日別アーカイブ: 2017年10月1日

オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「日本酒の日」ですよ!
日本酒もピンからキリまでありますが
食事のお供として飲むなら
香りも控えめで飲みやすい純米酒が個人的には好きです。
逆にあくまでもお酒がメインなら
香りの芳醇な大吟醸がやっぱり良いですよねぇ~
なかなか飲む機会もございませんが。。。。(笑)
一時期に比べると日本酒離れは収まった感もしますが
もっともっと日本酒の人気が出れば嬉しいです。
ワインも確かにいいですが日本酒も美味しいですよ!

さてさて

今日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
それまでの「大きく重い」一眼レフの常識を覆した
オリンパス渾身の傑作カメラですね!
やはりこ軽量コンパクトさはいつの時代でも支持されるようで
現在でも根強い人気を持つカメラでもあります。
発売開始は1972年で当初のモデル名は「M-1」で
翌73年に「OM-1」と改名されました。
当時のライバル機としてはニコンはF2及びニコマート
キヤノンはF-1、FTb、ペンタックスはSPF
ミノルタはX-1、SRTスーパーといったところでしょうか。。。
確かに他メーカーはどれも大きく重いですね。

今回、お預かりしたOM-1は
ご依頼者様のお母様のカメラとのことです。
ご依頼者様が子供の頃の写真をこのOMで撮られたということですね。
しかしながら使われなくなって随分経過するとのことで
現状のチェックと点検整備一式をということで
お預かりしました。
シャッターは動作していますが先幕の動きが随分悪く
1/1000では最初の1/4くらいしか開きません。
写真の3/4が真っ黒になる状態です。
露出計も動作はしてますが随分アンダー目に振れています。。。
と思ったらそれ以上にかなり不安定で
時折完全にダウンしてしまいます。
電池室は問題なさそうなので原因は開けてみないとわかりません。

今回は定番のプリズム腐食はなかったのですが
上カバーを開けてみると接眼レンズとプリズムの間に
腐食でボロボロになったモルトが貼りついていました。
「よくこの状態でプリズム腐食していないなぁ」と重いつつ
慎重にボロボロになったモルトを剥がしていくと
(無造作に剥がすとモルトと一緒に蒸着が剥がれる事があります)
今回はめずらしくプリズムの塗装面にも全く
腐食が見られませんでした。おそらく当時のままだと思われるのですが
これはめずらしいパターンですね。

で、メーターの不安定な要因ですが。。。
どうやらSSリングを動かしていて
あるSSになるとメーターの針がダウンするようです。
他のカメラだとSSリングに連動する摺動抵抗劣化。。。というパターンですが
OM-1の場合、摺動抵抗等を使って
電気的に針を動かしているわけでなく
レンズ絞りやSSリングから連動糸を使って
露出計全体を回転させてファインダー内で針が動いているように
見せている。。。という作りになっています。
ということはあるSSの位置のときに
断線状態になっていると予想されます。
メーターに直付けされているマイナス側のリード線に問題はないようです。
プラス(アース側)何か問題がありそうだな。。。と
メーター周りをよくよくチェックしてみると。。。
メーターはネジ3本でプラスチックの台座に固定されているのですが
プラスチックが劣化しているため、ネジがわずかに緩んでいました。
このためメーターのアース側が接触不良を起こしていることが原因でした。
OM-1はメーター、プリズム、SW、接眼レンズを支えている台座が
プラスチックで、経年劣化で脆くなっているものが多いです。
補強をしてしっかりメーターを固定して対処しました。

メーターの件は無事に解決したので
他箇所の各部点検整備を順次行っていきます。
さすがに40年以上経過している精密機器なので
いろいろな問題が起きますね。

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