カテゴリー別アーカイブ: カメラ修理

ヤシカエレクトロ35MCのカメラ修理

今日は「ヨーグルトの日」だそうですよ。
日付の由来はヨーグルトを研究し、ヨーグルトが健康に良いと
世界中に紹介したロシアの微生物学者
イリヤ・メチニコフ博士の誕生日からだそうです。
乳酸菌ですねぇ…整腸作用を中心に摂取すると効果抜群ですよね!
身体によいことは重々わかっているので
なるべく食べるようにしてますし
明治ブルガリアヨーグルトのプレーンも良く買うのですが
ついつい、甘みが欲しくなって
蜂蜜をそれも大量にかけてしまうのですよね(苦笑)
それだと本末転倒で逆に体に悪いほうの効果抜群になってしまいます…
適度に少しだけかけるように気を付けなくては…
でもヨーグルト自体は良い効果が期待できるうえに
マイナスな部分がほとんどないと思うので
積極的に食べたいと思います。
そういえば少し前から切れてたな…今夜買って帰ります!

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35MC」のカメラ修理を行っています。
1972年発売のとってもコンパクトなカメラです。
ヘタなハーフ判カメラよりも小さなカメラです。
エレクトロ35シリーズと言えば目指すところは
「ろうそく1本の光でも写る」カメラということで
F1.8クラスの大口径レンズを搭載するのが定番なのですが
この「MC」に関しては小型化を最優先にしたためと思いますが
搭載するレンズはヤシノンDX40mmF2.8レンズです。
他のエレクトロ35シリーズでは全機種レンジファインダー搭載とういうのも
共通項ですがこの「MC」はシリーズ中ちゅいいつの目測ゾーンフォーカスです。
これも小型化のためだと思われます。
それでもエレクトロ35らしく絞り優先オート専用機です。
割り切った設計と引き換えにこの小さなボディとなったわけですが
個人的にもこの小ささと四角いデザインが何とも魅力的に写ります。

お預かりしている「MC」は
ご依頼者様が数年ぶりに使おうとしたところ
電源は入るのだけどシャッターが開いたままになってしまうということで
当店にやってきました。
電池を抜いてシャッターを切っても同じように
シャッターが開いたままになるので
(本来はシャッターは切れるが未制御で切れる)
電気的な問題ではなく機械的にシャッターが粘っていると思われます。
MCのシャッターユニットはコパルEJですが
ビハインドシャッターで羽根がフィルム室側に露出しているため
ゴミが付着しやすいとも思われます。
加えて駆動部が比較的粘りやすいというのも過去の経験でわかっているので
まずは駆動部と羽根の清掃を行って対処していきたい思います。
シャッターがまとも切れてくれないと
電子制御が正常に動作しているかどうかも判断できないので
まずは普通にシャッターが動作することを最優先で取り掛かります。

さすがに外寸がこの小ささなので
中身はかなりぎっしり詰まっており
整備性はやはり良くないです。
レンズ銘板や化粧プレートもねじ込みではなく
接着剤付けされていて再利用しなくてはならない現状だと
取り外しにもかなり苦労します。
まだ取り掛かり始めですが
落ち着いて慎重に作業を行っていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ペンタックスMEのカメラ修理

今日は「カクテルの日」だそうですよ。
若い頃はカッコつけてショットバーでよく飲んでたし
ショート・ロング問わずいろんな種類を試して
話のネタにもしてましたねぇ…もうずいぶん昔の話です(笑
今やお酒は日本酒・焼酎・ビール・ウイスキーですものねぇ
あまりややこしいものは飲まなくなりました…
でもカクテルはあまーいジュースのようなものから
キリッとしたものまで本当に千差万別で
いろいろ飲み始めると奥が深くて楽しいですよね。
簡単なものだとある程度の材料と道具があれば
家で作ってそこそこ美味しくいただくこともできますが
やっぱりカクテルはちゃんとしたバーで
手慣れたバーテンダーさんに作ってもらうのが最高です。
お店の雰囲気とかも合わせて存分に楽しみたいものです。
…なんてことを考えてたら…ヒサビサにふらっとショットバーにでも
行ってみたくなりますね…
そういえばトム・クルーズの「カクテル」にもハマったなぁ…
世代ですね(笑
トム・クルーズといえば…今日は「トップガンの日」でもあるそうです。

