日別アーカイブ: 2023年12月1日

オリンパスペンEES-2のカメラ修理

今日からいよいよ12月!
2023年も残すところ1ヶ月となりました。
12月のスタートということもあって
今日は多くの記念日が制定されている日ですが
そんな中に「カイロの日」がありますねぇ
少し前まではカイロといえばハクキンカイロと思って
愛用していましたが腰やポケットに入れて
ひとつふたつとかで使う分には長時間使えて
温かさも段違いで非常によいのですが
頭やらかして右半身温痛覚麻痺になってからは
(少しはよくなって多少は温度を感じるようになりました)
低音やけどの心配があり使い捨てカイロ愛用のほうが多くなりました。
そしてうちの店内はとにかく下から底冷えするので
足や腰に何枚も使い捨てカイロを貼りたくなるのですね…
今日も実は3枚貼っています(笑
おそらく1月・2月になると5,6枚貼ります…
そのかわり電気代ばかりかかって
たいして効きもしない(効いても上ばかり)
店内のエアコンはいまだにオフです。
ほんと冬場は室内外問わず使い捨てカイロが手放せません。
昔はこんなに寒がりではなかったのですが…これも歳ですか…

さてさて

本日は「オリンパスペンEES-2」のカメラ修理を行っています。
ペンSやペンD等のマニュアル露出のペンも根強い人気がありますが
やはりペンといえばEE系の人気が高いと思います。
小さくて手軽に持ち歩けるハーフカメラだからこそ
簡単に軽快に撮りたい…といいうことなのでしょうね。
ペンEE系はピントは固定焦点で被写界深度でカバーしますが
EES系はEE系をベースにゾーンフォーカスとしたカメラです。
ゾーンフォーカスなのでそれでもアバウトではありますが
固定焦点のEE系に比べるとピントを多少は正確に合わせることができます。
3m付近(EES-2の場合、大人二人全身マ-ク・赤)に合わせておけば
ペンEE系と同じように固定焦点で撮ることも可能です。
EES-2はその名の通りEES系としては2代目のカメラです。
デザイン的にはペンEE系らしいレトロ且つ愛嬌のあるデザインで
グリーンがかったグレーの貼り革が何ともオシャレです。
機能的には前モデルのEESからかなり変更があります。
まずは裏ブタが取り外し式から丁番式に変更
対応するフィルム感度がASA200までだったのがASA400までに変更
ゾーンフォーカスが3点式から4点式に、
さらにピントリングは大径で使いやすいAuto切替式リングの隣に移動
フィルムカウンターは自動復帰式に変更
ホットシューが追加…今見比べてみたのですがこんな感じでしょうか…
基本的なスペックは変わりなくても使い勝手がかなり向上しています。
オリンパス曰く「普及型ペンEEシリーズの決定版」ということで
実際にかなり使いやすいカメラだと思います。

お預かりしている「EES-2」はフラッシュモード時には
普通にシャッターが切れるもののオートにすると
明るさに関係なく常に赤ベロが出てしまい
シャッターが切れないという状態です。
露出計指針が正常に動作しておらず
常に光量不足で赤ベロが動作しシャッターロックがかかるということですね。
この場合、セレンの劣化により起電がなく(あるいはわずかしかなく)
露出計が駆動していないのが最悪のシナリオですが
ペンEE(EES)系の場合はなかなかそうとは言い切れない場合が多いので
まずは分解して確認していきます。

最近手がけたペンEE(EES)系の露出計不動の原因は
やたらとこれが多いのですが
今回もシャッターユニットのネジが緩み外れて
(赤矢印にあるはずのネジ、実際の外れたネジが赤囲み)
露出計内部に磁力で引き寄せられ
指針駆動部に挟まって露出計を動かなくしていました。
シャッタ―羽根駆動部を挟み込む部分を留めているネジが3本あるのですが
ここのネジがやたらと緩みやすく外れるパターンが多いのです。
今回は1本だけ外れて露出計内部に紛れていましたが
3本とも外れて鏡胴がグラグラしている個体もたまに見かけます。
ペンEE系のセレンは意外と劣化している個体は少ないので
露出計不動の原因は今回のようなパターンが多いですね。
原因がわかったところで後は通常の整備一式を行った上で
露出計・オートの調整を行っていきます。
小さくても整備性は非常に良好なカメラです。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。