日別アーカイブ: 2021年2月7日

ペンタックスMEスーパーのカメラ修理

今日はなかなかコメントしやすい記念日がないので
何か過去に起こったことの中から…と
少し調べてみると…
1979年2月7日に冥王星が1930年に発見されて以来初めて
その軌道が海王星の内側に入ったのですね。
このとき私、10歳になる直前でしたけど
よく覚えていますよ。
それまで太陽系の惑星は太陽に近い順から
「すいきんちかもくどってんかいめい」だったのが
「すいきんちかもくどってんめいかい」になってしまったのです。
小学生に私にもちょっとした事件でした(笑
冥王星は他の惑星に比べても極端な楕円軌道かつ公転面も大きく傾いていて
250年で太陽の周りを1周する間のおよそ20年間は
その軌道が海王星の内側に入り込んでいます。
なので1999年2月9日は再び冥王星のほうが
海王星より太陽より遠くなってしまっています。
ちょうどその頃から「冥王星は惑星というくくりでいいのか?」なんて
議論が始まり21世紀になると冥王星と同じような天体が
数多く発見されその中には冥王星より大きな星もありました。
結局2006年に冥王星はいわゆる「惑星」という括りから外れ
「準惑星」という区分に属する天体となりました。
冥王星が海王星より内側になって
これから20年は「めいかい」なんだなぁ。。。と
当時子供心に思っていて
20年後なんて遠い未来だなぁと思っていたのですが
とっくにそんな時間は過ぎて「かいめい」に戻ってからも
既に20年が経ってしまいました(汗)
そりゃ私も人生終わりかけの時期になるよなぁ(苦笑)

さてさて

本日は「ペンタックスMEスーパー」のカメラ修理を行っています。
「MX」以外のすべての「Mシリーズ」の基本となっている
「ME」にマニュアル露出モードを追加し
シャッターユニットも小変更し最高速1/2000が与えられたカメラです。
個人的にはMシリーズ最強のカメラだと思っています。
少しだけいいがかりをつけるとしたら(笑
プッシュボタン式のシャッター速度設定は
好みの分かれるところかもしれません。
しかしながらペンタックスはこのプッシュボタン式のSS設定を
後のAシリーズや中判の645シリーズにも継承します。
。。。ということは十分に使いやすく
支持されていたということですね。要は慣れの問題ですかね。
その部分はさておき
十分に小さく軽量なボディに1/2000シャッターで
マニュアル可能、さらに新規採用された
クリアーブライトマットスクリーンは非常に明るく
ピントの山も掴みやすい優れたファインダーを作り出しました。
巻上の感触も縦走り機としては非常に高い質感で
使っていて気持ちよいカメラだと思います。

ただ、ベースがMEということで
MEスーパーもME同様、
定番の「ミラーアップしたまま固着」というトラブルが起こります。
先日のSRTスーパーや同じペンタックスでもSPやMXのような横走り機の
ミラーアップトラブルはミラーアップしても
巻上てシャッターを切ることはできる場合も多いのですが
ME系の場合はミラーアップしてしまうと
巻上もできないパターンがほとんどです。
今回お預かりのMEスーパーもミラーアップしたまま
もはや何もできない状態です。
電源は入るのかオート・SSは制御できるのかも全くわかりません。
まずはこのミラーアップを何とかするしかない状態です。
過去のブログでも何度も書きましたが
ME系のミラーアップの原因はミラー駆動部に使われている
ゴムブッシュの劣化・変質による動作不良が原因です。
ブッシュは最大3ヶ所に使われています。
(生産時期により2ヶ所の場合や
そもそも対策済みでゴムブッシュが使われていない個体もあります)
そのトラブルの症状もミラーアップだけでなく
ミラーチャージができず巻上が滑るような感じになったり
巻き上げた瞬間にシャッターが切れてしまうような状態になったりと
いろいろな形のトラブルを引き起こします。
ゴム系の部品や加水分解を起こすモルトを使うのは
ある意味致し方ないとは思いますが
その場合はやはり定期的に交換や整備が必要ということですね。

おそらくかなり長い時間動かされることもなく
眠っていた個体かと思われます。
先述したようにまずはミラーアップを何とかしないと
他にトラブルを抱えているのかどうかも判断できない状態です。
画像は分解前でちょっとわかりにくいですが
ミラーアップしているのでレンズも絞り込んだ状態になっています。
この装着されている50mmF1.7レンズも問題が合って
後玉ユニット内でコーティングの変質による
激しいクモリが発生していてとても清掃では改善できない状態です。
他の程度の良いレンズから後玉ユニットをごっそり移植するか
どうするかを思案中です。
どちらも部品取りの確保に苦労するものではないので
少々何が起きても修理不能ということはないとは思います。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
まずはボディ側からです、
あまり厄介なことが追加で起こっていなければ良いのですが…

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