さてさて

本日は「ペンタックスME」のカメラ修理を行っています。
1976年発売のカメラです。
「ME」が発売される1ヶ月前に「MX」が発売され
「ペンタックスMシリーズ」がスタートするわけですが
「MX」よりも「ME」のほうが
「Mシリーズ」の核をなすカメラです。
シリーズのコンセプトでもある
「小型軽量化」、「電子化による自動化」、「システム拡張性」に
忠実に沿った機種でもあります。
機能的には「絞り優先オート」専用のエントリークラスのカメラですが
「ME」登場以降の「Mシリーズ」のカメラは
全てこの「ME」を基本として成り立っています。
後に1/2000シャッターやマニュアル露出にも対応した
「MEスーパー」も「ME」をベースとして発売されます。
反対によりより販売競争が激化するエントリークラスに
競争力を高めよりシンプルなものとした「MV1」も発売され
なかなかのヒット作になっています。
これも設計のベースはこの「ME」です。
シリーズの中核となるカメラだけあって
かなりよくできたカメラだと思います。
電子制御機ではありますが内部は整然とまとまっており
整備性も良好なカメラです。
ただしコストの面でいろいろ制約もあったのだと思われますが
経年劣化で明らかに問題となる箇所もあったりするので
登場から50年近く経過した現在では
それなりにメンテナンスの必要なカメラだとも言えます。

MEといえばミラー駆動部のゴムブッシュ溶解による
固着が代表的なトラブルですが
今回、お預かりしている「ME」はそこに関しては対策済みの個体で
ミラーの動きは非常に快調です。
ただシャッターには積年の汚れ等で動きに少し問題があるようです。
加えて電池が入ったままになっていた時期がかなり長かったとみられ
電池室に緑青が見られ電池室裏の端子のハンダは完全に劣化して
配線は断線しています。リード線自体も腐食して通電しない状態です。
当然ながら露出計及び電気回路に電源は入らず
機械的にシャッターは切れるものの全く制御されない状態です。
電源入らなくてもとりあえずシャッターがちゃんと切れるところは
このカメラの良いところではありますが
未制御のみとなれば実質撮影には使えません。

先程も書きましたが電子制御機としては
整備性はかなり良好で比較的かゆいところにも手が届く設計です。
シャッターはセイコー製の縦走り金属羽根ユニットシャッターです。
電子基板も差し込み式となっており非常によく考えられています。
ただし、電池室の腐食が酷いとこの基盤の差込口まで
腐食している場合がありそうなってくると
修理のハードルがかなり上がってしまうのですが
今回は腐食もそこまでは広がっておらず少し安心です。
それでも配線を伝って基盤の一部に腐食が広がってはいるので
入念に清掃してしっかり導通を確認しながら整備を行っていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ワゴーフレックスのカメラ修理

今日は5/10でキリが良い日でもあり
語呂合わせも含めていろんな記念日が制定されています。
そんな中、「街区表示板の日」なんてのがありますね。
1962(昭和37)年のこの日に
「住居表示に関する法律」が施行されたことに由来しています。
街区表示板とは、住居表示を実施している地域に設置されている
街区(所在地;「○○町○○丁目」など)が記載された
細長いプレートのことです。
主に電信柱や建物の壁面などに付けられていますね。
「住居表示に関する法律」により
住居表示を実施している地方自治体(市区町村)において
設置が義務づけられたのだそうです。
サイズや表示板の色は地域によって異なるらしいのですが
あれですよね?濃い緑色の細長いプレートに
白字で街区が掛かれているモノですよね。
今は歩いててもスマホで道案内してもらえる時代ですが
昔は地図と街区表示板を見比べながら
行きたいところを探し回ることも多かったですねぇ
(仕事でもプライベートでも)
そういえば小学校の頃に街区表示板と学校の友達の家の住所だけが
書かれたメモをみて家を探しあてて遊びに行くなんてことも
よくやっていました。
ちょっとアドベンチャーぽくって楽しいのです!
ただ、いつ着くか全く読めなくて待っている友達は困ったでしょうね…(笑
いわゆる三段番地(〇丁目〇ー〇)だと難易度は高くないのですが
田舎に良くある区画整理されていない旧来の4桁番地(xx町9999)だと
これがまた辿り着けないのです…
結局その辺にいる人に聞いたりしていましたが…懐かしいですね。

さてさて

本日は「ワゴーフレックス」のカメラ修理を行っています。
フィルターやアクセサリー類の販売で大手だった
「ワルツ商会」が製造していた二眼レフです。
資料がほとんどなくあまりはっきりしないのですが
おそらく1952年発売のカメラだと思われます。
後に「ワルツフレックス」という二眼レフも発売しています。
いわゆる赤窓式のシンプルな二眼レフです。
シャッターユニットはコパル製で
B・1s~1/300をカバーします。
今回の個体は日東光学のコミナー7.5cmF3.5レンズを搭載します。

