日別アーカイブ: 2023年5月10日

ニコマートFT2のカメラ修理

今日は「ファイトの日」らしいですよ。
「リポビタンD」でおなじみの大正製薬株式会社が制定しています。
「ファイト一発!」ですねぇ
日付は5と10で「ファイト」の語呂合わせです。
例の有名なCMはケイン・コスギのイメージが強いですねぇ
CMだからそうなのですが
なんでまた毎度毎度あんな危険な
シチュエーションになってしまうのか…(笑
あんな危険な場面になってしまうことはそうそうないですが
毎日のようになかなか思うように物事がはかどらずに
追い詰められてしまうような場面は
少なからず誰でもありますよね…
そんなときこそ「ファイト一発!」で何とか乗り切らないといけませんね。
いや最近なかなかうまくいかないことが
仕事だけじゃなくて多くてこれがまた…(苦笑)

さてさて

本日は「ニコマートFT2」のカメラ修理を行っています。
1975年に発売されたカメラです。
大ヒットした「ニコマートFTN」の改良型です。
基本的な機能や構造はほぼ「FTN」をそのまま受け継いでいますが
X接点付きのホットシューを採用し
シンクロソケットも「X」のみとなりました。
使用電池も水銀電池MR9から酸化銀電池SR44に変更されています。
生産台数は「FTN」ほどは多くはないですが
より現代的になり使いやすくなったモデルです。
堅牢性に優れるコパルシャッターは相変わらずで
多少の整備や調整が必要ではありますが
通常のメンテナンスで精度も含めて非常に安定した動作をしてくれます。
基本的にはシンプルな構成の機械制御マニュアル機なので
信頼性の高いカメラです。

お預かりしている「FT2」はやはり少々動きに粘りがあるものの
シャッターは比較的良好に動作しています。
ただ露出計は電池を入れても全く動作しません。
電池室周りの配線に問題があるか巻上レバーSW部の
接触不良かと思われます。
全く動かない場合は上記のパターンが多いですが
とりあえず動くけれど挙動が不安定な場合が
マイラー抵抗と呼ばれる摺動抵抗に問題がある場合が多いです。
まずは電源が入るように修理を行ってから
そのあたりの確認も行っていきます。
比較的、プリズム腐食は少ないカメラではあるのですが
今回はファインダー視野内に大きな点腐食が数か所確認されています。
さすがに目立つので今回は腐食のほぼない中古プリズムと
交換で対処します。
それとは別問題でファインダー周りのモルトが全滅のため
ファインダー内にとにかくゴミが多いです。
もちろんそのあたりもしっかり清掃を行っていきます。

まだ取り掛かったばかりの状態で
これから本格的に分解整備を行っていきます。
精悍なイメージのブラックボディですが
外装もかなり汚れている部分も多いので
組み立て時にできるかぎりキレイに仕上げていきます。
外装部品も分解していると
より細かいところまで清掃できますので
この機会に隅々までキレイにしていきます。

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