日別アーカイブ: 2022年7月8日

コニカパールⅢのカメラ修理

今日は「防犯カメラの日」だそうですよ。
日付は「な(7)くなれ犯(8)罪」と読む語呂合わせからだそうです。
今やいたるところで防犯カメラは設置されていますね。
幹線道路やコンビニ、大きなマンションのエントランスとかは
まぁ当たり前に設置されているでしょうが
そんなにそころらへんに普通にあるのかな…と思うことがあって
ウォーキング中に気にして周りを見ながら
歩いたことがあるのですが
意外といたるところにありますねぇ
全部が全部稼働しているカメラではないかもしれませんが
思った以上にあって驚いたというのが正直な感想です。
犯罪抑止力という意味では有効だと思いますし
もし何か事故等があったときでも
何があって事故が起きたかも
しっかり記録できていることはいいことでしょうね
そういった意味ではドライブレコーダーも同じようなものですねぇ
今やクルマもバイクもついていないと
何かあったときに不安…と思ってしまいすよねぇ
後ろから突っ込まれたりしたら
何が起こったかわからないうちに
事故に巻き込まれることもあるでしょうし…
過失がないことの証明にもなるでしょうし…
それもこれも映像記録カメラがコンパクトにできて
容量も確保できているからこそできることですね
やぱり技術の進歩はすごいですよねぇ

さてさて

本日は「コニカパールⅢ」のカメラ修理を行っています。
6×4.5判のいわゆるスプリングカメラです。
1940年代から1950年代にかけては
このタイプのカメラが多かった時代です。
パールシリーズは645判ですが
同様にブローニーフィルム使用で6x6判のカメラも
各メーカーからいろいろなものが発売されています。
パールシリーズは645判ということもあり
中判カメラとしては非常にコンパクトで
そのうえレンズをたたむとさらにコンパクトになり
持ち歩きに非常に便利なカメラです。
セミパールの名で戦前から始まったシリーズで
その後、パールⅠ、Ⅱ、Ⅲとモデルチェンジされていきます。
現在でも人気が高いのはセミオートマットとなり
自動巻き止めとなった「Ⅲ」かと思います。
1955年に発売されますが
「パールⅢ」にも搭載されるシャッターユニットの違い等で
いくつかの種類が存在します。
今回はシャッターに当時の最高級シャッターユニット
セイコーシャMXLを搭載する「パールⅢL」となります。
(1957年発売)
MXLなので露出設定はいわゆるライトバリュー式です。
慣れていないとシャッターや絞りの設定に
少々戸惑うかもしれません。

お預かりしている「パールⅢ」は
全体的には一通り動作してはいるのですが
距離計二重像にズレがあるようです。
加えてシャッター羽根や絞り羽根には
少々油滲みが見られます。
シャッターや絞りは目に見えて
粘っているわけではありませんが
粘り始めると特に絞り羽根は破損するリスクを
抱えてしまいますので
今回、しっかり分解して羽根を洗浄していきます。
もちろんその際にシャッターユニットの整備
レンズ清掃、ピント調整、距離計調整、ファインダー清掃
一通りの整備を行っていきます。

レトロで質感高く、コンパクトで使いやすい
ヘキサーレンズの写りも秀逸…
人気がある要因はよくわかりますね。
画像は一通り整備が完了した状態です。
少し馴染むまで様子見をしている段階です。
この後で最終チェックを行い問題なければ完成となります。
今回は問題ないのですが
このタイプのカメラの問い合わせで
蛇腹の破れや穴の修復についての相談をたまにいただきます。
残念ながら当店では蛇腹の補修・交換は行っておりません。
一見大丈夫そうに見えても劣化等で
蛇腹がダメな場合が多いので
このタイプのカメラを預かるときは
まずそこを重点的に確認します。

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