この「ワゴーフレックス」当時使用のグリスの問題なのか
構造上の問題なのかほぼ全ての個体でピントノブの軸が
固着しています。もちろん今回もそうです。
そしてその固着具合が強力な接着剤でも付けたのか?というほど
強烈に固着してるものが多いのです。
今までの経験上、救済率はほぼ5割…半分の個体は固着を解消できませんでした。
あまり力任せにしても今度は軸自体を破損するだけなので
今回も時間を変えていろいろやってみます。
あまりにもどうにもできなかったら残念ながら修理不能です。

まだ現状を確認しただけでこれから本格的に
修理に取り掛かります。
何はともあれピントノブの固着解消から始めます。
全体的には非常にキレイな個体です。
レンズにもカビはそれなりにありますが
清掃すれば十分にクリアになりそうです。
シャッターも粘りもなく快調に切れていますが
さすがにスローガバナは固着しています。
問題のピントノブは以前に無理に動かそうとしたのでしょうが
クルクルと空回りしてる状態です。
表示上の無限遠を超えてクルクるまわるので
ストッパーのピンも折れていると思われます。
こればかりは焦っても仕方ないので
時間をかけてじっくりと取り組みます。
おそらく今日のうちに改善は無理かと思います。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

コニカC35のカメラ修理

今日は「アイスクリームの日」だそうですよ。
東京アイスクリーム協会(現:一般社団法人・日本アイスクリーム協会)が
1965年(昭和40年)に制定しています。
1964年(昭和39年)アイスクリームのシーズンが始まる
連休明けの時期である5月9日を「アイスクリームデー」と決め
東京アイスクリーム協会が記念事業を開催し
都内の施設や病院などにアイスクリームをプレゼントしたのだそうです。
昨日今日と都内は少し肌寒いですが
GWあたりになると天気が良ければ初夏の陽射しですし
アイスが美味しい季節になってきますよね!
甘いもの好きの私は真冬でも結構食べますが…(苦笑)
外が寒くても部屋を暖かくして食べるアイスは美味しいですし
もはや一年中アイスは美味しく楽しめますね。
ちょっと高級で濃厚な本格派アイスも美味しいですし
コンビニやスーパーでお手軽な値段で食べられる
昔ながらのラクトアイスやアイスキャンディーも美味しいです!
この記念日がなくても買いますが
今日は夕食のデザートは間違いなくアイスで決まりです!
どれにしようかスーパーで悩んできます!(笑

さてさて

本日は「コニカC35」のカメラ修理を行っています。
当店でも修理依頼の多い「じゃーに~コニカ」の愛称でお馴染みの
コンパクトカメラです。
発売開始は1968年です。
ハーフカメラ並みのコンパクトボディに
露出プログラムオートで距離計搭載
操作も簡単でヘキサノン38mmF2.8レンズの写りも秀逸
価格もお手頃、ということで大ヒットしたカメラです。
このカメラ登場後、レンズ一体型のレンズシャッター機の
小型化が一気に進みました。
各社からC35対抗モデルも発売されましたが
それでもC35の大ヒットは止まらず
1980年代までC35シリーズはモデルチェンジされながら
コニカの主力製品となっていきます。
当店で取り扱うのは「C35EF」より前の70年代前半までの
モデルだけですが
それでも現在でも根強い人気があり修理依頼も多いモデルです。
基本的にはそれほどコストの掛けられないクラスのカメラなので
劣化する部品も多くまた新品時から比較的お手頃価格ということで
雑な扱いをされている個体も多く状態は本当に千差万別です。
発売当時は水銀電池だったため
電池入れっぱなしで電池室や配線にダメージを負った個体も
非常に多い印象です。

お預かりしている「C35」も露出計は電池を入れても全く動きません。
電池室を見るとマイナス側の端子はグラグラで
支えている基部が破損していると思われます。
ここは樹脂部品で支えているのでやはり経年劣化で
破損パターンは多いです。ただ構造はシンプルなので
いろいろな手段で修復は可能です。
シャッター羽根はこれも定番でゆっくりとしか動かず
シャッターを切ってしばらくしても羽根は少し開いたままで
忘れた頃に閉じるような状態です。
C35の場合はレンズシャッター機でよくある羽根自体の汚れでの
粘りとかではなく駆動する円盤部の粘りよる動作不良です。
いずれにしても汚れや古い油脂類が原因です。

ファインダーやレンズも汚れやカビがそれなりにあり
大量に貼られたフィルム室のモルトももちろん全滅です。
それでも構造がシンプルでそれなりに丈夫なカメラなので
しっかり整備を行えばまだまだ安心して使える状態になります。
シャッター駆動部や電池室の修復から
これから本格的に整備を行っていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

