日別アーカイブ: 2023年11月23日

オリンパス35DCのカメラ修理

今日は「勤労感謝の日」で祝日ですが
「牡蠣の日」でもあるらしいですよ。
牡蠣の需要は、鍋物食材・贈答用などとして
12月にピークを迎えることから
直前の祝日「勤労感謝の日」を記念日としたとのことです。
また、「勤労感謝の日」に栄養豊富な牡蠣を食べて
勤労の疲れを癒してもらおうという思いが込められているのだそうです。
牡蠣は栄養満点で美味しいですものねぇ
私は牡蠣の産地でもある広島・呉出身なので
牡蠣は身近な食べ物です。
海に行けば沖にはカキ筏が浮いているのが普通で
最近は少しすくなkぅなりましたが
浅瀬にはカキ杭がたくさん打たれている光景が日常です。
海岸線のあちこちにカキ打ち場があり
潮の香りに混じったあの独特の匂いが何とも懐かしいですね。
毎年、呉の生カキ屋さんから少しだけですが
殻付きの牡蠣を取り寄せています。
今年もそろそろ届けられる頃です。
むき身の牡蠣はスーパーでも新鮮なものが簡単に手に入り
もちろん美味しいのですが
身が浸されている殻の中の海水を含む汁にも
多くの栄養素と旨みがたっぷり含まれていて
やはり殻つき少しは味わいたいのです!
今年も牡蠣むきナイフを持って待ち構えます。

さてさて

今日は「オリンパス35DC」のカメラ修理を行っています。
1971年発売のカメラです。
その名の通り「(D)デラックスな(C)コンパクトカメラ」です。
40mmF1.7の大口径レンズを搭載します。
シャッターユニットはセイコー製のプログラムシャッターで
シャッター羽根と絞り羽根を兼用するタイプです。
で、もちろん露出制御は露出計と連動して
プログラムオートとなります。
大口径レンズ搭載と聞くと今風に考えれば
開放時の描写が…なんて連想しますが
絞りのコントロールができるカメラではないので
レンズの描写を楽しみための大口径ではなく
フィルム感度もASA100が標準の時代に
暗い被写体から高輝度の被写体まで
どんなシーンでも簡単に撮影できることを目的とした
大口径レンズ+プログラムシャッターの搭載です。
ストロボ使用時にもプログラムオート撮影が可能な
世界初の自動フラッシュマチック機構や
逆光補正機能も搭載します。
「使いやすく間違いなくよく写るカメラ」として
非常にヒットしたカメラです。
当店にも修理整備依頼の多いカメラです。

お預かりしている「35DC」は
ご依頼者さまのご自宅で
随分長い間眠っていた個体だと思われます。
しかしながら保管状況は悪くなく
多少のレンズカビやファインダー汚れが見られますが
年代を考えると非常にキレイなほうで
電池もきちんと抜いて保管されていて
電池室へのダメージもありません。
電池を入れて動作確認して見ると
さすがに多少の接触不良で露出計の動きが不安定なことと
1.5Vの電池を入れて本来ならアンダー気味に
振り過ぎになるのが正常ですが
逆にオーバー気味で振りが少し足りないようです。
電気的にも機械的にもさすがに長年眠っていたせいもあり
動きの悪いところが多々見受けられるので
全体的に整備が必要な状況です。
露出計も1.5Vで精度が出るように再調整を行います。
機能には直接は関係ないですが
貼り革が剥がれかかっている上に両面テープの粘着がベタベタになっていて
かなり大変な状態になっていました。
オリンパスのカメラは貼り革にボンドではなく両面テープを
使っている機種が多いのですが劣化で
酷い状態になっているものも多いですね…

35DCのプログラムシャッター自体は機械制御ですが
露出計連動での制御を行うため
露出計が全く動いていない場合(光量不足あるいはそもそも電池がない)
シャッターロックがかかりシャッターは作動しません。
そのためいずれにしても電池をセットしないと
シャッターを切ることはできません。
ただし電池を入れておけば光量不足(あるいはレンズキャップをしたまま)でも
強制的に露出計を動かしてシャッターを切ることができます。
前期モデルなら底部に「F」のボタン
光機も出るならBC(バッテリーチェックボタン)押しながらレリーズすると
シャッターを切ることができます。
ちなみに今回はBCボタンがファインダー脇にある後期モデルです。
これから本格的に分解整備に取り掛かっていきます。