月別アーカイブ: 2023年5月

ニコンFフォトミックFTNのカメラ修理

今日は「ザリガニの日」だそうですよ。
1927(昭和2)年のこの日に
神奈川県の養殖業者により
アメリカ・ニューオーリンズから
アメリカザリガニが持ち込まれたそうです。
アメリカを出発した時には100匹だったそうですが
無事に日本に到着したのはわずか20匹だったです。
そのアメリカザリガニが養殖池から逃げ出し
その後、爆発的に広まったとされていまする。
1960(昭和35)年頃には九州でも確認されるほどになり
現在では沖縄を含む日本各地で確認され
国内では最もありふれたザリガニとなっています。
私も子供の頃、ザリガニ釣りよくやりました。
意外な程、汚い池や川にも住んでいるのですよね
水量がある程度あって淀んでいると大抵のことろにいた記憶が…
で、タコ糸に煮干しを括り付ける
簡単な仕掛けで面白いように釣れるのです。
それにしても…最初の20匹の中から逃げ出したものが
爆発的に増えて全国に広がるなんてもうなんというか…
いろいろ考えさせられますねぇ…ザリガニに罪はないのですが…

さてさて

本日は「ニコンFフォトミックFTN」のカメラ修理を行っています。
後期型のニコンFボディにフォトミックFTNファインダーが
装着されたモデルです。
このFTNファインダーからボディへの装着方法が変更され
前面の銘板を挟み込むような構造になっています。
それにともなってFTNファインダー登場時以降のFボディは
銘板のサイズが変更されており
以前の銘板が付いている前期ボディのままだと
FTNファインダーは装着できません。
装着するためには銘板を交換するか加工する等の処置が必要です。
今回のボディはもともとフォトミックFTNファインダーがセットされて
発売されていたものと思われもちろん普通装着されています。
交換式ファインダーがセールスポイントのひとつではありますが
FTNファインダーの装着には
組み合わせるボディによっては注意が必要です。

お預かりしているFフォトミックFTNは
おそらくかなり長い間使われずに仕舞い込まれていたものかと思います。
ただ保管環境は悪くなかったようで
それほど大きなダメージ等はないのですが
さすがに装着されている50mmレンズには少しばかりカビもあります。
今回はそれよりも全体的な油切れのほうが問題で
シャッターは何とか動作しているのですが
幕軸の動きはやはり悪く高速シャッターの精度は全く出ていません。
加えて低速シャッターはお約束のするスローガバナ―の固着で
ガバナを使う低速シャッターは全速シャッターが開いたままになってしまいます。
「F」のフォトミックファインダーは摺動抵抗の劣化が進んでいるものが多く
修理不可能なものが多いのですが
今回のフォトミックFTNファインダーは水銀電池が入ったままだったにも
関わらず奇跡的に状態は悪くなく
多少の接触不良はありますが何とか通常整備と調整で
普通に使用できる状態になりそうです。
プリズムにはこれもお約束の腐食もありますが
さほど目立つほどではなくこれ以上できるだけ広がらないような処置と
できる限りの清掃を行います。

まだ取り掛かったばかりですが
これから本格的に分解整備を行っていきます。
毎度思いますし毎度書きますが
本当に隅々までしっかりと造りこまれているカメラです。
整備後に各部品の動きをイメージしながら
ゆっくりと巻上、そっとシャッターを切ると
それだけで気持ちよくなってしまうようなカメラです。

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ニコマートFT2のカメラ修理

今日は「ファイトの日」らしいですよ。
「リポビタンD」でおなじみの大正製薬株式会社が制定しています。
「ファイト一発!」ですねぇ
日付は5と10で「ファイト」の語呂合わせです。
例の有名なCMはケイン・コスギのイメージが強いですねぇ
CMだからそうなのですが
なんでまた毎度毎度あんな危険な
シチュエーションになってしまうのか…(笑
あんな危険な場面になってしまうことはそうそうないですが
毎日のようになかなか思うように物事がはかどらずに
追い詰められてしまうような場面は
少なからず誰でもありますよね…
そんなときこそ「ファイト一発!」で何とか乗り切らないといけませんね。
いや最近なかなかうまくいかないことが
仕事だけじゃなくて多くてこれがまた…(苦笑)