オリンパスペンFTのカメラ修理

今日は「えんぴつ記念日」だそうです。
1886(明治19)年のこの日に眞崎鉛筆製造所で
日本初の鉛筆の工場生産が始まったことが由来だそうです。
この眞崎鉛筆製造所は、後の三菱鉛筆株式会社なのだそうです。
小学校4年生あたりからいわゆる「シャーペン」が
学校でも主流になってだんだん鉛筆を使わなくなったけど
それまで筆箱に何本もきっちり尖らせた鉛筆を入れてましたねぇ
じいさんがボウリングが大好きで親父がボウリング勤めだったこともあって
家にはボウリング場によくあるケツに消しゴムのついたタイプの
鉛筆がたくさんあったことをよく覚えています。
そして鉛筆が短くなると鉛筆についている消しゴムの枠を使って
短い鉛筆同士を連結してさらに使い込んでいました。懐かしいですねぇ
小学校に入った時に買ってもらった学習机に
電動の鉛筆削り機が内蔵されていてめっちゃ喜んで使っていました。
ただかなり動作音が賑やかだったような覚えが…
今では鉛筆どころか筆記具で字を書くこと自体が激減してしまいました。
たまにはしっかり文字を手書きで書かないと
書けなくなるんじゃなかろうか…と少し心配になります…(笑)

さてさて

本日は「オリンパスペンFT」のカメラ修理を行っています。
孤高の存在ともいえるハーフ判一眼レフ「ペンFシリーズ」の中で
「FT」は1966年に追加となったカメラで
オリジナル「ペンF」をベースにCdS使用のTTL露出計と
セルフタイマーを内蔵したモデルです。
さらに巻上はオリジナルペンFのダブルストロークから
シングルストロークに変更されています。
内部の部品もかなり変更されており
意外な程、ペン「F」との互換性がない構造になっています。
「ペンF」自体が他に類を見ない独特な構造で
より一層の独自性が際立つカメラですが
「FT」の内蔵露出計の構造もそれに合わせるために
かなり変わった構造になっています。
第三反射面となるミラー部をハーフミラーとし
その裏側全面を覆うようにCdSが配置されています。
露出計(電流計)はSS設定ダイヤルと機械的に連動して
電流計の配置角度を物理的に変更するような構造になっていて
露出計指針は「TTLナンバー」と呼ばれるこれまた「FT」独特の
数値を指示しレンズ側で通常の絞り値とは別に刻印された
「TTLナンバー」を合わせることで露出を決定します。
文字で書くとややこしいですが要は通常の絞り値指示の代わりに
「TTLナンバー」を使用するということだけです。
いずれにしても「FT」ならではの機構や機能があって
なかなか興味深いカメラです。

お預かりしている「ペンFT」は巻上レバーは動くものの
手ごたえが戻しのバネの感覚以外全くない状態で
フィルム巻上もシャッターチャージもできない状態です。
何か無理な力を加えて巻き上げてしまったと思われますが
さすがに開けて内部を見ないと状況がよくわからない状態です。
「ペンFT」というと露出計やCdS前面のハーフミラーに
トラブルが多く場合によっては修理不能になることも多いのですが
そちらはあまり問題はないようです。
ただ、電池室からの配線は劣化で断線寸前だったため
こちらも並行して修理整備を行っていきます。

巻上側のインレットがぐらついていたので
「もしかしたら」と思ったのですが
上カバーを外してみるとインレットを留めている2本のネジは
完全に外れて行方不明になっていました。
勝手に外に出ていく隙間はないので
ミラーボックスを降ろしてさらに巻上部を分解してみると
巻上機構の奥で2本のネジが発見できました。
巻上部のギアはかなり激しく損傷しており
これが原因で巻き上げ不能になっているようです。
ここからは予測ですが外れたインレットのネジを噛みこんだ状態で
無理に巻上動作を行ったためギアが破損したと思われます。
インレットのネジもそう簡単に外れるようなものではないのですが
「ペンFT」はシングルストローク化されたため
巻上角がかなり大きくなっており
ストラップをつけた状態で巻き上げるとストラップや
ストラップ金具に巻上レバーが引っかかることが多いのです。
長年のそういったことの積み重ねでインレットのネジが緩んだと思われます。
FTのレバーは本当に三角環やストラップに引っかかりやすく
トラブルを起こしやすいので巻上時には注意が必要です。

巻上部の一部部品は中古部品を使って交換し
正常な動きができるように修理を行います。
同時にペンF系の弱点でもあるミラー駆動部や
ガバナ類の清掃整備も行っていきます。
コンパクトなボディに非常に効率よく
独特な機構が収められていて
他のカメラでは見られない景色の広がる内部機構です。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ワルツエレクトリックのカメラ修理

今日は5月1日ということで
いろいろな記念日が制定されていますが
やはり「令和」改元の日、ですかねぇ
もう丸5年になるのですねぇ…あっという間ですね。
でもいまだに「令和」に馴染みが薄い気がします…
その前の「平成」も30年ありましたから
次第にもっと馴染んでくるのでしょうね!

