今夜は八月十五夜(旧暦8月15日)で
「中秋の名月」ですね。
残念ながら曇り空で夜になっても
月は見られないかもしれないですが
曇りで月が見えない場合は「無月」
雨が降っていれば「雨月」と呼び
月が見えなくても何となく明るい様子を表す言葉もあるのですね。
旧暦は月の満ち欠けを暦にしたものですが
月の満ち欠けの周期は約29.5日のため
旧暦15日は必ずも満月にはなりません。
今年も十六夜の明日が満月となりますね。
もう少し季節が進むともっと月がキレイに見えそうですね。
来月の九月十三夜にも期待しましょう
八月十五夜の月に対して九月十三夜の月は
「後の月」とされ江戸時代の遊里では
どちらか片方の月しかみない客は
「片月見」と呼ばれ縁起が悪いとされたそうです。
十五夜に遊んだ客は翌月の十三夜も
遊びに行かなくてはならいのですね(笑)
さてさて
本日は「ニコンF2フォトミック」のカメラ修理を行っています。
名機「F2」に露出計内蔵の「フォトミックファインダー」を搭載したカメラです。
ニコンF一桁機は伝統的にファインダー交換式となっていますが
(F6を除く)
F2のフォトミックファインダーも4種類が存在します。
今回は一番最初に発売された「フォトミック」(無印)です。
LED搭載の「S」や「SB」は修理不能なことも多いです。
Ai化された「A」や「AS」も良いのですが
レンズに刻印された絞り値を直読する「A」や「AS」より
爪連動でファインダー内で絞り値を読む無印フォトミックの方が
絞り値は読みやすいですね。
露出計の有無も大きな要素ですが
フォトミックファインダーを組み合わせると
ファインダー内でSSと絞り値が読めることが便利かな。。。と
個人的には思います。
お預かりしている「F2フォトミック」は
先幕・後幕の幕速バランスが崩れていて
1/2000だとシャッターの走り終わり付近でほぼ閉じてしまっています。
このまま撮影すると写真の端が黒くなってしまうと思います。
1/1000でも同じような状況で
1/500だと何とか全体が写りそうですが露光ムラが出ると思われます。
整備前にもう一度、シャッターをチェックしてみると
高速シャッターでは気がつきませんでしたが
例えばバルブでシャッターを動作すると
レリーズボタンを押してまず先幕を走らせると
視野の端に先幕のシャッター幕の金具が少し出たままになってしまいます。
後幕が走りきったタイミングで一緒に引っ込むようですが
かなり幕軸の動きが悪いようです。
加えてF2お約束の電池室マイナス端子を留めている部分が
折れてしまっていて端子がグラグラです。
露出計は当然動きません。
これも露出計不動の原因ではあるのですが
今回はそれだけに留まらず露出計内部にも断線があるようで
フォトミックファインダーに直接電圧をかけても
露出計は全く動きません。
ボディ側の修理・整備は一通り完了し
ファインダーの整備・修理に取り掛かるところです。
ボディ側の電源供給やシャッターの不具合は
問題なく修理され快調に動作しています。
ファインダー内露出計不動の原因は接点の接触不良のようです。
露出計の精度やリング状の摺導抵抗の劣化に関しては
できる限りの整備・調整となりますが
これから本格的に取り掛かっていきます。
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