さてさて

本日は「ニコマートFT2」のカメラ修理を行っています。
1975年に発売されたカメラです。
大ヒットした「ニコマートFTN」の改良型です。
基本的な機能や構造はほぼ「FTN」をそのまま受け継いでいますが
X接点付きのホットシューを採用し
シンクロソケットも「X」のみとなりました。
使用電池も水銀電池MR9から酸化銀電池SR44に変更されています。
生産台数は「FTN」ほどは多くはないですが
より現代的になり使いやすくなったモデルです。
堅牢性に優れるコパルシャッターは相変わらずで
多少の整備や調整が必要ではありますが
通常のメンテナンスで精度も含めて非常に安定した動作をしてくれます。
基本的にはシンプルな構成の機械制御マニュアル機なので
信頼性の高いカメラです。

お預かりしている「FT2」はやはり少々動きに粘りがあるものの
シャッターは比較的良好に動作しています。
ただ露出計は電池を入れても全く動作しません。
電池室周りの配線に問題があるか巻上レバーSW部の
接触不良かと思われます。
全く動かない場合は上記のパターンが多いですが
とりあえず動くけれど挙動が不安定な場合が
マイラー抵抗と呼ばれる摺動抵抗に問題がある場合が多いです。
まずは電源が入るように修理を行ってから
そのあたりの確認も行っていきます。
比較的、プリズム腐食は少ないカメラではあるのですが
今回はファインダー視野内に大きな点腐食が数か所確認されています。
さすがに目立つので今回は腐食のほぼない中古プリズムと
交換で対処します。
それとは別問題でファインダー周りのモルトが全滅のため
ファインダー内にとにかくゴミが多いです。
もちろんそのあたりもしっかり清掃を行っていきます。

まだ取り掛かったばかりの状態で
これから本格的に分解整備を行っていきます。
精悍なイメージのブラックボディですが
外装もかなり汚れている部分も多いので
組み立て時にできるかぎりキレイに仕上げていきます。
外装部品も分解していると
より細かいところまで清掃できますので
この機会に隅々までキレイにしていきます。

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ペンタックスSPのカメラ修理

今日は「紙飛行機の日」だそうですよ。
日付は5/8を「GO(5)HIGH(8)」と読んで
「行け、空高く」と5月の青空に高く飛んで行く
紙飛行機の飛ぶ姿を表しているのだそうです。
紙飛行機って幼少期の気軽に遊べるアイテムの筆頭でしたねぇ
新聞の折り込みチラシで毎日のように作っては
家の前の路地で飛ばしていた記憶が今でも
はっきりと覚えています。
自分でも折り紙の本とか読んでいろいろと試したけど
一番最初はじいさんに教えてもらった
「へそひこうき」でしたねぇ
(呼び名は近年に調べて知りました)
飛ばすとくるんと1回転するのです
これの折り方はもう一生忘れないでしょうねぇ
折り込みチラシって正方形ではなくて長方形だから
この「へそひこうき」や「いかひこうき」を
作るのに向いているのですよねぇ
少し厚手の丈夫な紙のチラシが入っていれば
(宝石・貴金属の広告に多い)
喜んで紙飛行機の材料にしていました。
懐かしいですね!後でこっそり1機折ってみます(笑

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
M42マウントのペンタックス機を代表するカメラですね。
このSPでついにTTL露出計が内蔵されるようになり
絞り込み測光とはいえ、後のカメラとスペック的には
変わらない現代的なカメラになりました。
価格も比較的お求めやすく、使いやすく丈夫と
欠点のないカメラで世界的にも大ヒットした一眼レフです。
そのおかげもあり現在でも現存台数の非常に多いカメラで
中古カメラ屋さんのみならずリサイクルショップ等でも
古い一眼レフが置いてあるとたいていが「SP」だったりします。
それ故に状態も個体ごとに千差万別で
非常に良いコンディションのものもそれなりにありますが
大抵の場合は未整備で悪環境に放置された状態の悪いものが多いです。
それでも大きな破損等がない限りは修理可能なカメラでもあります。

お預かりしている「SP」もどこかが致命的に
「破損」しているわけではないのですが
かなり長い間使われずに放置されていた個体かと思われます。
各部の経年劣化が酷いことに加えて
あらゆる機械的動作個所の動きが悪い状態です。
シャッターはかろうじて切れますが
シャッター幕の動きが先幕後幕共に非常に悪く
1/1000は全く開いていない状態で1/500も半分くらいしか
開ていないようです。
そして頻繁にミラーアップしたままになってしまいます。
ミラー駆動部自体の動きも重いのですが
直接の原因はシャッター動きが悪いためだと思われます。
露出計も電池を入れてSWをオンにしても
全く動きません。後で確認できましたが
これも露出計本体には大きな問題はないのですが
電池室やSW周り数か所に接触不良が起きていて
通電しない状態になっていました。
そして定番のプリズム腐食です。
プリズムをぐるりと巻いたモルトの劣化が原因となる
いつもの腐食です。
こればかりは腐食のないプリズムとの交換で対処します。