さてさて

本日は「ワルツエレクトリック」のカメラ修理を行っています。
1950年代にアクセサリーメーカーとして
非常に大手だったワルツのカメラです。
今でも「WALZ」ブランドのフィルターあたりは
見かけることも多いと思います。
詳しい資料がなくてあまり細かいことまではわからないのですが
「エレクトニック」は「WALZ」ブランドとしては最後のカメラで
1960年発売のカメラです。
レンズ固定式レンズシャッターのレンジファインダーカメラで
セレン光電池を使用した露出計を搭載します。
レンズはKOMINAR45mmF1.8の大口径で
シャッターはコパルSVを搭載し
レンズシャッター機ではめずらしい最高速1/1000を搭載します。

お預かりしている「エレクトリック」は
シャッター羽根がかなり粘っていて
シャッターは切れたり切れなかった理を繰り返します。
切れるときも羽根の動きはゆっくりで
様子を観察していると羽根が開いたときに
それまで羽根が重なっていた部分には
べったりと油が付いている様子が確認できます。
当然ながら絞り羽根も動きはしますが粘り気味で
油滲みが確認できます。
いつもレンズシャッター機の修理には書きますが
絞りが粘っている状態で無理に動作させていると
絞り羽根を破損させてしまう状況に陥ることが多いので
注意が必要です。
今回も状態を最低限確認した後は動かさずに分解整備に入ります。
ファインダーもかなり曇っていて見づらいですが
曇っている上に距離計二重像が全く見えません。
見づらいとかいうレベルではなく全く存在が確認できません。
おそらく光路途中のミラーが外れて脱落しているのかと思われます。
いずれにしても普通に使用するためには一通りの整備が必要です。

ファインダー内の二重像を最初に反射するミラーは
単に外れているだけではなく真っ二つに割れている状態で
内部に転がっていました。
当然ながらミラーは交換です。
ファインダー内ハーフミラー等は大きなダメージもなく
通常の清掃で実用上問題ないレベルにクリアにできそうです。
シャッターユニットはもちろん分解して羽根清掃を行った上で
各部の整備調整を行います。
巻き戻しクランクが底部に配置されて独特の構造で
巻き戻し側フォークにリンクしています。
なかなか興味深い構造のカメラです。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ニコンFMのカメラ修理

今日は「昭和の日」で祝日ですね。
いまだに「天皇誕生日」というと4/29をイメージしてしまいます(笑
もともとこの日は昭和天皇の「天皇誕生日」で祝日で
1989(昭和64)年1月7日の昭和天皇崩御の後
「みどりの日」となっていましたが
2007(平成19)年の「国民の祝日に関する法律」(祝日法)の
一部改正により4月29日は「昭和の日」に改称され
「みどりの日」は5月4日となりました。
このあたりがいまだに頭の中でイマイチ整理されてなくて
「みどりの日」がいつだったかわからなくなるのですよねぇ(笑
実際にはこのあたりの祝日は「ゴールデンウイーク」ということで
ひとくくりにされてしまいますし
自分の休みの予定を自分で毛決められるようになってからは
尚のこと、どれがどの祝日かがよくわからなくなってきました(笑
私は生まれたのが昭和44年で昭和を過ごしたのは20年弱
平成はほぼ30年、令和が5年という感じで
一番長く過ごしているのは「平成」なのですが
やはり多感な幼少期から10代を過ごした昭和後期のモノや
出来事がいまだに大きな影響を自分の中に残していると思います。
だんだん記憶も薄れてくるし
あまり古い話を持ち出しても
実感してくれる世代も限られますし
その世代を知らない方にそんな話を持ち出すのは
ナンセンスなことだとも思うので
もうそういうのは自分の中の思い出に
ある程度閉じ込めておかなくてはいけませんねぇ(苦笑
でもGW中に子供の頃からの親友に会うから
古い話や他では通じない話たくさんしてきます(笑

