカメラです。
「オートSシリーズ」は同時期に発売されていた
「コニカSシリーズ」にシャッタースピード優先オートを
搭載したカメラです。露出計の受光体は
「S」のセレンから「オートS」ではCDSに変更されています。
最初の「オートS」の受光体は上カバー前面方付近に配置していましたが
「オートS2」ではレンズ枠内に移設され
フィルター使用時の露出倍数等を考えなくても良い設計になっています。
搭載レンズはヘキサノン45mmF1.8の大口径です。
シャッタースピードスピード優先オート搭載がセールスポイントですが
マニュアル露出も可能でその際も露出計は動作します。
シャッターユニットはコパルSVAです。
大口径レンズを搭載することもあり少し大柄ではありますが
非常に使いやすく且つ写りの評価も高いカメラです。

お預かりしている「オートS2」はまず電池を入れても
露出計が全く反応しません。
露出計のon/offスイッチないので
電池を入れてある程度の明るさのところにレンズを向ければ
多少なりとも反応がなくてはいけません。
底部にはバッテリーチェックボタンがあり
これを押すと指針が無条件にある程度まで動くはずなのですが
こちらもほとんど反応がありません。
何度か押しているとたまに一瞬指針が振れるので
メーター自体は生きていると思われます。
オートS系は露出計に関連するトラブルがやはり多いですが
その大半が電池室周りの配線、ハンダの腐食です。
今回もそうかと思われます。
シャッター自体は動作しているものの
ファインダーを覗いて見ると曇りも酷く
そして距離計二重像が全く見えません。
二重像を映し出す中心の枠自体も全く見えないため
距離計の最初の反射面のミラーが脱落していると思われます。
これも「オートS系」では比較的多いトラブルです。

画像の右端に小さなミラーが写っていますが
これがファインダー内部に転がっていました。
これが脱落しているために二重像が全くファインダーに映りません。
電池室の周りにはバッテリーチェックのSWもあるために
数本の配線が繋がれているのですが
どれもこれもハンダ部に緑青が噴いていて
そのうちの何か所は完全に断線していました。
これでは露出計もバッテリーチェックも動きません。
そのあたりの修理も含めてこれから一通りの整備を行っていきます。

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