日別アーカイブ: 2023年5月12日

ニコンFフォトミックFTNのカメラ修理

今日は「ザリガニの日」だそうですよ。
1927(昭和2)年のこの日に
神奈川県の養殖業者により
アメリカ・ニューオーリンズから
アメリカザリガニが持ち込まれたそうです。
アメリカを出発した時には100匹だったそうですが
無事に日本に到着したのはわずか20匹だったです。
そのアメリカザリガニが養殖池から逃げ出し
その後、爆発的に広まったとされていまする。
1960(昭和35)年頃には九州でも確認されるほどになり
現在では沖縄を含む日本各地で確認され
国内では最もありふれたザリガニとなっています。
私も子供の頃、ザリガニ釣りよくやりました。
意外な程、汚い池や川にも住んでいるのですよね
水量がある程度あって淀んでいると大抵のことろにいた記憶が…
で、タコ糸に煮干しを括り付ける
簡単な仕掛けで面白いように釣れるのです。
それにしても…最初の20匹の中から逃げ出したものが
爆発的に増えて全国に広がるなんてもうなんというか…
いろいろ考えさせられますねぇ…ザリガニに罪はないのですが…

さてさて

本日は「ニコンFフォトミックFTN」のカメラ修理を行っています。
後期型のニコンFボディにフォトミックFTNファインダーが
装着されたモデルです。
このFTNファインダーからボディへの装着方法が変更され
前面の銘板を挟み込むような構造になっています。
それにともなってFTNファインダー登場時以降のFボディは
銘板のサイズが変更されており
以前の銘板が付いている前期ボディのままだと
FTNファインダーは装着できません。
装着するためには銘板を交換するか加工する等の処置が必要です。
今回のボディはもともとフォトミックFTNファインダーがセットされて
発売されていたものと思われもちろん普通装着されています。
交換式ファインダーがセールスポイントのひとつではありますが
FTNファインダーの装着には
組み合わせるボディによっては注意が必要です。

お預かりしているFフォトミックFTNは
おそらくかなり長い間使われずに仕舞い込まれていたものかと思います。
ただ保管環境は悪くなかったようで
それほど大きなダメージ等はないのですが
さすがに装着されている50mmレンズには少しばかりカビもあります。
今回はそれよりも全体的な油切れのほうが問題で
シャッターは何とか動作しているのですが
幕軸の動きはやはり悪く高速シャッターの精度は全く出ていません。
加えて低速シャッターはお約束のするスローガバナ―の固着で
ガバナを使う低速シャッターは全速シャッターが開いたままになってしまいます。
「F」のフォトミックファインダーは摺動抵抗の劣化が進んでいるものが多く
修理不可能なものが多いのですが
今回のフォトミックFTNファインダーは水銀電池が入ったままだったにも
関わらず奇跡的に状態は悪くなく
多少の接触不良はありますが何とか通常整備と調整で
普通に使用できる状態になりそうです。
プリズムにはこれもお約束の腐食もありますが
さほど目立つほどではなくこれ以上できるだけ広がらないような処置と
できる限りの清掃を行います。

まだ取り掛かったばかりですが
これから本格的に分解整備を行っていきます。
毎度思いますし毎度書きますが
本当に隅々までしっかりと造りこまれているカメラです。
整備後に各部品の動きをイメージしながら
ゆっくりと巻上、そっとシャッターを切ると
それだけで気持ちよくなってしまうようなカメラです。

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