さてさて

本日は「ニコンFM」のカメラ修理を行っています。
1977年発売の中級機クラスのカメラです。
ニコマートFT系の後継機ですね。
このFMや兄弟機で電子制御機の「FE」の登場で
ニッコールレンズのAi化が一気に進みました。
(Ai化対応自体はニコマート時代の末期から行われています)
ニコマート時代に比べるとボディもギュッと締まった感じで
適度にコンパクトにもなり随分洗練された感じがします。
ファインダーも明るくキレの良いものとなり
内臓露出計もLED式に進化しています。
Ai連動レバーは可倒式になっていてこれを倒すことで
非Aiレンズの装着も可能となっています。
ただし絞り情報はボディ側に全く伝達できないので
露出計は開放測光ではなく絞り込み測光となってしまいます。
露出計のLEDは「+〇-」の良く言えばシンプルとも言えますが
どれだけ大きく外れているのかわかりやすいという意味では
従来の指針式にもメリットがあるような気もします。

お預かりしている「FM」は
シャッター羽根の汚れかと思われますが
シャッタスピードが少し不安定な他は一通り動作はしています。
それよりも大きな問題なのは
レンズを固定するピンが完全に固着していて
レンズ脱着ボタンを押し込もうとしても
押し込めないような状態になっています。
当然ながらレンズは全く外れません。
ちょっと珍しいトラブルです。

細かい内容は長くなるので割愛しますが
それなりに苦労しました。
レンズが付いたままなので固着しているピンの根元に
直接アクセスすることが非常に困難でした。
手間がかかるというよりとにかく時間がかかりました(苦笑)
かなりガッチリと固着していたのですね。
結論から言うといろいろ分解しながら
画像の通りレンズの脱着には成功し
固定ピンや脱着機構は整備を行い
固着が再発しないように処置を行っています。
並行してシャッターユニット、ミラー駆動部、巻上機構等の
清掃整備を行い組み上げかけたところで
「そういえば流れで作業にそのまま入ったから
何も使えそうな画像撮ってない…」と気づいて
あわてて撮ったのが上の画像です(苦笑)
これから露出計の調整を行って組み上げれば
一通りの整備は完了です。
FMのLED式露出計は精度の調整を行うのは問題ないのですが
何かしらの電気的トラブルを抱えている場合は
当店では修理不可能と判断せざるを得ない場合が多いです。
もちろん今回は特にそんな問題はございません。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ニコンEMのカメラ修理

今日は「缶ジュース発売記念日」だそうです。
1954(昭和29)年のこの日に
明治製菓株式会社が日本初の缶ジュース
「明治天然オレンジジュース」を発売したことに由来しています。
それまでは瓶詰のジュースが主流だったのですね。
ただしこの「缶詰」のジュースには
現在のように缶を開けるプルトップは付いておらず
缶切りで開ける必要があったのだそうです。
それはかなり不便ですね…
今でも少ないながら瓶のジュースもありますが
私が幼い頃はまだ瓶のジュースの自販機もあちこちにありました。
そしてスーパーカーの絵が裏にプリントされた王冠を
必死になって集めていました(笑
缶ジュースもその頃はプルトップ付きが普通でしたが
今のようにステイオンタブではなく
プルタブが切り離されるタイプでした。
道のあちこちにプルタブが落ちていましたし
砂浜とかでもプルタブがよく埋まっていて
はだしで歩くのは注意が必要な程でした。
プルタブに限らず昔はいろんなゴミが路上に落ちていましたね。
あおから考えると今は路上がキレイです。
昔主流だった250mlの細身の缶ジュースとか
もはや懐かしいですねぇ…

さてさて

本日は「ニコンEM」のカメラ修理を行っています。
1980年発売のカメラです。(一部海外では1979年先行発売)
ニコン初のエントリークラスのカメラです。
それまでのニコン機のイメージとは大きく異なり
プラスチックを多用してコストも抑えたエントリー機で
機能的にも絞り優先オート専用機と割り切ったカメラです。
同時期に開発されたフラッグシップ「F3」と同じく
ジウジアーロが外装デザインを行っており
非常に小型軽量なうえにデザイン的にも洗練された
オシャレな一眼レフです。
この時代、各社から「絞り優先オート専用機」のエントリーモデルが
発売されていたのですが
「EM」は海外では非常に好調なヒット作となりました。
しかしながら国内ではそれまでのニコンの「高級機メーカー」という
イメージにそぐわないモデル…という印象が先行し
国内発売時の売れ行きはそれほどのものではありませんでした。
(それでもエントリークラスのなのでそれなりには売れていますが)
EMの人気が国内で急上昇したのは残念ながら
生産中止された後の中古市場でのことになってしまいました。
今でも根強い人気のあるカメラかと思います。

お預かりしている「EM」はひととおり動作してはいるものの
巻上やシャッターの多少の動作不良の傾向が見られます。
特に気になるのが油切れが原因とみられる
巻上時の異音です。
加えて接点の汚れ等の影響もありオート制御が不安定です。
当店が扱うカメラとしてはかなり新しい部類になりますが
それでも登場から40年以上経過するカメラです。
さすがに駆動部や電気的接点の一通りの整備を行わなければ
安定した動作は望めないかと思われます。