いろいろなトラブルを抱えてしまっている状態ですが
どれもSPでよくある症状のオンパレードです。
プリズム以外の部分に関しては
とにかく清掃して古い油脂類や汚れを取り除き
本来の小さなバネ力でスムーズに動けるように
整備を行っていきます。
最終的にいろいろと調整は必要ですが
それだけでもある程度の動きを取り戻せるはずです。
ご依頼者様はこのSPに限らず
フィルムカメラを使うこと自体の経験が
初めてではないかと思われますが
手間はかかるもののその手順や操作も含めて
楽しんでいただけるようにしっかり整備を行っていきます。

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オリンパスペンFのカメラ修理

今日は「コロッケの日」だそうですよ。
「コ(5)ロ(6)ッケ」と読む語呂合わせからのようです。
揚げたてはもちろん、冷めていたとしても
「コロッケ」は美味しいですよねぇ
お弁当の強い味方でもありますね!
もともとは西洋料理の(仏: croquette、蘭: kroket)を模倣して
考案されたものですがその語は日本独自の進化を続け
日本国外に逆輸出された日本式コロッケは
日本語そのままに’Korokke’と呼ばれているそうです。
一般的にコロッケは茹でたジャガイモを潰した
マッシュポテトをベースとしたものですが
クリームコロッケやメンチカツあたりもコロッケの仲間ですね。
昔は何個でも食べられるような気がしていましたが
今はすっかり揚げ物に弱くなってしまったので
1個食べれば十分です(苦笑)
メンチカツあたりだと1個でも後で胸やけがしてしまいます(笑
でもシンプルなポテトコロッケは何ともいえず
優しい味で美味しいですね。
いつからかソースも何も付けずにそのままで食べるのが
デフォルトになってしまいました。
ビールのつまみとしても優秀なんですよねぇ
特に揚げたてだと最高です!
ちょっと小腹がすいたときに1個だけ食べるなんてのもアリですし
コロッケの出番ってやはり多いような気がします。
スーパーでもコンビニでも気軽に手に入りますし…
こんなこと書いているとコロッケ食べたくなるのですよねぇ
近所のセブンで1個だけ買ってくるか…(笑

さてさて

本日は「オリンパスペンF」のカメラ修理を行っています。
孤高の存在とも言えるハーフ判一眼レフです。
ハーフ判一眼レフが「ペンF」のみということではないのですが
ハーフ判であることのメリットを最大限に引き出すために
通常の一眼レフとは全く異なった構造を持っており
そういう意味でも他に類を見ないカメラだと思います。
通常の一眼レフやハーフ判コンパクトの通常の「ペン」でも
独創的な部分の多いオリンパス製のカメラですが
この「ペンFシリーズ」に至っては
この頃のオリンパスらしさが最も強く出てるカメラではないかと思います。
個人的にはシンプルでファインダーも明るく
ダブルストロークで巻上角も適度で軽快な
最初の「ペンF」が一番「らしい」気がしますが
露出計装備でシングルストロークの「FT」や
その派生モデルの「FV」もそれぞれ魅力のあるカメラです。

今回お預かりしているのは無印の「ペンF」です。
巻上やミラー駆動に比較的トラブル…というか経年による
動作不良が多いカメラではありますが
今回の「ペンF」はそのあたりに関しては
快調に動作しています。
ご依頼者様に最初に伺った話では
「フィルムの後半で
やたらとコマ重なりやコマズレが起こる…」ということです。
装填方法の問題による巻き太りの可能性もあるかな…と思いつつ
いろいろと動きをチェックしていると
どうやら頻繁にスプロケットロックが解除されてしまって
フリーになってしまうようです。
ここがフリーになると当然ながら巻上はうまく進まずに
コマ重なりが起こります。
底面の巻き戻しボタンを押した際にのみ
フリーになる…というのが正解ですが
スプロケットに逆回りのテンションが少しかかると
比較的高い頻度でロックが外れてフリーになってしまうようです。
ロック部品の摩耗か動作不良が原因かと思われます。
ロックが普通に掛かっていることも多いので
根本的に破損してるわけではないと思いますが
場合によってはスプロケットごと
中古良品と交換するほうが良いかもしれません。

「ペンF」に限らない話ですが
スプロケット関連のトラブルはなかなか作業が大変な場合がほとんどです。
巻上周りの奥深い部分に関わるので…
まだ分解し始めたばかりの状態ですが
これから分解を進めてまずは巻上周りの修理整備を行っていきます。
その際に当然ながらシャッター周りやミラー駆動部も
脱着するので各駆動部の整備清掃を合わせて行っていきます。

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