日別アーカイブ: 2022年8月24日

ミノルタX-7のカメラ修理

今日は「愛酒の日」だそうですよ。
酒をこよなく愛した歌人・若山牧水の
誕生日であることに由来しています。
牧水さん、一日一升程度の酒を呑んでいたといい
やはりというかなんというか
死の大きな要因となったのは肝硬変だったそうです。
夏の暑い盛りに死亡したのにもかかわらず
死後しばらく経っても死体から腐臭がしなかったため
「生きたままアルコール漬けになったのでは」と
医師を驚嘆させたとの逸話があるそうです。
私もお酒は種類に関わらず好きなので
気持ちはわからんでもないですが
やはりお酒の量はほどほどにしないといけませんねぇ
…というか私、ここ数年で
めっきり飲める量が減ってしまって
少し飲むと眠くてたまらなくなるし
自宅でいつでも寝られる体制で安心して
少し多めに飲むと確実に二日酔いで翌日に影響が出るのですよねぇ
いい酒とそれに合う上質な肴を少々…くらいでいいようです
ある意味上品でいいかもしれません(苦笑)
まぁ、いろいろと衰えて無茶できなくなりました…
何だか寂しいですねぇ

さてさて

本日は宮崎美子さんのあのCMでお馴染みの
「ミノルタX-7」のカメラ修理を行っています。
1980年のカメラです。
絞り優先オート露出専用のエントリーモデルです。
この時代は物品税の関係もあって
絞り優先オート専用・価格4万円というカメラが各社から出ていて
熾烈な販売競争を繰り広げていました。
ニコンEM、ペンタックスAV-1及びMG、オリンパスON10あたりですね。
各モデルともにテレビCMもバンバン流れてて
そのCMがX-7は宮崎美子さん、OM10が大場久美子さん
ペンタックスMGが歌手デビュー前の早見優さんでしたねぇ
何とも懐かしい。。。(笑
販売ボリューム的にも重要なクラスなので
コストカットも効率化も進んでいますが
カメラとしても非常に使いやすく優れたモデルばかりでした。
もちろんX-7もそうです。
エントリーモデルとはいえ
やはり使い心地は秀逸でXシリーズらしい上品なシャッター音に
キレの良いファインダーはさすがこの時代のミノルタ機といった感じです。

「X-7」といえば最大の問題はプリズム前面に貼られた
モルトを原因とするプリズム腐食なのですが
今回お預かりしている「X-7」はめずらしくファインダーから見る限り
プリズムの腐食は確認できません。
それでも安心できないのもいつものことで
かろうじてプリズム蒸着が剥がれていないだけで
整備分解でプリズムを降ろそうとした瞬間に
一気に蒸着が剥がれるパターンも多いので油断できません。
まぁ、そうなれば交換するしかありません…
X-7は比較的、プリズム交換は何とかなるカメラなので
そこだけは少し安心ですが…
今回のX-7はプリズム云々ではなくシャッターに問題を抱えています。
それも電子制御関連ではなく機械的な問題です。
後幕の動きが異様に悪くシャッタースピードの精度が出ていない上に
何度か作動させているとシャッタ幕が途中で止まってしまい
隙間が空いた状態で固着してしまいます。
当然ミラーアップしたままになってしまいますし
この状態だとその撮影コマだけでなく周辺のコマにも光漏れしてしまいます。
いずれにせよ、まともに使える状態ではありません。
異物の挟み込みとか部品破損等ではなく
単純に汚れや古い油の影響で動きが悪いようです。
一通りの分解整備の上での調整で改善できるかと思われます。

スッキリしたシルバーも何とも良い佇まいです。
同じカメラでシルバーとブラック2色が
存在するのは珍しくもなんともないですが
X-7の場合は色の違いだけではありません。
後から追加されたブラックX-7はグリップが追加され
ファインダースクリーンも
ミノルタ自慢のアキュートマットスクリーンに変更されます。
価格も5,000円アップでした。
グリップの付いたブラックの外観はいかにも80年代的で
それはそれでよいのですがシルバーのこのシンプルなデザインが
妙に好感度が高いような気もします。
アキュートマットは確かに明るくて良いですが
直接比べない限りはこのシルバーのスクリーンも
十分な明るさとキレを備えています。
話が少々逸れました…まだ現状を確認しただけの状態です。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。