一通りの分解整備をこれから行っていきます。
エントリークラスの電子制御機とはいえ
ニコンらしく整備性は悪くありません。
ただ分解する上でまずは上カバーを外すわけなのですが
ここがEMはなかなか厄介な場合が多いのです。
まず巻き戻しクランクは経年劣化で
プラスチックの巻上クランクが脆くなっていることが多く
力任せに開けようとすると高い確率でクランク基部が破損します。
かなり慎重にアプローチする必要があります。
そして巻上レバー部はレバー抑え部の円盤が
生産時期によって順ネジ逆ネジが混在している上に
留めネジの有無も混在しています。
加えて個体によってはかなり強烈に固着しているものも多く
ここの取り外しに非常に時間と手間がかかります。
今回もここの取り外しに非常に時間がかかりそうなので
先にブログ用の画像を撮っておいてこれから
集中してじっくりと取り掛かります。
画像に写っている定番のAi-S50mmF1.8パンケーキレンズは
もともとピントリングは軽めですが
それにしてもグリス抜けでスカスカになっているので
こちらもボディの後に一通りの清掃整備を行います。

「EM」はコストの制約もあって確かに樹脂部品が脆い部分や
華奢な造りの部分もありますが
電子制御機でも「B」と「M90」は電池ナシでメカニカルで動作し
整備性も使い勝手や使い心地も非常に良いカメラで
ニコンらしさを随所に感じるカメラだと思います。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

キヤノンAE-1のカメラ修理

今日はまたなかなかピンとくる
記念日のない日ですね…
ということで…過去の出来事を調べてみると
1978年4月27日(日本時間)に
日大遠征隊が日本人初の北極点に到達しています。
ここで少し気になったのですが
極点の現地時間ってどうなるの???
で、調べてみると
「現地時間は経度によって、つまり空の太陽の位置にあわせて決められる。
しかしこの方法は、経度の存在しない特異点である北極点および
南極点においては適用することが不可能である。
さらに、北極点には南極点と違い常住人口が存在しない。
そのため、北極点には特定のタイムゾーンが割り当てられていない。
このような理由により、北極点訪問のときには、
訪問者は任意のタイムゾーンを使用することができる。
多くの場合、グリニッジ標準時
または出発国のタイムゾーンを使用するのが一般的である」だそうです。
やはり極点って特殊な場所なのですねぇ
全然北極点とはスケールが全く違いますが
子供の頃に住んでいる町の最北端とか最南端とか
とにかく端っこにやたらと行きたがりましたよねぇ(笑
今でも三浦半島とか房総半島の端っこに行きたがりますものねぇ…
最「〇」端ってワードに弱い傾向があるようです。
まぁでも身近で気軽に行ける範囲しか行こうなんて思いませんが…

さてさて

今日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理を行っています。
「AE-1」の修理整備依頼も比較的多いですね。
やはり相当な数が売れた大ヒット商品なので
現存数も多く、家で眠っていたカメラが「AE-1」なんて
パターンは多いのかもしれません。
当時としては革新的な電子制御カメラです。
「電子制御シャッター機」や「シャッタースピード優先オート」自体は
「AE-1」登場よりももっと以前から存在した機能ですが
世界初のマイクロコンピュータ搭載機で
電子制御技術を一気に身近なものにして
いわゆる普及機クラスに一気に浸透させたのが「AE-1」だと思います。
キヤノンは時代の節目節目にこういう
ブレイクスルー的カメラを登場させることが多いですね。
事実、「AE-1」の登場やそれに続く「Aシリーズ」の各モデル登場により
時代は一気に電子制御機さらにマルチモード機へと進み
低価格化・高機能化についていけなくなった
中堅メーカがいくつも一眼レフの開発製造から撤退することにもなっています。
そういう意味でも「AE-1」の登場は衝撃的だったと思います。

中身を見てみると意外な程にアナログな部分もまだ残っていて
後の「AE-1P」あたりと比べると時代の差をかなり感じます。
電子回路自体はトラブルも少なく
ショック品や水没品、妙な分解品でない限り
それほど致命的なダメージを抱えているものは少ないかと思われます。
それでも今回お預かりの「AE-1」もそうですが
定番のシャッター鳴きや各部駆動部の動作不良は
経年劣化もあり整備の必要な状態です。
今回の「AE-1」はそれに加えてシャッタースピードが非常に不安定です。
高速シャッターだと計測器と測らないとわかりませんが
わかりやすい低速シャッターで切っていても
切るたびに明らかにシャッタスピードが異なるのがわかります。
そしてバルブが全く効かず高速シャッターで切れてしまいます。
後幕制御のマグネットの吸着不良に加え
レリーズ機構に動作不良があるようです。
これも症状で原因はある程度把握できるので
それを踏まえて分解整備を行っていきます。

