日別アーカイブ: 2021年10月31日

ペンタックスSPFのカメラ修理

今日は「ハロウィン」ですねぇ
…とはいっても私の世代だとあまり馴染みがないのですよねぇ
いつのまにかこんなに全国的な行事になったのか…
私が子供の頃に「クリスマスだー」ってはしゃいでいる姿を
見ているじいさんばあさんの心境がこんな感じだったのかな(笑
まぁ、私は家族がいないので
なおさら近年盛り上がってきたハロウィンには縁がないですね
ハロウィンといえば昔聴いていたパワーメタル系のバンドしか
思い浮かびません(笑
起源はアメリカかと思いきや
もともと古代ヨーロッパの原住民ケルト族のお祭りなのですね
アイルランドの古代ケルト暦では大晦日にあたり
死者の霊が家に戻ってくる日で
ほうきに乗った魔女が黒猫を連れてやって来て
悪さをする日と言われていたそうです。
子どもたちが色々な仮装をして戸口で
「トリック・オア・トリート」
(Trick or treat. 「お菓子をくれなきゃ悪戯するよ」)と
脅すのもケルト族の言い伝えからなのだそうです。
そっか。。。日本で言うと「お盆」みたいなもの???
「ハロウィン」はキリスト教の祭りではないですが
11月1日に行われるカトリック教会の聖人の祝日「諸聖人の日」
(古くは「万聖節」)の前夜祭ともされています。
「ハロウィン」の語源は、「諸聖人の日」前晩にあたることから
「諸聖人の日」の英語での旧称「All Hallows」の「eve(前夜)」、
「Hallows eve」が訛って「Halloween」と呼ばれるようになったとされています。
日本ではネズミーランドが最初にイベントを初めて
10数年前からお菓子メーカーがそれに乗っかってきて
結構な広がりと盛り上がりを見せているのだそうです。
国内での起源はやっぱりクリスマスやバレンタインと
同じようなものですね(苦笑)

さてさて

本日は「ペンタックスSPF」のカメラ修理を行っています。
1973年発売開始のカメラです。
大ヒットした「SP」の本体のマウント内径部のねじの奥端1mm部に
対応レンズ用の回転式絞り値伝達レバーを設け
また対応レンズ側に”定点”を設け
ボディ側に設けられた定点受けの可動によって位相を検出し
絞り値の正確な伝達を可能としています。
その新機能対応レンズ群がSMCタクマーレンズとなります。
要はユニバーサルマウントであるM42マウントに
独自の絞り伝達機能を追加して開放測光に対応できるようにしたモデルです。
その際にこれまで露出計SWも兼ねていた絞込SWから
露出計on/off機能を取り外し
フォトスイッチと呼ばれる感光すると
自動的に露出計のスイッチが入る
TTL式自動スイッチによる測光機構を装備しています。
それ以外の構造はホットシューになったことくらいで
ほぼSPまんまであり
SPを開放測光対応に変更したモデルともいえます。
それだけ基本となるSPの設計は優れていたということでしょうね
SPFはマウントが「Kマウント」の変更された
次期「Kシリーズ」でもマウント変更以外は
ほぼSPFまんまともいえる「KM」をラインナップしており
やはり基本設計がよく使いやすい優良なカメラであることがうかがえます。

お預かりしているSPFは外装もフィルム室も状態の良い個体です。
ファインダースクリーンも妙にキレイなので
過去に手を入れられたことのある個体だと思われます。
その際に電池室内にかなり腐食があったらしく
その対処を行った形跡も見られるのですが
さらにそこから年月が経ち電池室マイナス側の端子は
すっかり朽ちており、電気を通さない状態になっています。
そのため露出計が動きません。
おそらく内部の配線も腐食していると思われます。
SP系といえばプリズムにぐるりと巻かれたモルトによる
プリズム腐食が定番なのいですが
今回の個体はその部分には対処がしてあるのですが
なぜかプリズムカバー内部に緩衝材としてのモルトを
3か所追加しており、これが原因で通常とは異なる箇所の
プリズム腐食が起きてしまっています。
うーん…正直もったいない…なぜここにモルト追加したのか???
結局、プリズム交換が必要となってしまいました。
他、シャッタスピードが軸の油切れで不安定になってきているので
その辺りも含めて一通りの整備を行います。


機械的な構造はほぼSPなのですが
露出計関係が全く別物で
配線の数もSPに比べると非常に多くなっています。
基板も複雑なものに変更されていますが
やはり全く違うのはマウント周りで
従来はここに電気的なものは何もなかったのですが
絞り連動の大きな摺動抵抗も追加され
そこから配線も追懐されています。
前板はSPなら何も考えずに簡単に外せたのですが
SPFは配線の処理も考えて外していくことになります。

電池室の端子は当然ですがやはり配線もダメですね
腐食が基板側のハンダにまで達していいます。
まずは機械的部分の整備を行って
それから再組立てしながら電気的な処理と調整を行っていきます。

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