日別アーカイブ: 2019年11月21日

キヤノンFXのカメラ修理

今日は「カキフライの日」だそうですよ
いよいよ牡蠣のシーズンですねぇ~
春から夏が旬のイワガキも美味しいですが
やはりこれからの季節のマガキですよねぇ
私は出身が広島の呉市なので
牡蠣は非常に身近な存在で
冬の食卓には牡蠣が出てくることも非常に多かったです。
中学生の頃には仲の良い友達と
その辺の汚い岩場に張り付いている牡蠣を何とか剥がして
工事現場に落ちていた鉄板で焼いて食べたこともありました。
今、考えるとよくおなか壊さなかったな。。。(苦笑)
熱々のカキフライ食べたいですねぇ。。。
焼き牡蠣もいいなぁ。。。やっぱり辛口の日本酒が合うだろうなぁ。。。(笑)

さてさて

本日はキヤノンFXのカメラ修理を行っています。
FXはキヤノンFLマウントの初代機になるモデルです。
すなわちキヤノンFシリーズの最初のモデルということでもあります。
それまでのキヤノンRマウントは凝った造りでしたが
商業的には大成功とまでは言えず
やはり一眼レフの世界では他メーカーに立ち遅れた感がありました。
Fシリーズはそれまでの遅れを一気に取り戻す
使命を持って誕生したわけですね。
FLマウントはRシリーズと同様にスピゴット式とバヨネット式を融合した構造で
基本的な寸法自体は後のFDマウントと同様です。
(FDマウントは開放測光対応、NewFDはバヨネット式)
シャッターは横走り布幕式で最高速は1/1000
外光式の露出計を備えます。
発売開始は1964年です。

お預かりしているFXはまずプリズムが盛大に腐食してます。
最初は縦方向の細い筋状だったものと思われますが
それが拡がっていった状態で視野の中心のほとんどが
腐食で何も見えない状態です。
プリズムは交換で対処するしかありませんが
FX及びFPのプリズムは
腐食のないものの入手が年々厳しくなっている状況です。
シャッタースピードは高速側は軸の油切れのため
全く精度が出ておらず低速側はガバナの粘りのため
こちらも全く正しい精度が出ていません。
露出計は何とか反応しますが非常に不安定です。
今回のFXは元々ご依頼者さまのおじいさまが使われていた
カメラとのことですが
経年劣化による動作不良や接点の汚れ等による不具合が中心で
基本的には非常に大切に使われていたカメラだと思われます。
しっかり整備・清掃を行うことで今でも十分に使えるようになります。

写真でも大きな帯状のプリズム腐食が確認できます。
プリズムはもちろん交換ですが
コンデンサレンズ(プリズムとスクリーンの間にある
集光用のレンズ)も清掃でどうにもならないクモリが酷く
こちらも中古良品と交換します。
整備前のシャッター音は耳障りな高音の混じった
明らかに油切れのシャッター音でしたが
整備後はキヤノンらしい非常に歯切れの良い音に戻りました。
露出計も本来の精度を取り戻すことができました。
ご依頼者さまにも快適に使っていただけそうです。

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