日別アーカイブ: 2020年5月14日

オリンパス35DCのカメラ修理

今日は「碁石の日」なのだそうです。
じいさんがちゃんとした碁盤と碁石を持っていて
私は全く囲碁はわからないのですが
小学校低学年の頃に毎日のように
「五目並べ」をやっていました。
手加減してくれているのだろうけど
なかなか勝てなくて毎日苦戦していました。
ちゃんとしたルールがあるのかどうかわからないのですが
3以上並んだとき(3の場合は両端に相手の石がないとき
4のときは片端に相手の石がある場合でも)は声に出して宣言します。
例えば自分が石を置くことで3つ並ぶなら「3!」
同時に4と3が並ぶなら「4・3(しさん)」とか。。。
でも同時に3が二つ並ぶ「3・3(さんさん)」は
ルール違反でそこに置いてはいけないというルールでした
何だか懐かしいなぁ(笑)
碁笥(ごけ)の中に入っている碁石って独特のにおいがして
それも何とも好きだったのですよねぇ。。。

さてさて

本日は「オリンパス35DC」のカメラ修理を行っています。
いろいろなモデルが存在する「オリンパス35シリーズ」の一員ですが
現存数も多く非常に人気のあるカメラです。
昨日の「トリップ35」も同じく「オリンパス35シリーズ」ですが
全くスペックも性格も異なるカメラです。
まずレンズはFズイコー40mmF1.7の大口径を搭載します。
これだけの大口径であれば
「積極的に絞りを開いてボケを楽しみたい!」と考えがちですが
35DCの場合は絞りとSSの組み合わせが決まってしまっている
プログラムシャッター(絞り機構はシャッター羽根が兼用して行う)上に
プログラム露出専用機のため絞りのコントロールはほぼできません。
この時代のレンズ固定カメラで大口径レンズ搭載のものは
「ボケを楽しむため」ではなくて
「光量の少ない場面でも何とか撮影ができるために」という理由が
主だと思います。
フィルム感度がASA100(ISO100)が主流の時代ですし。。。
。。。とはいえ絞りのコントロールはできなくても
35DCのレンズは非常に写りの評価の高いレンズです。
しっかりと距離計も装備しますので
キリっとした描写を楽しんでいただければと思います。
露出計指針挟み込み式のプログラウAE機で
光量不足の場合はシャッターロックがかかるため
露出計が動作していないとシャッターが切れません。
シャッターそのものは機械制御で電気を必要としませんが
実際に撮影を行うには電池が必須です。

35DCはその露出計周りにトラブルが起こることも多いのですが
今回お預かりしている35DCも受付時には
電池を入れても露出計が動作していませんでした。
で、作業前に再度確認してみると。。
不思議なことに動いていますねぇ(苦笑)
受付時に何か勘違いしたかな。。。と思い
いろいろ現状チェックしていると
何かのはずみでまた全く動かなくなりました。。。
電池室からの配線が不良で接触が悪いものと予想されます。
今回はそれよりも問題なのは
フィルム感度リングがASA100から全く動きません。
これ、35DCに非常に多いトラブルです。

左端に写っているのが感度リングで
そんぼ感度リングを支えているのが
その隣の銀リングの内側に置いていある3本のスタッドです。
このスタッドの皿状部分を感度リングが回るのですが
落下等で鏡胴先端に力が加わったときに
感度リングがスタッドに食い込んで変形し
そこから動かなくなってしまうのです。

写真ではわかりにくいですが
今回も感度リングがスタッドの皿の形に
しっかり凹んでいます。(写真中央少々上部分)
たったこれだけで完全にリングは動かなくなります。
中古良品のリングと交換するしかないのですが
当店の部品取りの35DCは全て既にリングが使われていました。
新たに探してこなくては。。。(汗)
面でしっかり支える構造ならこんなことにはならないのですが
なぜに35DCだけがこの構造に。。。(苦笑)

良品の感度リングは明日には届くように
手配ができたのでそれ以外の部分を先に整備しておきます。
今回は革張替えのご依頼もお受けしているので
その段取りも同時に行っていきます。

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