日別アーカイブ: 2019年11月14日

アイレスオートマットのカメラ修理

今日は「アンチエイジングの日」だそうですよ。
うーん、寄る年並みには無理に抵抗せず
受け入れるしかないとは思いますが。。。(苦笑)
勝手な個人的解釈ですが
そもそも自然界における人間の寿命。。。というか
耐用年数って50年程度だと思うのですね。
だから、それ以降はあちこち一気に衰え始めて当たり前かな。。。と
私も50歳になりましたが
ここから先は細々と他人に迷惑かけないように
ゆるりと楽しんで生きたいと思います(苦笑)

さてさて

本日は「アイレスオートマット」のカメラ修理を行っています。
少し前に「アイレスフレックスU型」の修理を行いましたが
今回の「アイレスオートマット」もその仲間です。
何故か「アイレスフレックスオートマット」ではなく
「アイレスオートマット」なのですね。長すぎると思ったのかな。。。
1954年の発売です。
オートマットとモデル名にありますが
正確に言うとスタートマーク合わせ式の「セミオートマット」です。
クランク型の巻上を採用しセルフコッキングとなっています。
操作性は非常に進化しています。
さらにレンズは日本光学のニッコールQ7.5cmF3.5を搭載し
(オリンパスズイコーレンズ搭載のものも存在します)
シャッターユニットは当時最高級のセイコーシャラピッドです。
シャッタースピード最高速は1/500です。
毎度のように書きますが
当時のセイコーシャのシャッターは1/500を強力な別バネを
使用して実現しているので
1/500使用時には先に1/500にセットしてからチャージします。
チャージしてから1/500にセットしようとしても
強力な別バネが邪魔となりセットできません。
(できなくはないのですがめちゃくちゃ重い上に
各部にかなり負担がかかるのでやめましょう)
ラピッドだけではなくMXでも同様です。
機能的にも採用されているシャッターやレンズにしても
当時の最高級を集めた1台ですね。
ニッコールレンズ搭載のため中古市場で現在でも人気の高いカメラです。
二眼レフでニッコールレンズを搭載しているのはアイレスのみです。
アイレスフレックスに搭載されるレンズは
初期は自社製のエクセルシオで
途中からニッコールやズイコーレンズ搭載となり
昭和光機を傘下に入れてからは昭和光機のコーラルも使用するようになりました。

お預かりしている「アイレスオートマット」は
レンズの左右に配置されているシャッタースピードレバー
絞りレバーが全く動きません。
加えてレリーズボタンが時々押せなくなる不具合も発生しています。
シャッターユニット内にも不具合があるようで
シャッターそのものの動作にも問題があります。
レバー類不動の原因は単純な固着でしたが
シャッターユニット内の部品は一部破損しており
それを無理矢理接着して直そうとした形跡があるのですが
どちらにしても破損部分は欠落しており
用をなしてない状態でした。
異なるカメラのセイコーシャラピッドから部品を移植して今回は対応しました。
レリーズボタンの不具合は巻上軸のカシメが効いていないことが原因のようです。
カシメし直しが不可能な箇所だったためネジ等で
固定してなおして問題をクリアしています。

最大の魅力でもあるニッコールレンズは清掃を行い
非常にクリアな状態になりました。
外装の貼り革も一部交換したので
見た目にも見違えるほどになったと思います。
もちろん二眼レフでは定番のファインダーミラーも交換しています。
非常に気持ちよく使っていただける状態になったと思います。

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