日別アーカイブ: 2019年3月24日

キヤノンAE-1のカメラ修理

今日はこれといった記念日がないのですが。。。
1983年のこの日に「中国自動車道」が全線開通していますね。
(当時は呼び名も中国縦貫道だったかな)
私は広島県出身なので、これはよく覚えています。
当時は県内唯一で最初の高速道路じゃなかったかな。。。
とはいえ、山陽山陰両側からのアクセスを考慮して
中国山地に沿って走る中国道は
山陽側を走る山陽道ができてからはすっかり影が薄くなってしまいました。
山陽道や広島北ジャンクションができるまでは
私の住んでいた呉から最寄のインターは中国道三次インターですが
そこまで2時間は確実にかかったと思います。
でも効率よく直線で最短距離を結ぶ山陽道に比べて
中国山地を縫うように走る中国道は
変化に富んでいて退屈しないのですよね。。。渋滞も少ないし。。。
。。。と考えているとたまには高速使って
遠出したくなってきました。。。今はクルマもバイクもないのですが。。。(苦笑)

さてさて

本日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理を行っています。
1976年の発売で
本格的「AE(自動露出)」時代の
扉を開けたカメラと言って良いと思います。
それまでもSS優先・絞り優先・プログラムAE機は
もちろんそれぞれ存在していましたが
世界初のマイクロコンピュータ搭載機で
徹底的な効率化と部品削減を行い
お求め易く使いやすい一眼レフとして大ヒットしました。
一世を風靡した「キヤノンAシリーズ」最初のカメラでもあり
この後に出てくるAシリーズ機は
基本的に「AE-1」がベースとなっています。

最初に言っておくと今回のAE-1は苦労しました。。。
定番のシャッター鳴きとか
高速シャッターの精度不良とか
いつものトラブルはもちろんあったのですが
シャッターがたまに開きっぱなしになると
いうトラブルを抱えていました。
お預かりした時点では
たまに開きっぱなしになる。。くらいの頻度だったのですが
現状をチェックしているうちに
もはやシャッターは全く閉じなくなってしまいました。
底部から強制的にマグネットを操作すると
普通に切れるのでやはり後幕側のマグネット制御に
問題があるようです。
加えてオート・露出計は動作はしているものの
3段以上オーバーと言った状況です。

このAE-1、巻上レバー部化粧蓋のカニ目に
キズがついていたので過去に開けられているのは
間違いないな。。。とは思っていたのですが
上カバーを外してみるとプリズムを降ろした形跡もあり
ハンダ付けの状況を見ても
フレキを一度外しているものと思われます。
その上、細かい部品やネジが一部欠落している箇所もあり
おそらくあまり詳しくない方が一度分解していると思われます。
こうなると何が起こっているか本当に予想がつきません。。。

一番恐れていたのはフレキが一部切れていたりすることだったのですが
入念にフレキをチェックしたところ、それは大丈夫でした。
原因を探すのに実は相当時間がかかったのですが
シャッターが開きっぱなしになる原因は
巻上レバー下部のフレキ接続部の接触不良でした。
きちんとハンダで繋がっていなかったわけです。
なにはともあれ原因がはっきりしてよかった。。。
電子制御機の常で露出計やオート精度は
機械部分がきちんと動作していることを前提として
基板上の半固定抵抗で調整を行いますが
ここもかなりいじられた形跡がありました。
だからおかしな精度になっているわけですね。
AE-1はまだシンプルなほうなので良いのですが
それでも正しい設定を見つけなおすには結構な手間がかかりました。

そんな感じでやっとこさ、普通に正しく動作する状態になったと思います。
しばらく様子見を行ってから最終チェックをして完成です。

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