フレキの扱いもそうですし
気軽に触れてはいけない部分もあるので
やはりそれなりに神経は使うカメラです。
それでもこの類のカメラとしてはかなり整備性は
良好なほうだと思います。
こういうカメラを扱う時はいつも以上に
はんだごての小手先の手入れも入念に行って
素早く最小限でハンダが行える状態で取り掛かります。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

リコーオートハーフSのカメラ修理

今日は「わらびもちの日」だそうですよ。
ワラビの旬が始まるのが4月で
「わらびもち」の特徴の「ぷるぷる」感から
「ぷ(2)る(6)」と読む語呂合わせで
4月26日を記念日としたものだそうです。
軽く冷やして食べると日によっては
暑さも感じるこの季節にちょうど良いですよねぇ
ひんやりぷるぷるした食感がたまりませんねぇ
そんなに無茶苦茶大好物というわけではありませんが
昔から馴染みのある食べ物ですし
見かけると食べたくなってしまいます。
少し調べてみると
「わらびもち」は醍醐天皇(在位:897年から930年)が
好んだとされるほど古くからあるお菓子なのですね!
わらび粉はワラビの地下茎から得られるデンプンですが
高価なので芋、タピオカ、葛(クズ)などの
デンプンを混ぜたものを用いる場合も多いのだそうです。
そんなに高級なものでなくても良いので
ひんやりぷるぷるの食感がやたら味わいたくなってきました。
今日も4月とは思えないほど暑いですものねぇ
近所のスーパーにないかなぁ…あとでちょっと行ってきます!(笑

さてさて

本日は「リコーオートハーフS」のカメラ修理を行っています。
オリンパスペンと並んでハーフカメラを代表するカメラですね。
オートハーフはハーフカメラならではのコンパクトさもさることながら
できる限りの「自動化」を組み込んだカメラでもあります。
とにかく「簡単に撮れること」を追求したカメラなのですね。
露出はセレン光電池を使用する露出計と連動して
プログラムオートとして
ピントは固定焦点でピント合わせも不要
極めつけはゼンマイ仕掛けの自動巻上です。
撮影者が行うことは構図を決めてシャッターボタンを押すだけです。
1960年代に電池を一切使わずにこれだけの機能を搭載しているのは
本当にすごいと思います。
今回お預かりしている「S」はセルフタイマーが装備されているので
「S」なわけですが内部機構もも直され
シャッターボタンがボディ上部に移動しています。
ボディ前面もアルマイト板とされ
このモデルからよくみかける「オートハーフ」の形になっています。
1965年発売です。

お預かりしている「S」はまずシャッターが固着して動作しない状態でした。
それに加えてシャッターが切れないので
試しにセルフタイマーもチャージしたのだと思われますが
そのセルフタイマーも固着してチャージ状態で固まってしまっています。
他、大量にフィルム室裏ブタ部に使用されているモルトは
やはりボロボロに劣化していて
ファインダー、レンズも曇っている状態です。
いずれにしてもそのままでは全く使えない状態で
当店にやってきました。

画像は一通り整備が完了した状態でのモノです。
シャッターは快調に動作するようになり
セレンもしっかり起電して露出計も元気に動作しています。
連動して制御されるプログラムオートも
精度的にも全く問題ない状態になっています。
レンズもファインダーもできる限りの清掃を行い
元々あった多少の細かい傷やわずかなカビ跡はございますが
実際の撮影にはほぼ影響ないレベルです。

レンズシャッター機はもともと非常に小さなバネの力で
シャッター羽根を駆動していて
汚れや油分が羽根や駆動部に付着することで
固着や動作不良が起こりやすいものですが
オートハーフのシャッターは通常のレンズシャッタより
さらに小さな力で繊細な羽根を駆動しているので
ほんのわずかな油分や汚れの付着で簡単にしゃったーが固着します。
登場から60年近く経った状態でそのままで
普通に動くほうがおかしいと思えるほどの
デリケートさを持ち合わせています。
ただし構造自体はシンプルなのでしっかり清掃整備すれば
機械的な動き自体は取り戻せると思います。
ただセレンに関しては状態によってはなかなか難しいモノがありますが…

今回は全く問題なく撮影に使える状態になりました。
これから最終チェックを入念に行って
問題なければ完成となります。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。